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2023.12.01

「給料」と「給与」の違いって? 知っておきたいお金に関する言葉を紹介

社会人になると給料や給与という言葉をよく使いますが、実はこの2つの言葉は意味が異なります。お金のことですから、それぞれの正しい意味や違いについて知っておきたいですね。他の言葉も含め、この記事で紹介します。

給料と給与、意味は同じ?

社会に出て働くようになると気になるのがお金ですよね。お金に関する言葉にはさまざまなものがありますが、意味や違いをよく知らないという人も多いでしょう。

中でも、給料と給与は読み方や漢字表記が非常に似ているため、同じことを表すと思われがち。しかし、この2つの言葉は異なる意味を持ちます。どちらもよく使う言葉ですから、正しい意味や使い方を把握しておきたいですね。まずはそれぞれの言葉の意味を見ていきましょう。

給料の意味

「給料」の意味を辞書で調べたところ、次の意味があることがわかりました。

▷【給料】読み方:きゅうりょう
労働者・使用人などに対して、雇い主が支払う報酬。俸給。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

報酬とは、労働の対価として給付される金銭や物品などのこと。俸給とは、国家公務員に支給される、諸手当を除いた基本的給与のことを指します。このことから、給料は「基本給」を指すと考えてください。なお、給料に諸手当や賞与は含まないと考えるのが一般的です。

給与の意味

給与の意味は次の通りです。

▷【給与】読み方:きゅうよ
1:給料。官公庁・会社などで支給される給料・諸手当の総称。
2:金品などをあてがい与えること。また、そのもの。「制服を—する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

給料とは少しニュアンスが異なりますよね。給与とは、会社などから支払われる労働の対価すべてのこと。基本給だけでなく、諸手当や賞与なども含みます。また、現物支給されたものがあれば、それも給与と見なされると考えてください。

給料日
(c)Adobe Stock

会社員なら知っておきたいお金に関連する言葉

会社員の収入に関連する言葉は、他にもあります。それぞれの正しい意味を把握しておきましょう。

所得

一定期間に、個人・法人が勤労・事業・資産などによって得た収入から、それを得るのに要した経費を控除した残りの純収入のこと。会社員の場合は、年間の給与の総合計額から「給与所得控除」を差し引いた金額を指します。

会社員の場合、仕事に必要なものは会社が用意をしてくれたり、経費精算をしたりしますよね。そのため、経費は発生しないように思われがちですが、通勤のためのスーツや靴、カバンなどは、自分で購入していることが多いはず。それを鑑み、一定の金額を経費とみなして、給与から控除(差し引く)し、税金の負担などを軽減するというものです。

所得額は、金融商品の契約や公的申請の際に尋ねられることがあります。年収や手取りとは金額が異なりますので、注意してください。

手取り

給与明細を見ると、給与の支給額からさまざまなお金が差し引かれていますよね。差し引かれるのは、年金や健康保険などの社会保険料と、所得税や住民税といった税金などですが、その後、実際に手元に入る金額のことを「手取り」と言います。

手取りの金額は、給与を上回ることはほぼなく、基本的には給与よりも少ないと考えてください。また、実際に生活のやりくりをする際は、手取りの金額をベースに考える方が計算しやすいでしょう。

年収

年収と聞くと、手取りの12か月分と思うかもしれませんが、それは誤りです。年収とは、会社から1年間(1月1日から12月31日)に支払われた給与総額のこと。総支給額とも言われますが、年収には基本給はもちろん、各種手当、賞与なども含みます。

年収も、金融商品の申込みや公的書類申請などで尋ねられることがあります。また、転職活動においても、「希望年収」を聞かれることがありますので、自分の年収を把握しておく方がいいでしょう。

たとえば、転職活動で「希望年収は?」と聞かれ、手取り額×12か月分で答えてしまうと、実際の収入は減ることになります。「希望年収」と聞かれた場合に伝えるのは、税金や社会保険料を差し引かれる前の金額であると心得てください。

スマホで支払う女性
(c)Adobe Stock

お金に関連する言葉は他にもある

お金に関連する他の言葉についても見ていきましょう。

賞与(ボーナス)

企業などで、給与とは別に支給されるお金のこと。夏や冬など一定の時期に支払われることが多く、ボーナスとも呼びます。

夏や冬に支払われるのは、通常賞与と呼ばれるお金。業績や個人の成績などにより、基本給の○か月分と決められて支給されることがほとんどです。

賞与は、必ず支給されるお金ではありません。そのため、業績や成績が芳しくない場合は減額あるいは支給されないということも。逆に業績が伸びた場合は増額されることもあり、賞与の金額は変動するものと考える方がいいでしょう。

決算賞与

決算が終わり、業績が伸びて利益が出た場合に、臨時ボーナスという形で支給されるのが、決算賞与です。通常賞与とは別に支払われ、「臨時賞与」「年度末賞与」「特別賞与」などの名称になることもあります。

3月決算の企業が多いため、決算賞与の支給も3月になることが多いですが、時期はその企業により異なります。また、余剰利益から支給されるため、毎年受け取れるわけでもありません。

決算賞与の金額についても、一律○万円として支給されるなど、通常賞与とは算出方法が異なるケースが多いでしょう。

インセンティブ制度

成果をあげた社員に対して、通常の給料以外に成果に応じて報奨金が追加される制度のこと。毎月の給与に上乗せされることが多く、成果報酬とも呼ばれます。

インセンティブは、個人の成果に対して支払われることから、会社の業績はあまり関係しません。そのため、会社全体の利益が落ちたとしても、多くの場合、一定の成果をあげた社員に対してはインセンティブが支給されます。

インセンティブ制度は、営業職に適用されることが多いでしょう。自分の役割を果たせば確実に手に入る報酬であることから、社員のモチベーションアップを期待し、多くの会社で導入されています。

インセンティブには、役職や経歴もほとんど影響しません。成果をもとに公平に評価されることが多く、経験値の少ない新人や若手社員でも、成果を出せば収入アップにつなげることができます。

ブロックを積む
(c)Adobe Stock

最後に

給料と給与など、会社員のお金に関係する言葉について紹介しました。所得や年収の金額は、何かしらの申請や転職活動で尋ねられることが多いので、額を把握しておくことをおすすめします。また、手取りと年収の意味や違いについても把握し、誤った金額を伝えることがないようにしてくださいね。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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