貯金1,500万の人、割合は?
貯金が1,500万円あると聞くと、どうやって貯めたのか、貯金だけで何年生活できるのか、気になりませんか?
1,500万円を貯金するのは、時間がかかりそうに思いますが、20代で貯金1,500万円を達成している人はどれくらいいるのか、金融広報中央委員会が公表している資料を見ていきましょう。
単身世帯の割合
金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、金融資産保有世帯(単身世帯)で、1,500万円以上貯めた人の割合は、以下のようになります。
《20代》
1,500~2,000万円未満:0.6%
2,000~3,000万円未満:0.6%
3,000万円以上:0.9%
《30代》
1,500~2,000万円未満:5.5%
2,000~3,000万円未満:3.7%
3,000万円以上:4.1%
上記のデータでは、単身世帯の場合、20代で2.1%、30代では13.3%の人が1,500万円以上を貯めていることがわかります。
二人以上世帯の割合
二人以上世帯についても見ていきましょう。単身世帯同様に、金融広報中央委員会が公表している、「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」の二人以上世帯調査結果を参照します。
《20代》
1,500~2,000万円未満:0.0%
2,000~3,000万円未満:0.0%
3,000万円以上:1.8%
《30代》
1,500~2,000万円未満:4.7%
2,000~3,000万円未満:5.1%
3,000万円以上:2.8%
二人以上世帯の場合、20代は1.8%、30代は12.6%の人が1,500万円以上貯めているということがわかります。
20代は30代よりも収入が低い人が多いこと、貯金をはじめた期間が短いことなどもあり、1,500万円以上貯金している人の割合は少なめです。しかし、貯金を継続すれば、30代や40代で貯金1,500万円を実現できるかもしれません。
貯金をしたい人は、30代で1,500万円貯金することを目標にし、今から貯金をはじめてみてはいかがでしょうか?
参照:知るぽると|各種分類別データ(令和4年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](shiruporuto.jp)
知るぽると|各種分類別データ(令和4年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](shiruporuto.jp)
貯金1,500万円、暮らせるのは何年?
貯金1,500万円を達成したら、必死で働かなくても暮らして行けそうに思いますよね。実際のところ、貯金1,500万円でどれくらい暮らせるのか、簡単にシミュレーションしてみました。
シミュレーション
総務省統計局が公表している「家計調査 家計収支編 単身世帯」によると、1世帯あたりの2023年7~9月期消費支出は、次の通りです。
単身世帯:16万4,807円
二人以上の世帯:28万2,969円
上記から、単身世帯は1か月17万円、二人以上の世帯は1か月29万円の生活費がかかると仮定すると、1年間で必要になる生活費総額は、単身世帯だと204万円、二人以上の世帯は348万円になります。
上記から、貯金1,500万円で暮らせる年数を計算した結果は、次の通りです。(小数点第2位以下切り捨て)
単身世帯:1,500万円÷204万円=7年3か月
二人以上世帯:1,500万円÷348万円=4年3か月
上記は、単純な計算から算出した結果になりますが、貯金1,500万円あったとしても、4~7年で使い果たしてしまうということがわかりますね。貯金1,500万円だけで10年暮らすのは、相当難しいと言えるでしょう。
参照:政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)|単身世帯 家計調査 家計収支編 単身世帯用途分類 全国
統計局ホームページ/家計調査報告 ―月・四半期・年―二人以上世帯(stat.go.jp)
教育費や老後資金のことも考える
実際の生活には、さまざまなお金がかかりますよね。子供を授かると教育費が発生しますし、老後資金についても考えておかなければなりません。また、病気やケガなどで働けなくなる可能性もあります。
どのようなことが起こるかわからないのが人生ですから、不測の事態に備えることも大切。万が一を考えると、早いうちから貯金するに越したことはないと言えるでしょう。
貯金1,500万円を実現させるには?
ここからは、貯金の方法を紹介します。貯金1,500万円を実現させるには、何をすればいいでしょうか?
収支を把握して、コツコツ貯金
まずは、自分のお金の使い方や収支を把握し、1か月いくら貯金できるかを知ることが大切です。目標や目的を達成するのに、現状の把握は欠かせません。1か月どれくらいあれば生活できるのか、実際の金額を把握することからはじめてください。
収支の把握は、家計簿でするといいですね。まずは1か月、収支を記録します。書くのが面倒と感じる人は、アプリやソフトを探すのも一つ。継続できそうなタイプのものを見つけてください。
3か月程度収支を記録すると、自分のお金の使い方を把握できるようになります。何にどれだけ使っているか支出の総額を出し、無駄と感じる支出はマーキングをしましょう。そうすることで、次月のやりくりに生かせるはずです。
期限や目的を定める
貯金をする目的や期限を明確にするのもおすすめです。「35歳までに1,500万円を貯めて老後資金にしよう」「32歳までに1,500万円を貯めてマンションを買おう」など、目指すことが具体的だと、モチベーションを維持しやすいかもしれません。
今、25歳の人が35歳までに1,500万円を貯めようとすると、単純計算で1年150万円貯金をする必要があります。となると、1か月あたりどれくらい貯金に回すか、ボーナス時はどれくらい貯金するかが見えてきますよね。大まかでもいいので計画を立てると、貯金を継続しやすいでしょう。
資産運用を検討する
今の日本は、銀行口座に貯金をしてもなかなか増えないというのが実情です。それを踏まえると、投資を活用してお金を増やすというのも有効かもしれません。
ただし、投資は元本割れのリスクがあるもの。仕組みやメリット、デメリットなどをしっかりと理解した上ではじめるようにしてください。
貯金1,500万円を達成したら?
実際に貯金1,500万円を達成した場合、注意したいことを紹介します。知らないと損をする可能性がありますので、内容を把握しておいてくださいね。
預金保険制度について
金融機関が破綻するという可能性は、いつの時代も常にあります。実際にそのようなことが生じた場合は、顧客の預金保護を目的に「預金保険制度」が適用されますが、すべての預金が保護されるわけではありません。
一般預金(利息のつく普通預金や定期預金など)は、金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までが保護の対象。外貨預金については預金保険制度の対象外になります。
このことを踏まえ、1つの口座に1,500万円を預けるのは可能な限り避け、別の金融機関にお金を分散させるなどしておくといいですね。増えたお金を銀行口座に預けっ放しにするのは危険。きちんと管理するようにしてください。
最後に
貯金1,500万円を貯めている人の割合や、貯金の方法、預金保険制度について紹介しました。貯金1,500万円を貯めるには、それなりの時間が必要です。40代や50代になると、収入が増える分、出ていくお金も増えますので、20代や30代の方が貯金しやすいかもしれません。自分に合った貯金方法を見つけ、目標を達成してくださいね。
TOP画像/(c)Adobe Stock
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン