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2024.01.05

手取り40万円の年収は? 知っておきたい「支給されるお金」についても紹介【専門家監修】

「手取り40万円」だと年収はどれくらいになるのか、手取りと年収の違いや、手取り40万円の年収について紹介します。加えて、給与の支給項目についても意味などを見ていきましょう。お金を管理する際の参考にしてください。

手取りと年収は違う?

「毎月自由になるお金が40万円くらいあればいいな」と思うことはありませんか? 会社から支給される給与のうち、実際に手元に入るお金のことを「手取り」と言いますが、「手取り=年収」だと思っていませんか?

手取りは、年収とは金額が異なります。40万円の手取りを希望する場合、年収はいくらになるのか見ていきましょう。まずは、手取りと年収の違いを紹介します。

手取りと年収の違い

「手取り」と「年収」はどちらも収入に関する言葉。正しい意味を知らない人は意外と多く、混同しやすいかもしれません。

▷年収
1年間(1月1日から12月31日)の収入。毎月の給与とボーナス(賞与)など、勤務先から支給された総額を表します。額面(がくめん)という言葉も使うと思いますが、額面は毎月の総支給額のこと。給与明細書には「総支給金額」の欄に記載されています。額面の1年分にあたるのが年収だと考えてください。

▷手取り
年収から社会保険料や、税金を差し引いて支払われる金額のこと。給与明細書では、「差引支給額」に記載されている金額が該当します。実際に手元に入る金額を指すため、手取りで生活をやりくりすることになります。

なお、手取りの総額が年収を上回ることは基本的にありません。

給料袋とペン
(c)Adobe Stock

手取り40万円の年収は550~650万円

年収から差し引かれる社会保険料や税金は、複雑な計算を経て金額を出します。これには、居住地域や家族構成、年齢などが影響してきます。そのため、手取り40万円であっても、年収がまったく同じ金額ということにはなりません。個人差がかなりあると思ってください。

一般的には、年収の75~85%が手取りになると言われています。それにあてはめて考えると、手取り40万円の人の年収は550~650万円になることが多いと言えるでしょう。

また、年収はボーナスの有無でも変わります。上記の金額はボーナスを考えずに計算しましたので、ボーナスが支給された場合も見ていきましょう。

たとえば、1回のボーナスの手取りが80万円(手取り2か月分)、夏と冬の2回支給されたと仮定すると、年収は750~850万円になると考えられます。

ただし、上記はすべて概算であり、実際の年収とは異なります。あくまでも目安の一つとして捉えてくださいね。

参照:三菱UFJニコスmycard|手取り計算の方法は?月収・年収の額面からわかる早見表も紹介| (mufg.jp)

勤務先から支給されるお金とは?

ここからは勤務先から支給されるお金について見て行きましょう。給与明細書を見ると、「支給欄」と「控除欄」があり、数字や金額がたくさん記載されていますよね。「支給」とは、文字通り勤務先からもらえるお金のこと。実はいろんな種類の「支給」がありますので、内容を一緒に見ていきましょう。

基本給

給与の基本となるお金のこと。諸手当やインセンティブなどは含みません。本給や本俸と表すこともあります。

ボーナスが支給される際、「基本給〇か月分」のように表すことがありますが、基本給はボーナスに影響するということも。基本給の金額は把握しておく方がいいでしょう。

時間外手当

時間外労働(労働基準法や労働協約に定める時間を超えて行なわれる労働、または休日に行われる労働)に対して支払われる賃金のこと。割り増しで支給されることもあります。

時間外手当の詳細については、会社が独自で決めています。情報は就業規則に掲載されていることが多いので、チェックしてみるといいですよ。

役職手当

役職(主に管理職)に対して支払われる手当のこと。管理をするという役割や、責任の重さに対して支給されると考えてください。

会社によっては、役職につくと時間外手当が支給されなくなることも。その調整として役職手当を支給するというケースもあります。

資格とペン
(c)Adobe Stock

そのほかの手当も紹介

手当にはさまざまなものがありますが、それを採用するかどうかは会社が独自で定めています。自分の会社にはない手当もたくさんありますので、注意してください。

営業手当:営業職に就く従業員に対して支給されるもの。スーツや靴代として支給されることがあります。

資格手当:特定の資格やスキルに対して支給されます。取得の難易度により、金額が変わるというケースもあるでしょう。

技術手当:特定の専門職として活躍する人に支給されるもの。高い技術力や能力に対して上乗せされることが多いでしょう。

住宅手当:引っ越しを伴う転勤がある従業員に対して、家賃補助の目的で支給されます。また、住宅ローンを抱える従業員の補てん目的というケースもあるでしょう。

家族手当:扶養家族に応じて支給されます。

上記以外にも在宅勤務手当や通勤手当、マイカー手当など、多種類の手当があります。詳細はいずれも就業規則に書かれているはずなので、気になる人は確認してみましょう。

控除の項目も見ておこう

給与明細表には、「控除」の欄もありますよね。この内容も把握しておくことをおすすめします。

控除欄に記載されている主な項目は

控除とは、給与から差し引かれるお金のことを指します。控除欄に記載されているのは次の項目が多いでしょう。

・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・介護保険料(40歳以上の従業員対象)

上記は社会保険料です。公的な医療保険制度や年金制度などにかかる保険料が該当すると考えてください。

・所得税
・住民税

個人の所得に対してかかる税金と、その年の1月1日に居住している都道府県や市区町村に収める税金のことを言います。

所得税は年末調整や確定申告などで調整し、過不足が生じた場合は還付あるいは追加徴収される仕組みになっています。

貯金箱を持つ女性
(c)Adobe Stock

転職活動で聞かれるのは希望の手取り?

転職活動をすると、面接などで「希望の年収」を聞かれることがあります。この場合は、手取りではなく「年収」を答えるようにしてください。

もし、手取りで答えてしまうと、転職後収入が減ってしまうかもしれません。基本的には「年収」を聞かれることが多いので、心得ておいてくださいね。

希望年収を考える場合は、実際のやりくり費になる手取りの金額から考えるのも一つ。希望の手取り額に控除の分を上乗せした金額はいくらになるか、考えておくといいですね。

最後に

手取り40万円の年収と、給与の支給項目について紹介しました。お金は生きるのに欠かせないものですが、収入に関する言葉の意味や内容については意外と知られていません。意味の捉え違いをしていると損をすることもありますので、正しく把握しておきたいですね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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