PoA(ペース・オブ・エイジング)とは?
〝PoA(Pace of Aging)=ペース・オブ・エイジング〟(以降、PoA)は、その頭文字から通称ピーオーエーと呼ばれ、端的に言うと「老化速度」のことを指し、1972年ころにニュージーランドのダニーデン市で行われた研究から派生した言葉です。
PoA=老化の速度は、早いうちから健康的な生活習慣を取り入れることによって、生物学的な加齢速度を緩やかにさせることが可能と言われています。
PoAに関する研究報告
2000年以降、抗加齢医学や老化医学においてはPoAというキーワードに注目が集まり、PoA研究は世界各国において右肩上がりで増加中! まさに知っておくべきエイジングケアの新潮流なのです。
エビデンス1.老化たんぱく質の出現ピークは30代にも!
PoAに関する研究によると、老化を促進させる「老化たんぱく質」が多くなる年齢は30代でも訪れることがわかっています。具体的な老化たんぱく質の出現ピークは34歳、60歳、78歳と言われています。
エビデンス2.老化速度には個人差がある
1972年〜73年生まれの約1,000人を対象にした研究では、26歳から45歳までの20年間を追跡し生物学的加齢を測定。
その結果、加齢速度がもっとも遅かった人は、1年間に0.4歳しか加齢しなかったにもかかわらず、早い人は2.44歳も加齢していたのです。
この研究結果で、老化速度には個人差が出ることがわかり、日ごろの生活習慣が大きく影響していることが裏づけされました。
エビデンス 3.「見た目の若さ」は「身体的な若さ」に比例する
2001年、南デンマーク大学のクリステンセン教授らのグループは、遺伝子が同じ双子をサンプルに選び、見た目年齢と寿命の関連性を調査。すると、同じ遺伝子であっても生活習慣が異なることで老化速度に差が出て、見た目が若い人ほど長生きするという結果が報告されています。
30代がPoAを意識するべき理由
仕事やプライベートでさまざまな節目を迎える30代。充実した日々を送る一方で、肉体的&精神的なストレスを感じやすい世代でもあり、若さゆえに無理をしてしまう人も。
そうなると生活習慣は乱れてしまい、偏った食生活や睡眠不足、運動不足などで「老化負債」を抱え、PoAを加速させてしまう原因に。
老化を促進させるたんぱく質が最初にピークを迎える30代のうちに、健康的な生活習慣に取り組めるかどうかで、その後のPoA=老化速度が決まるのです。
PoAを整えるにはバランスのいい食生活がマスト
PoA=老化速度を緩めるには、「適切な運動」「適切な栄養」「過不足ない睡眠」「自分を取り巻く環境」を意識することが大切です。ところが、現代人は「新型栄養失調」とも言われるほど、栄養不足が年々深刻化しています。
いくつかの理由があって、ひとつは30代を中心に「朝食抜き」が多いこと。また、肉料理や揚げ物中心の偏った食生活でエネルギーは足りているものの、ビタミンやミネラルの摂取量が足りていないことも挙げられます。さらには、野菜や果物の栄養成分自体が低下していることなども影響しているのです。
特別に意識をしていないと、うっかり栄養不足になってしまうのが現代人。ただ、多忙を極める働き世代にとって、毎日の食事だけで栄養補給をすることは簡単ではありません。その場合、マルチミネラルやマルチビタミンといったサプリメントなどでチャージするのもひとつの方法です。
まとめ
新たなエイジングケアの新潮流として注目されている〝PoA〟。30代で最初に訪れるという「老化たんぱく質」の増加をいかに抑えられるかどうかが、その後のPoA=老化速度を決めるのです。だからこそ、早いうちから栄養バランスのとれた食事を中心に、健康的な生活習慣を送ることが大切に。サプリメントや栄養補助食品などを活用しながら、30代の今こそ、できることから始めていきましょう!
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