目次Contents
この記事のサマリー
・「定量的」とは、数値や数量で表せる情報を扱う言葉で、数字で示せる点が特徴です。
・「定量的」の反対語は「定性的」で、数値だけでは表しにくい性質や印象を扱う言葉です。
・ビジネスでは、売上や件数、達成率などを数値で示す目標や評価に使われます。
ビジネスや学術など、数多くの分野で耳にする「定量的」という言葉。「定量的評価」「定量的分析」といった表現で目にすることがあるかもしれません。
しかし、その正確な意味や使い方、さらには「定性的」という言葉との使い分けがよくわからないという人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「定量的」という言葉の基本的な意味や使い方、「定性的」との使い分けについて、わかりやすく解説します。
「定量的」とは?
まずは意味から確認していきましょう。
意味
「定量的」とは、「数量に関するさま」や「数値・数量で表せるさま」を意味します。例えば、化学の分野では「成分を定量的に分析する」のように使います。この場合、ある成分がどれくらい含まれているかを、数値で調べるということです。
辞書では次のように説明されていますよ。
ていりょう‐てき〔テイリヤウ‐〕【定量的】
[形動]
1 数量に関するさま。ある物質にその成分がどれだけ含まれるかを表す場合などに用いる。
「―測定」⇔定性的。
2 数値・数量で表せるさま。「―な目標を設定する」⇔定性的。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
英語表現は?
なお、「定量的」は、英語では「quantitative」と表現します。「quantitative goal(定量的目標)」「quantitative evaluation(定量的評価)」などと表現します。
また、副詞として「quantitatively」があり、「This phenomenon can be expressed quantitatively.(この現象は定量的に表現できる)」などと表現することも可能です。

「定性的」の意味
「定量的」の対義語として、「定性的」という言葉もあります。「定性的」は、物事の性質に着目して捉えるさまを意味します。化学などでは、ある成分が存在するかどうか、その成分が何であるかを調べる場合などに用いられます。一般には、数値だけでは捉えにくい性質や特徴を扱うことを指します。
ある成分が含まれているかを示す場合などに用いられます。「成分の定性検査」とは、ある成分が含まれているかどうかや、それがどのような成分であるかを調べる検査のことです。
なお、「定性的」は英語では「qualitative」と表記します。「qualitative analysis(定性分析・質的分析)」「qualitative research(質的研究)」などと表現できます。
副詞では「qualitatively」となり、「see what is happening qualitatively(起きていることを定性的に見る)」などと表すこともできますよ。
「定量的」と「定性的」の違いと使い分け
次に「定量的」と「定性的」の使い分けについて、見ていきましょう。情報の何に着目するか、また、どのような方法で収集・分析するかによって使い分けられます。
「定量的」な情報は、「5%」「21.07kg」「234人」のように、数値や数量で表されます。統計調査やアンケート調査、実験などで多く用いられ、同じ基準で比較しやすい点が特徴です。
「定性的」な情報は、「面白かった」という感想や、商品の特徴、行動の理由など、数値だけでは捉えにくい性質・内容を言葉で表したものです。感想のように主観を含む場合もありますが、定性的であることと主観的であることは同じではありません。
インタビューの自由回答や商品のレビュー、芸術作品に対する言語による評価などは、定性的な情報として扱われることがあります。ただし、評価点や回答件数などに数値化すれば、定量的に分析することも可能です。

類語や言い換え表現は?
「定量的」の類似表現には、以下のような表現があります。
量的
「量的」は「りょうてき」と読みます。「量的」とは、物事の量や数量に関するさまを意味します。「量的に測定する」といったように使われます。
数的
「数的」は、数や数量に関係するさまを表す言葉です。ただし、「数的処理」「数的優位」など限られた語との組み合わせで使われることが多く、「定量的」を常に「数的」と言い換えられるわけではありません。
分析・目標・評価における「定量的」と「定性的」
次に、「定量的」と「定性的」の具体的な使い分けについて見ていきます。
分析において
定量的分析では、数値データを基に分析を行います。売上の増加率、観光客数の増加幅、サイトのアクセス数などの定量的データから、状況を分析します。数値を用いることで、売上がどれくらい増えたか、作業時間をどれくらい削減できたかなどを具体的に示し、比較しやすくなります。
ただし、数値だけを見ていては気がつかないこともあるので、注意が必要です。
定性的分析では、意見や感想、観察記録などの質的データを用いて分析します。商品に対する意見やブランドに対する印象といったものは、数値化が困難です。そのため、インタビューや観察などを通して、人の心理や行動の特徴、その背景にある理由を分析します。
目標において
定量的目標は、具体的な数値の達成を目指すものです。売上の10%増加、契約件数の月100件達成といったように、ある数値を設定し、これを達成することを目指します。目標がわかりやすく、目標達成のための逆算もしやすいでしょう。
定性的目標は、目指す状態や行動の質、方向性などを言葉で示す目標です。例えば、「チーム内のコミュニケーションの円滑化」「チーム内の雰囲気を明るいものにする」といったようなもの。定性的目標は、達成度を数値だけで判断しにくいため、あらかじめ具体的な行動や望ましい状態などの評価基準を定めておくことが重要です。また、目標達成に至るまでのプロセスも重要です。

評価において
定量的評価は、数値に基づいて評価がなされます。「売上が何万円上がったか?」「契約件数は何件だったか?」といったことです。数値による評価なので、判断基準も明確。はっきりとしています。また、過去の業績や競合相手などと比較しやすいですね。
ただし、判断基準が数値だけであるので、それ以外の要素(プロセスなど)が評価されないこともあります。また、あまりにも数値重視になりすぎると、極端な成果主義・ノルマ主義になりかねません。
定性的評価では、プロジェクトへの貢献の内容や仕事への取り組み方など、数値だけでは評価しにくい要素を扱います。成果が数値に直接表れにくい業務では、数値だけで判断すると、メンバーの貢献を適切に評価できないことがあります。そのような場合には、メンバーの努力や貢献の内容など、数値だけでは捉えにくい要素も評価することで、より多面的な評価が可能になります。
なお、評価者の主観によるところが大きいので、評価には偏りが生じるかもしれません。
「定量的とは」に関するFAQ
ここでは、「定量的とは」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「定量的」とは、どういう意味ですか?
A. 「定量的」とは、数値や数量で表せるさまを意味します。売上金額、人数、割合、時間、件数など、数字で示せる情報を扱うときに使う言葉です。
Q2. 「定量的」の反対語は何ですか?
A. 「定量的」の反対語は「定性的」です。定量的が数値や数量に着目するのに対し、定性的は物事の性質や特徴、意味内容などに着目します。
Q3. ビジネスで「定量的」はどう使いますか?
A. ビジネスでは、目標や評価、分析などで使われます。「売上を前月比10%増やす」「契約件数を月100件にする」のように、達成したい内容を数値で示す場合に使います。
最後に
定量的な情報を用いると、物事の程度や変化を具体的に捉え、同じ基準で比較しやすくなります。また、数値で示すことで、判断の根拠を共有しやすくなる場合があります。
しかし、物事は全てを数値化できるとは限りません。人の意見や行動の背景、物事の性質など、数値だけでは十分に捉えられない側面もあります。そのような場合には、定性的な情報を併せて検討することが重要です。うまく「定量的」と「定性的」を使い分けて、日頃の生活に役立ててみてください。
TOP・アイキャッチ画像/(c) Adobe Stock

武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
ライター所属:京都メディアライン



