新人類とは?
新人類(しんじんるい)とは、これまでになかった考え方・感じ方をする若い世代のことを表した言葉です。
しん‐じんるい【新人類】
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
従来なかった考え方や感じ方をする若い世代を、新しく現れた人類とみなしていう語。昭和60年ごろから広まった。
ここでは、新人類の意味について解説します。
1955年〜1965年ごろに生まれた世代
新人類は、主に1955年〜1965年ごろに生まれた世代を指す傾向にあります。子ども時代は高度経済成長期で、これまでとは異なる考え方や価値観を持っていることから新人類と名付けられたようです。
社会人になった80年代はバブルのピークで、収入にも恵まれながら豊かな日本を満喫していた世代です。
1980年代に流行した言葉
新人類という言葉は、1980年代半ごろに流行した言葉。豊かな80年代の、若者文化を担った世代を指したとされています。豊かさが当たり前であった時代に育ち、それまでの世代とは大きく異なる価値観を持つことが特徴といえるでしょう。
「新人類世代」は「団塊の世代」や「ゆとり世代」などと並び、マーケティング上の世代区分として使われることもあります。
新人類にみられる特徴はある?
バブル期の豊かな時代を過ごしてきた新人類の世代には、ただ働くだけでなく、楽しむことも大切にする価値観があるといわれています。
とくに代表的な特徴とされるのは、次の2点です。
- 友だちのような親子関係
- 消費意欲が高い
詳しくみていきましょう。
友だちのような親子関係
新人類世代は、自分の子どもと友だちのような関係になりやすい傾向があるといわれます。子どもの気持ちを尊重し、対等な関係で接する人が多いようです。
豊かさの中で育った新人類世代は、子どもと一緒に生活を楽しむことを考え、結果として友だちのような関係を築きやすいのかもしれません。
消費意欲が高い
高度成長期に子ども時代を過ごし、バブルの時代に社会人になった新人類世代は、消費意欲が高い点も特徴として挙げられるようです。商品やサービスにも、新しいこと・楽しいことを求める傾向がみられます。
若いころから収入に恵まれていたため、派手な消費について抵抗がない人も多いのかもしれません。
新人類以外の世代と特徴
生まれた年代や社会背景による世代分けは、主にマーケティングの施策で活用されています。新人類の前には団塊の世代・しらけ世代があり、後にはバブル世代・就職氷河期世代が続きます。
ここでは、新人類以外の世代と特徴についてみていきましょう。
団塊の世代・しらけ世代
団塊の世代は、1947〜1949年に生まれた世代を指します。終戦後の第1次ベビーブームのあった時期に生まれ、世代人口が非常に多いことが特徴です。
「団塊」という言葉は、作家の堺屋太一氏が書いた小説「団塊の世代」が由来で、人口が増加して「大きな塊」ができたことを表しています。
人口が多い団塊の世代は、入学や就職などの局面で厳しい競争を経験しているため、競争意識・仲間意識が強いのが特徴といえるようです。また、高度経済成長期を経験したことで「努力すれば成果を得られる」という考えを持っている人が多いという意見もあります。
団塊の世代の後に続くのが、1950〜1965年ごろに生まれたしらけ世代です。エネルギーに満ちた団塊世代をみながら育った世代で、それらを反面教師とするような感覚を持っているとされています。そのため、無気力・無関心で個人主義傾向にあるというのが一般的な見方です。
バブル世代・就職氷河期世代
新人類の次の世代であるバブル世代は、1965〜1970年ごろに生まれた人たちのことです。バブルの時代に社会の一線で働き、バブルの好景気と終焉を経験しています。
新人類世代と同じく消費活動が積極的で、終身雇用制の会社が多かったため、愛社精神の強い人が多いことが特徴とされます。
就職氷河期世代は1970年〜1982年に生まれ、バブル崩壊が始まった1991年以降、就職活動を行なったとされる世代です。景気が落ち込んで企業の採用数が激減し、就職率が大きく低下していたため、就職氷河期と呼ばれています。
就職氷河期世代はロストジェネレーション(ロスジェネ)世代とも呼ばれ、倹約な一面や仕事に対してストイックな面を持つとされます。
団塊ジュニア世代・ミレニアル世代
団塊ジュニア世代は1971〜1974年ごろに生まれた、団塊世代の子どもにあたる人たちです。第2次ベビーブームの時期に生まれ、就職氷河期を経験しています。受験戦争や就職難をくぐり抜けている世代で、強いメンタルや保守的な考え方があるのが特徴といえるでしょう。
ミレニアル世代は、1980〜1995年ごろに生まれた世代です。ミレニアルは「千年紀の」という意味で、2000年以降に成人になった世代という意味で名付けられました。
デジタルやIT技術、インターネットの普及とともに成長してきた人たちです。仲間意識が強く、多様性や個性を重視する傾向にあるといわれています。
ゆとり世代とそれ以降
ゆとり世代とは、1987〜2004年ごろに生まれた世代です。日本で実施された「ゆとり教育」を受けていた世代であることから、ゆとり世代と呼ばれています。
ゆとり教育の影響により、競争意識や上昇志向があまりなく、合理的な考え方を持つ人が多いようです。
その後、1995〜2010年ごろに生まれた世代をZ世代、それ以降はアルファ世代と呼ばれています。Z世代は価値観を大切にするのが特徴で、他者とのつながりを求める傾向があるといわれます。
新人類は新しい価値観を持つ世代を表す
新人類は、おもに1955年から1965年ごろに生まれた世代を指す言葉です。これまでになかった考え方・感じ方をすることから、新しく現れた人類という意味で名付けられました。バブル期の豊かな時代に青春を謳歌し、消費意欲が高いという傾向がみられます。
前の世代はしらけ世代、後の世代はバブル世代であり、それらの特徴を兼ね備えている点もみられるかもしれません。
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