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膝の裏が伸びにくい・痛い! どうして…?
「膝の裏が硬くて、脚をスッと伸ばせない」、はたまた「膝の裏が痛い」――。
これらに心当たりがあるみなさん、もしかしたら座りっぱなしの姿勢が長く続いていませんか?
「●●っぱなし」の姿勢が膝裏の伸び・痛みと関係アリ
椅子に座った姿勢というのは、ずばり膝を曲げた姿勢です。そして、長い時間この姿勢を取り続けることで膝裏の筋肉が動かされずにいると、硬くなってしまいます。その結果、脚を伸ばしたとき、膝裏に伸びにくさを感じるようになることがあるのです。
また、立っているときの姿勢も膝裏の痛みと関係があります。例えば、女性によく見られる反り腰の姿勢では、膝を突っ張って、力んだ状態で立つことになるため、膝裏に痛みがでるケースがあるでしょう。
このような「座りっぱなし」「腰を反らせて立ちっぱなし」の姿勢のほかにも、膝の曲げ伸ばしを頻繁におこなうスポーツによって、痛みがでることも考えられます。膝裏や膝が痛いときは、膝を強く曲げる動作、正座、しゃがむ姿勢を控えるといいかもしれません。
ここからは、「●●っぱなし」の姿勢が長く続きがちな方だけでなく、膝裏の伸びや痛みの予防・対策をしたい方にもおすすめのストレッチのやり方をご紹介していきます。
【座ったまま】手を使った膝裏伸ばしのストレッチ
STEP 1:両脚を前に伸ばして座り、左手を左ひざの上に置く
▲両脚を前に伸ばした“長座(ちょうざ)”の姿勢からスタート! 左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて、骨盤を立てましょう。足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)を前に押し出すと、脚の背面が伸びやすくなって○!
STEP 2:【息を吐きながら】右手で左足先を持ち、体のほうに引っ張る
▲左手は左ひざの上にセットし、上から軽く押さえます。右手で左足先を持ち、上体をやや前に倒したら、足先を体のほうに向けて優しく引っ張りましょう。左膝の裏に、心地よい伸びを感じるところでキープ。反対側も同様におこないます。〈回数:5呼吸〉
伸びがツラい場合は…
膝裏の伸びがツラい場合、膝を軽く曲げてもOK。
▲まずは無理のない範囲でストレッチをしましょう。ストレッチに慣れてきたら、吐く息に合わせて膝を少しずつ伸ばしていくとgood!
【座ったまま】片脚を乗せた前屈のストレッチ
STEP 1:両脚を前に伸ばして座り、左膝を立てる
▲長座の姿勢から、左膝を立てます。ここでも頭頂~腰までがなるべく一直線になるように、背筋をスッと伸ばしておきましょう。右の足裏3点は、前にグッと突き出しておきます。
STEP 2:左足首を右太ももに乗せる
▲左膝を外に倒し、左足首を右太ももの上に乗せます。手は体の前につきましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】前屈をする
▲ポイントは、右の足裏3点を突き出したまま前屈をすること。そのうえで右膝がなるべく床から浮かないように意識しながら、無理のないところまで前屈を深めます。反対側も同様におこないましょう。〈回数:5呼吸〉
【寝ながら】簡単! ベッドの上でもできる仰向けのストレッチ
STEP 1:仰向けになり、左膝を立てる
▲仰向けになったとき、腰が床から浮きやすい方は下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:【息を吐きながら】左足を天井方向に持ち上げる
▲左脚を床から浮かせ、膝を伸ばします。両手は左の太もも、もしくは膝の裏あたりを持ってストレッチをサポート! 左膝の伸びがツラい場合、膝を軽く曲げてもOK。ここでも左の足裏3点は天井を押すように突き出しておくと、脚の背面の伸びが深まって◎。反対側も同様におこないます。〈回数:5呼吸〉
伸びがツラい場合は…
上記のストレッチで伸びがツラい場合、タオルを足裏にかけてサポートする方法を試してみましょう。
▲タオルを足裏にかけたら、手で両端を持ちます。つま先を自分のほうに向け、脚の高さ・膝の伸び具合を調節しましょう。
ヨガ「鋤のポーズ」は脚以外の背面も伸びて、疲れた体に◎
STEP 1:仰向けになる
▲仰向けになり、両脚を揃えます。手のひらは下に向けておきましょう。
STEP 2:脚を頭の先に伸ばす
▲まずは手で床を押し、脚・腰を持ち上げます。その後手は腰に添え、足先を頭の先の床につけましょう。足先が床につかない場合、下にヨガブロックや厚みのある本などを置いてサポートしてもOK。つま先で床を捉えて押し、膝裏を伸ばしきることを意識すると◎!
STEP 3:床の上で両手の指を組む
▲姿勢が安定したら、両腕を床に下ろします。手の指を組み、座骨を真上に引き上げて呼吸を繰り返しましょう。ポイントは、首ではなく肩で体重を支えること! 肩の真上に腰がくるように、姿勢を整えます。〈回数:5呼吸〉
ヨガ「鋤のポーズ」は、脚の背面だけでなく、首~背中にかけても深くストレッチできるポーズです。長時間のデスクワークで、体の背面に疲れを感じる夜にもおすすめ。ただし、やや難易度が高めのポーズなので、まずはSTEP 2でキープするところから始めてみましょう。
膝の皿を動かしてリフレッシュ
膝の裏には、膝窩(しっか)リンパ節があります。これは、足の甲や足の前面、ふくらはぎのリンパ液が入ってくる場所。膝窩リンパ節に集められたリンパ液は、太ももを通って鼠径(そけい)リンパ節へと向かいます。
そのため、膝窩リンパ節や鼠径リンパ節へのリンパ液の流れが滞ると、脚のむくみ・冷えを感じることが多くなりがちなのです。ストレッチで膝裏を伸ばすほか、硬くなるとリンパ液が滞りやすくなる膝関節や膝の皿を動かすマッサージをしておくのもいいでしょう。
やり方
脚を伸ばした長座の姿勢から、左膝を立てます。左手の親指と人差し指で膝の皿をつかみ、上下・左右に動かしてほぐしましょう。
始めは動きが悪くても、徐々に動いてくるようになるので無理なく優しくおこないます。
▲反対側も同様におこないましょう。〈回数:各5~10回〉
膝の裏は強く押すと痛い場所でもあるので、ストレッチで伸ばすときや膝まわりに触れるときは、力加減に気をつけましょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。