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2023.11.22

蔓延るの読み方や正しい意味は?言葉の語源や例文、類義語・対義語も紹介

蔓延るは、広範囲に広がるという意味です。「はびこる」と読み、「蔓延する」とは読み方が異なります。一般的に、悪い意味で使われることの多い言葉です。本記事では、蔓延るの正しい意味や言葉の由来、例文を解説します。よく似た言葉もご紹介するため、ぜひチェックしてみてください。

蔓延るの意味とは?

蔓延るとは、「はびこる」と読みます。草木などが伸びて繁殖したり、病気や悪習など悪いものが広範囲に広がったりする様子を表す言葉です。つる草という植物が、言葉の由来となっています。

蔓延する(まんえんする)と意味は同じですが、読み方が異なるため注意しましょう。

ここでは、蔓延るの意味や言葉の由来などを解説します。

草がはびこっている
(c)Adobe Stock

広範囲に広がること

蔓延るは、主に以下のような意味で使われます。

・勢いが盛んになって広範に広がる

・ものが満ちて充満する

・草木が伸び広がって茂る

基本的に良い意味では使わず、病気や悪習などが広まるというような、ネガティブな意味で使われます。

たとえば、「冬は風邪やインフルエンザが蔓延る季節だ」「最近、良くない噂が蔓延っている」という使い方をします。

言葉の由来

蔓延るの「蔓」は「つる」と読み、長く延びて絡みつく植物の茎や「つる草」を表します。「延」には「延びる、広がる」という意味があり、蔓延るはつる草などの植物が延びて広がる様子を語源として誕生した言葉です。

つる草は成長が早く、またたく間に延びて壁などに広がることから、一般的に広範に広がることを意味する言葉になりました。

 

「蔓延する」とは読み方が違う

蔓延るではなく、「蔓延する」という言葉もあります。「まんえんする」と読み、意味は蔓延ると同じです。送り仮名の違いですが、読み方には気をつけましょう。

それぞれの例文で、使い方を確認してください。

(蔓延るの例文)

・草むしりをしても、庭にはすぐに雑草が蔓延ってしまう

・社内に蔓延る悪い習慣を一掃するため、改革が必要だ

(蔓延するの例文)

・悪い噂が社内に蔓延している.

・インフルエンザが蔓延し、学級閉鎖になった

蔓延るの例文

蔓延るの使い方を把握するため、例文をいくつかみていきましょう。

・その古い建物には周囲の壁一面に鬱蒼とツタが蔓延っている

・新たなウイルスが蔓延っているという情報が出ている

・SNSは悪い噂も蔓延りやすいため、書き込みには注意が必要だ

・その映画は、ヒーローが世間に蔓延る悪を駆逐するという内容だった

・悪事が蔓延るような世の中にならないよう、対策に努めなければならない

・悪い習慣が蔓延らないよう、注意喚起しなければならない

蔓延るの類語

拡大するイメージ
(c)Adobe Stock

蔓延るには、次のような類義語があります。

・のさばる

・流布する

・浸透する

どれも、広い範囲に広がるという点で蔓延るによく似た言葉ですが、それぞれ微妙にニュアンスや使うシーンは異なります。類義語を一緒に覚えれば、より言葉の意味が理解できます。文脈に合わせて使い分けましょう。

ここでは、蔓延るの類義語を紹介します。

のさばる

のさばるは、「草などがほしいままに育って広がる」「横柄な態度をする」といった意味があります。対象となる事象や人に対し、迷惑していたり不愉快に思っていたり、マイナスな印象を持っているときに使われる言葉です。

(例文)

・庭に雑草がのさばっており、除草剤をまいてもすぐに生えてしまう

・新参者がのさばっていると思われないよう、謙虚な態度を心がけたい

流布する

流布する(るふする)とは、広く世に伝わるという意味です。主に噂や評判、考え方に対して使われる言葉であり、病気や事象に対してはあまり使いません。

証券用語に「風説の流布(ふうせつのるふ)」という言葉があり、株価を意図的に変動させる目的で虚偽の情報を流すことを指します。

流布するは蔓延ると異なり、ネガティブかポジティブかにかかわらず使われる言葉です。

(例文)

・社内の重要情報が流布してしまい、事態を収集するための対応に追われている

・SNSに情報を発信すると、またたくまに広がってしまう

浸透する

浸透する(しんとうする)とは、水などがしみとおるという意味や、考え方などが人々の間に自然に広まることを指します。広範囲に広がるという意味で、蔓延ると共通しています。

ただし、蔓延るのようなマイナスの意味合いで使うのではなく、知識や理念などが根づくというように、良いニュアンスで使われる言葉です。

(例文)

・新しい生活様式は、少しずつ国民に浸透している

・企業理念は、全社員に浸透させることが大切だ

蔓延るの対義語

枯れる様子
(c)Adobe Stock

蔓延るには対義語もあります。対義語には、主に次の言葉があげられます。

・停滞する

・枯れる

蔓延るは広がるという意味であり、その対義語になるのはとどまって広がりのない「停滞する」や、成長しないことを表す「枯れる」などが該当します。対義語もあわせて覚えておけば、語彙を増やすことができるでしょう。

ここでは、蔓延るの対義語をご紹介します。

停滞する

停滞する(ていたいする)とは、同じところにとどまり、物事がはかどらないという意味です。停滞の「停」は途中で一時動かなくなるという意味で、物事が滞る「滞」と合わせることで意味合いが強調されています。

(例文)

・トラブルが起こり、仕事の進捗が停滞している

・ここのところずっと景気が停滞しており、しばらくはこの状態が続くと予想されている

枯れる

枯れる(かれる)とは、草木が衰えて命が終わること、張りやみずみずしさがなくなって本来の勢いがなくなることを指します。勢力を増して広がるという意味の蔓延るとは、反対の意味になる言葉です。

(例文)

・毎年きれいな花を咲かせていた桜の木が、異常気象で枯れてしまった

・今は豊富にある資源も、いつかは枯れてしまうものだ

蔓延るは読み方に注意しよう

ウイルスが蔓延するイメージ
(c)Adobe Stock

蔓延るは広範囲に広がるという意味で、繁殖の早いつる草が延びる様子を語源としています。疾病の流行や悪習の広がりなど、主にネガティブな意味合いで使われます。

蔓延るには類義語や対義語もあり、一緒に覚えることで言葉の意味をより深く理解できます。蔓延するとの読み方の違いに注意し、蔓延るの正しい意味を覚えましょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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