年収500万円だと、住宅ローンは組める?
住宅を考える際、気になるのが住宅ローンでしょう。お金をいくら借りるかにより、購入できる物件は変わりますよね。
たとえば年収500万円の場合、住宅ローンは利用できるのか、住宅ローンを利用する際に考えておきたいことなどを紹介します。
住宅ローンって何?
住宅ローンは、金融機関が提供する商品の一つ。マイホーム購入の際に利用することができるローン(貸付金)を指します。住宅ローンは、マイホーム購入以外に増改築でも利用することができますが、使いみちは「自分が住む住居」のみ。他のことには使えません。
また、住宅ローンは借り換えをすることもできます。経済や社会の影響により金利が変わったり、他の金融機関で借り換えをするとメリットが生じたりする場合に、借り換えを検討することが多いでしょう。
状況にもよるが、年収500万円で住宅ローンを組むのは可能
住宅ローンは、申込んだらすぐに契約できるというものではありません。住宅ローンには審査があり、契約をしても問題ないと金融機関が判断したら、契約することができます。
住宅ローンの審査基準はさまざまであり、金融機関により異なります。基本的には住宅ローンを契約する人物と物件の両方に対して、審査されると考えてください。
審査基準で多いのは、その人の年収や勤続年数、年齢、住宅ローン以外の借入状況、返済状況でしょう。経済状況や、健康状態が安定していることなどが考慮されることもあります。物件は、住宅ローンの融資対象として価値があるかどうかを考慮するところが多いはずです。
年収500万円の場合、個人の状況にもよりますが、住宅ローンを組める可能性はあると考えていいでしょう。
住宅ローンを検討するなら押さえておきたい3つのポイント
住宅ローン利用で、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。次のことを把握しておくと、住宅ローンを検討する際に楽かもしれません。参考にしてくださいね。
返済負担率について
住宅ローンを組む際、収入に対して占める返済額の割合のことを言います。返済比率とも呼ばれますが、返済負担率が高ければ、月々の返済負担も重くなると考えてください。
一般的には、返済負担率は20~25%が理想とされています。返済に無理が生じない範囲と言われており、住宅ローンを考える際の指標の一つ。返済負担率が高すぎると、住宅ローンを組めないことがあるとも言われます。
25%を超える返済負担率で、住宅ローンを組むこともできますが、基本的には避けるのが無難。特に今は、経済や社会情勢の影響で収入アップが期待できない可能性もあるため、慎重に検討する方がいいでしょう。また、子供の教育費や老後費用なども考慮に入れ、プランを考えることをおすすめします。
なお、返済負担率を考える際は、実際にやりくりをする手取りをベースにして検討を。年収ベースで考えるのは避ける方がいいでしょう。
返済期間について
住宅ローンは中長期にわたり、契約することがほとんどです。そのため、返済を終える際の年齢についても十分に考慮しなければなりません。
住宅ローンの返済期間で選ばれるのは、25~30年が多いでしょう。たとえば、30歳で住宅ローンを契約すると、返済が終わるのは55~60歳。会社員であれば、役職定年や定年退職となる時期でしょう。
定年退職までに完済するのが理想ですが、契約時の年齢によってはそれが難しいケースもあります。そうなると、返済期間や借入額で調整しなければならないこともあり、その点は意識したいところです。
頭金について
住宅ローンを考える際に、検討したいのが頭金です。住宅を購入する場合、ある程度まとまったお金を頭金として支払うことで、返済負担率を下げたり、返済期間を短くしたりできるでしょう。
住宅の購入価格の1~2割程度を目安とし、頭金を検討するといいですね。たとえば4,000万円の住宅を購入するなら、400~800万円くらいを頭金にするというイメージです。
避けて欲しいのが、返済負担率を下げるために貯金をはたいて頭金にするということ。返済負担率が下がったとしても、引っ越しの費用がない、火災保険に加入できないというようなことになるかもしれません。
また、予想外の病気やケガなどが発生した、会社が倒産して仕事を失ったというようなことが生じてしまうと、たちまち生活に行き詰ってしまいます。
住宅ローンを検討する際に考えたいこと
住宅購入は、人生の大きなライフイベントです。大きなお金が動きますから、さまざまなことを考慮しながら、慎重に返済プランを考えてくださいね。
住宅ローンを検討する際、考えたいことを紹介します。次に挙げることを意識しながら、住宅購入を検討してみてください。
教育費について
人生でもっとも大きなお金が動くのが、住宅購入と老後資金、教育費だと言われています。時期や家族構成、ライフプランにもよりますが、住宅購入と教育費が重なる人は多いもの。どちらも多額の費用がかかりますから、検討の際はそのことを意識するようにしてください。
国は子育て支援に力を入れているため、教育費はそこまで負担しなくてもいいかもしれません。しかし、予想外のことが起きる可能性も十分にありますから、基本的には教育費を自分たちでまかなうことを考えておくといいですね。
特に注意したいのが、子供が高校を卒業したあとのこと。大学進学や留学には多額のお金がかかります。そのことも鑑み、返済プランを検討するようにしてください。
年収が下がったときのことも考える
年収500万円の人は、住宅ローンを組める可能性は十分にありますが、この年収をキープできるかどうかは誰にもわかりません。人生は予想外のことがたくさん起こるもの。病気やケガ、勤務先の倒産などは、誰にでも起こりうると言えるでしょう。
そのような、「最悪の状況」を考えるのはしんどいですが、実際に起こると大変です。万一が生じた際にどうリカバリーするか、その点もきちんと考え、金融機関と相談するようにしてください。
最後に
年収500万円の人が住宅ローンを組める可能性は十分にあると言えます。だからこそ、さまざまな視点からシミュレーションを行ない、慎重にプランを考えてください。住宅購入は複雑な手続きが多く、専門用語もたくさん登場します。わかりにくいことも多いので、必ず専門家や金融機関に相談し、じっくりと検討するようにしてくださいね。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン