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2024.01.02

年収1,000万円の手取りを紹介! 年収が高いからこそ気をつけたいこと【専門家監修】

「年収1,000万円」に憧れる人は多いでしょう。これくらいの年収があれば、余裕があり自由な生活が送れると感じますよね。しかし、年収の金額がそのままもらえるわけではありません。年収1,000万円の手取りを確認しましょう。

年収1,000万円の割合は?

年収1,000万円と聞くと、裕福な人を思い浮かべるかもしれません。「結婚するならそれくらいの年収が欲しい」とか「いずれ年収1,000万円になりたい」と思う人もいるでしょう。

年収1,000万円だと、実際に手元に入るお金はいくらになるのでしょうか? また、日本における年収1,000万円の人の割合も見ていきましょう。

令和4年は全体の5.4%が該当

国税庁長官官房企画課が公表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与階級別給与所得者数・構成割合は次の通りです。

《男性》
1,000万円超1,500万円以下:6.2%
1,500万円超2,000万円以下:1.3%
2,000万円超2,500万円以下:0.4%
2,500万円超:0.5%

《女性》
1,000万円超1,500万円以下:1.0%
1,500万円超2,000万円以下:0.3%
2,000万円超2,500万円以下:0.1%
2,500万円超:0.1%

なお、男性と女性を合わせた割合は次の通りです。

《計》
1,000万円超1,500万円以下:4.0%
1,500万円超2,000万円以下:0.8%
2,000万円超2,500万円以下:0.3%
2,500万円超:0.3%

男性は全体の8.4%、女性は1.5%が該当しますが、この男女差は時代背景などが大きく関係していると言えるでしょう。女性の躍進を社会が後押しするようになったため、今後は女性の比率がさらに増えるかもしれませんね。

参照:国税庁長官官房企画課「令和4年分 民間給与実態統計調査」000.pdf (nta.go.jp)

コインと人影
(c)Adobe Stock

年収1,000万円以上の人はかなり少ない

データから読み取れるのは、年収1,000万円以上の人の割合は全体の10%に満たないということ。この金額を稼ぐ人はかなり少ないことがわかります。年収1,000万円のパートナーを見つけるのも、自分が年収1,000万円になるのも、簡単にできることではないと考えていいでしょう。

年収1,000万円だと手取りは?

実際に年収1,000万円の場合、手取りはいくらになるのか見ていきましょう。まずは「手取り」について、意味をおさらいします。

手取りの意味をおさらい

会社から給与が支給されると、税金や社会保険料が差し引かれ、残った金額が銀行口座などに入金されます。会社員はこのお金で生活のやりくりをすることになりますが、この実際に受け取った金額が「手取り」です。

給与から差し引かれるもの

給与から差し引かれる項目についても確認しておきましょう。この差し引くことを「控除(こうじょ)」と言います。

《給与から控除されるのは》
・所得税と住民税
・健康保険料
・厚生年金保険料
・(40歳以上の人のみ)介護保険料
・労働者災害補償保険料
・雇用保険料

税金と社会保険料は、それぞれに定められた方法で計算され、給与から差し引かれます。

年収1,000万円の手取りは

手取りは、総支給額から税金と社会保険料を差し引いて計算します。ただし、住んでいる地域や家族構成、業種などにより、金額が変わります。また、法改正などにも影響を受けるため、予想の金額と異なることが多いと考えてください。

一般的には、年収の75~85%ほどが手取りとして受け取れると言われています。これをベースに考えると、年収1,000万円の会社員だと、手取りは「750万円から850万円」くらいになる可能性があるでしょう。

繰り返しになりますが、手取りは個人の状況により異なります。必ず上記の手取り額になるわけではありませんので、誤解しないようにしてくださいね。

参照:クラウド会計ソフト freee|手取り計算の方法とは? 早見表や収入から引かれる項目を紹介 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 |

計算する人
(c)Adobe Stock

年収1,000万円でも生活が苦しい?

年収1,000万円だと、余裕のある生活が送れるのではと思いませんか? 実はそうでもないことが多いとされています。年収1,000万円でも生活が苦しく、お金の管理に悩むケースは割とあるもの。その理由を紹介します。

生活水準が高すぎる

たとえば、手取りが750万円の場合、ボーナスがないと仮定すると月収は62.5万円になります。この金額で生活費をやりくりするわけですが、知らず知らずのうちに生活水準が上がり、生活費でお金が消えるというケースが多いのです。

週に何度も外食をする、金額を確かめずに欲しいものを買う、旅行やレジャーを思いつくまま楽しむ… などしていると、あっという間にお金はなくなります。特に、クレジットカードや電子マネーの決済だと、お金を使った実感があまりなく、カードの引き落としができずに困るということも。気がつけばローン地獄に陥っているというケースは少なくありません。

住宅や教育にかかる費用が負担になっている

年収が高いと、住宅や教育にお金をかけがち。マネープランを考えずに住宅を購入して住宅ローンの返済比率が高くなる、子供を私立の学校に入れるなどして、生活が苦しくなるということがあります。

住宅ローンを考える場合、年収が上がることを想定してローンを考える人もいますが、今の年収がキープできる保障はありません。むしろ年収が下がることも視野に入れ、無理のない返済計画を考えるようにしてください。

教育費も同様です。子供を私立の学校に入学させる場合、在学中にかかる費用を計算して目安をつけておきましょう。また、大学受験を考えるなら、塾や予備校にかかるお金も意識したいところです。

学費の無償化制度があると思うかもしれませんが、それが続くとは限りません。子供の学費は自分たちでまかなうことを前提に、計画するようにしてください。

計算する女性
(c)Adobe Stock

介護費用が発生することも

自分や家族に想定外のことが生じ、介護費用が必要になったというケースもあります。

生命保険文化センターによると、介護にかかった費用の平均は月々8.3万円ほど。これには、公的介護保険サービスの自己負担費用を含みます。これに加え、一時的に発声した費用の負担、施設の利用にかかる費用などがあると、家計はかなり厳しくなるでしょう。

その他、単身赴任で2拠点生活になる、海外勤務になる、頻繁に引っ越しを伴う転勤があるなどで生活が苦しいというケースもあります。

参照:公益財団法人 生命保険文化センター|介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|(jili.or.jp)

年収が高くても、マネープランは必要

年収1,000万円はかなり高い部類になりますが、だからこそマネープランが必要と考えてください。特に家族を持ったら、ライフプランと合わせて考えていきましょう。その際は、今の年収をキープできると考えるのではなく、年収が下がった場合も想定するといいですね。

年収が高いのは素晴らしいことですが、きちんとお金を管理しないと、たちまち生活は苦しくなります。そのことを意識し、計画的にお金を使うようにしたいですね。

最後に

年収1,000万円の人の割合や手取り額について紹介しました。手取りは個人のおかれている状況や環境、法改正などで変わります。文中の金額は参考程度にご覧くださいね。年収が高くても低くても、お金の管理は必要です。生活に困るということを防ぐためにも、マネープランを考え、節度のある支出を心がけましょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。

ライター所属:京都メディアライン

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