「一致団結」とは
決起大会などで登場することがある「一致団結」。よく見聞きする言葉ですが、正しい意味を調べたことがない人もいるでしょう。ビジネスシーンでもよく使う言葉ですので、意味や使い方を把握しておきたいですね。辞書で調べたことを紹介します。
意味と読み方
【一致団結】
読み方:いっちだんけつ
[名](スル)多くの人が一つの目的のためにまとまること。「—して困難に立ち向かう」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「一致」とは、二つ以上のものがぴったり一つになることの意。食い違うところがなく、同じであることを表します。「団結」は、多くの人が共通の目的のために一つにまとまること。つまり「一致団結」は、大勢の人が心を一つにして目的達成や問題解決のために協力し合うことを指します。
「一致団結」はどのように使う?
「一致団結」の使い方を見ていきましょう。この言葉を使う際の特徴や例文を紹介します。
特徴
「一致団結」を使うのは、組織やチームなど、複数の人が集まるシーンです。目標達成や問題解決など、共通する何かしらの目的のために、力を合わせて心を結びつける場合に使います。
具体的には、チームやグループ、組織などを鼓舞したいときに「一致団結」を用いることがあります。また、目的を達成した際に賞賛する際や、みんなが力を合わせて何かに取り組むさまを表す際にも用いられる言葉です。
例文
「一致団結」の具体的な使い方を見ていきましょう。例文を挙げますので、参考にしてくださいね。
《例文》高三の夏季大会で部員が一致団結し、強豪相手に一勝できたのが一番の思い出です
「一致団結」を経験するのは、スポーツやクラブ活動が多いかもしれませんね。メンバー同士で心を結び、勝利や成果をつかんだ経験を持つ人もいるでしょう。例文は、「一致団結」したことが、心に残るいい思い出になっていることを表現しています。
《例文》雇用環境をよくするためには、従業員が一致団結して会社に挑む必要がある
ビジネスシーンでも「一致団結」を使います。例文は、雇用環境改善を目指し、従業員同士が一つにまとまるよう促すさまを表しています。「一致団結」は、組織の発展に欠かせない要素と言えるかもしれません。
《例文》大きなピンチを迎えたが、このようなときだからこそ一致団結して乗り切ろう
生きていると、追い詰められて苦しい状態に陥ることがあります。実生活やビジネスシーンなどでピンチを迎えたら、周りの人と力を合わせて状況を打破する必要が生じますよね。例文は、周りの人に「一致団結」するよう鼓舞するさまを表しています。
「一致団結」と似た言葉を紹介
「一致団結」と似た言葉を見ていきましょう。言い換え表現に使えるかもしれませんので、ぜひチェックしてください。紹介するのは「連帯」「結束」「一揆」「和衷協同」の4つです。
「連帯」
二つ以上のものが結びついていることを表すのが「連帯」です。読み方は「れんたい」。「連帯して物事に取り組む」「連帯して〜した」のように使うことが多いでしょう。「一致団結」と似た意味を持ちますので、言い換えの表現に使うことができます。
《例文》彼女たちは連帯して改革を推し進めた
「結束」
「結束」とは、心に決めた目的や目標を同じくする人が団結することを指す言葉。「けっそく」と読みます。「結束する」「結束して〜する」「結束して事にあたる」のように使います。「一致団結」の言い換えに適した言葉と言えるでしょう。
《例文》緊急事態ほど、みんなで結束して事にあたる必要がある
「和衷協同」
「和衷協同」とは、心を合わせて互いに協力して事にあたることを意味する言葉。「わちゅうきょうどう」と読みます。「和衷」とは、心の底からなごむことの意。「協同」は、複数の人や団体が力を合わせ、物事を行うことを表します。この言葉も「一致団結」に近い意味を持つと言えるでしょう。
《例文》この地域では、住民が和衷協同して地域の振興に努めています
「一致団結」と反対の意味を持つ言葉
「一致団結」と反対の意味を持つ言葉についても見ていきましょう。「離反」「孤軍奮闘」「独断専行」「四面楚歌」を紹介します。
「離反」
従っていたものなどが、背き離れることを表す「離反」は、「一致団結」と反対の意味を表す言葉です。読み方は「りはん」。時代劇や小説、ニュースなどで登場することが多いでしょう。
《例文》チームからはすでに5名が離反してしまった
「孤軍奮闘」
「孤軍奮闘」とは、援軍もなく孤立した中でよく戦うことや、他人の援助を受けずに一人で努力することを意味する言葉。「こぐんふんとう」と読みます。たった一人で戦うことを意味しますので、「一致団結」と反対の意味を表す言葉と言えるでしょう。
《例文》彼は孤軍奮闘して企画を練り上げたが、やはり採用されなかった
「独断専行」
物事を自分ひとりで決断し、勝手に推し進めることを意味する「独断専行」は、「どくだんせんこう」と読みます。「独断」は自分ひとりで物事を決断すること、「専行」は自分の判断だけで行うことを表します。この言葉も単独行動を示しますので、「一致団結」と反対の意味になるでしょう。
《例文》執行部の独断専行により、プロジェクトは見切り発車することになった
「四面楚歌」
「四面楚歌」は、敵に囲まれて孤立し、助けがないことや、周囲の者が反対者ばかりであることを表します。読み方は「しめんそか」。助けてくれる人や賛同者がいないことを表すため、「一致団結」と反対の意味になります。
《例文》この状況はまさしく四面楚歌だよ。どうすればいいか見当すらつかない
最後に
「一致団結」とは、多くの人が一つの目的のためにまとまることを意味する言葉。スポーツなどの団体行動や、チームやグループで活動する際に用いられることが多いでしょう。実際に「一致団結」するには時間がかかり、乗り越えるべきことがたくさんあるはず。しかし、その分多くのことを学ぶことができ、得るものも多いでしょう。
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