「竹馬の友」って何?
「竹馬の友」は、あまり見聞きしない言葉かもしれません。幼いころからの友人を指す言葉であり、年代によっては会話にも登場します。この言葉を初めて見たという場合は、意味や使い方を把握しておくといいですね。
まずは、辞書で調べた言葉の意味を見ていきましょう。
意味と読み方
【竹馬の友】
読み方:ちくばのとも
幼いころに、ともに竹馬に乗って遊んだ友。幼ともだち。幼なじみ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
幼い頃から仲が良い人や、物心ついたころからの顔なじみを指すのが「竹馬の友」。「たけうま」ではなく「ちくば」と読みますので、読み間違いに注意してください。
中国の故事が由来で、もともとはライバルという意味合いで使われていたとする説も。現在は、上述の意味で使われています。
「竹馬の友」の使い方
「竹馬の友」という言葉の使い方を見ていきましょう。例文を参考に使い方をチェックしてください。
例文で紹介
《例文》
・彼女とは長いつきあいで、いわゆる「竹馬の友」になります
・「竹馬の友」というべき存在の彼には、何でも相談することができる
・Aさんは父親の「竹馬の友」であると同時に、仕事のパートナーでもある
・「竹馬の友」だと思っていた彼女だが、連絡をとることができなくなりました
「竹馬の友」という言葉は、誰かを指して使うことがほとんど。「幼なじみ」を表す際に用いられることが多いでしょう。また、「竹馬の友」は友達を指す場合にのみ使い、夫婦やパートナーに対しては使いません。
「竹馬の友」に似た言葉は
「竹馬の友」に似た言葉を紹介します。言い換えの表現として使うこともできますので、それぞれの意味をチェックしてみてください。
「昔なじみ」
「昔なじみ」とは、ずっと以前に親しかった人や、以前から親しくしている人を指す言葉です。また、人に限らず、昔から親しみを持っているものに対しても使われています。「昔なじみの仲間」「昔なじみの間柄」のように使うことが多いでしょう。
「竹馬の友」と異なるのは、人以外にも使えること。「昔なじみの味」「昔なじみの店」のように使うこともあります。
《例文》幼い頃に住んでいた町の洋食屋で、昔なじみの味を楽しむことができた
「旧友」
古くからの友達や、昔の友人を意味する「旧友」も、「竹馬の友」に近い意味を持ちます。「竹馬の友」の言い換え表現として、把握するのもいいですね。
「旧友」は、幼い頃を知っている人とは限りません。幼なじみではないけれど、学生時代に知り合って長く交流している人も「旧友」になります。この点が「竹馬の友」とは異なりますので、注意してくださいね。
《例文》旧友からのお願いで、乾杯の挨拶をすることになりました
「幼友達」
「幼友達(おさなともだち)」は、幼いときの友達を指す言葉。幼いときから親交が続く友達を表します。親同士が友達だったり、幼稚園や保育園が同じだったりしたことから、物心つく前に出会っていることも多いでしょう。
《例文》久しぶりの帰省で幼友達と会うことができ、昔話に花が咲いた
「旧知」
「旧知(きゅうち)」とは、古くからの知り合いや昔なじみの人を指します。「旧知のよしみで」「旧知の間柄」のように使うことが多いでしょう。
《例文》Aさんとは旧知の間柄ということもあり、スムーズに話を進めることができた
「水魚の交わり」
水と魚との切り離せない関係のような、非常に親密な交友のことを「水魚の交わり」と言います。読み方は「すいぎょのまじわり」。中国・三国時代の武将である劉備(りゅうび)と、彼の軍師である諸葛孔明(しょかつこうめい)の関係を表す言葉が由来とされる言葉です。
「水魚の交わり」は、夫婦に対しても使えます。信頼し合っているパートナーとの関係を表すのにも適しているでしょう。
《例文》私の理想は、姉夫婦。水魚の交わりとも言える関係に憧れます。
「友」を含む言葉を紹介
「竹馬の友」は、幼なじみという特別な友を表します。他にもある「友」を表す言葉を見ていきましょう。
「心腹の友」
「心腹の友」とは、心を許し合ったもっとも親しい友人のことを指します。「しんぷくのとも」と読み、心から頼りにできる友人のことを表現する場合に使うと考えてください。日常的に使う言葉ではないかもしれませんが、小説などの作品で登場することも。「友」を表す表現の一つとして、覚えておくのもいいですね。
《例文》大学時代に出会った友人とは何度もぶつかって来たが、今はすっかり心腹の友です
「莫逆の友」
「莫逆の友」とは、気心がよく通じ合っている友のこと。親友を指します。読み方は「ばくげきのとも」。「莫逆」とは、非常に親しい間柄という意味で、「ばくぎゃく」と読むこともあります。心に逆らうものがまったく無いと言えるほどの、非常に親しい友達を表す際に用いられる言葉です。
《例文》母の莫逆の友であるAさんは、私と妹のことをとても可愛がってくれました
「刎頚の友」
刎頚の交わりで結ばれた友のことを、「刎頚の友」と言います。読み方は「ふんけいのとも」。刎頚の交わりとは、その友のためなら、たとえ首を切られても悔いはないというくらいの親しい交際のこと。中国の『史記』が由来の言葉とされています。
《例文》この小説で感動したのは、主人公の刎頚の友である人物がとった行動です
「まさかの時の友こそ真の友」
思いがけない窮地に手を差し伸べてくれる友人こそが、本当に友人と呼ぶべき存在であるという意味を表すのが、「まさかの時の友こそ真の友」です。読み方は、「まさかのときのともこそしんのとも」。
自分が苦しい時に助けてくれる人や、手を差し伸べてくれる人というのは貴重であることを感じさせる言葉です。
《例文》「まさかの時の友こそ真の友」という言葉もあるように、自分が苦しんでいる時に手助けしてくれたり、言葉をかけてくれたりする友人はそう多くありません。そういう人がいたら、ぜひ大切にしてください。
最後に
「竹馬の友」という言葉の意味や使い方などをまとめました。幼いころから親しくしている友人を指すこの言葉は、親友であるというニュアンスを含みます。単なる知り合いで、あまり交流がなかったというケースには適さないことが多いので、気をつけたいですね。「友」を表す言葉は他にもたくさんあります。それぞれの意味を把握し、使い分けてくださいね。
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