目次Contents
この記事のサマリー
・「生き馬の目を抜く」は、驚くほど素早い動きや判断を言い表す慣用句です。
・速さだけでなく、ずるくて抜け目がなく油断ならないことのたとえとしても使われます。
・読み方は「いきうまのめをぬく」。表記は「生き馬」のほか「生馬」と書くこともあります。
会議で「ここは生き馬の目を抜く世界だから」と言われて、ドキッとしたことはありませんか? 怖い言葉に聞こえるのに、場面によっては誉め言葉にも注意喚起にもなる不思議さがあります。しかし、意味もわからず、うっかり使うと相手を悪者にしてしまうことも…。
この記事では、「生き馬の目を抜く」の意味や由来、使いどころを一緒に確かめていきましょう。
「生き馬の目を抜く」の意味と由来
言葉の通り読んでみると、だいぶインパクトのある慣用句ですよね。聞いたことはあっても意味を理解していない人も多いのではないでしょうか? まずは意味や由来から見ていきましょう。

意味
「生き馬の目を抜く」とは、生きている馬の目を抜き取るほど、素早く物事を行うことを意味します。読み方は「いきうまのめをぬく」です。
辞書では次のように説明されていますよ。
生(い)き馬(うま)の目(め)を抜(ぬ)・く
生きている馬の目を抜き取るほど、すばやく物事をする。油断のならないさま。
生き馬の目を抉(くじ)る。生き牛の目を抉る。「―・くせちがらい世の中」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
ずるくて抜け目がなく油断ならないことのたとえとしても使われます。
由来
「生きている馬の目を抜くほど素早い」というたとえから生まれたこの言葉。「生きている馬」の「目を抜く」という、現実にはあり得ないほどの行為を持ち出すことで、「それくらい素早い」ということを強調しています。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
使い方を例文でチェック!
「生き馬の目を抜く」は、ビジネスシーンで使われることも多い慣用句です。ネガティブなニュアンスも含んでいるため、使う際には失礼にあたらないよう、相手や場面に気をつけましょう。

生き馬の目を抜く東京
「生き馬の目を抜く東京」という言い回しを耳にしたことはありませんか? 地方から上京する時に、周りから言われたことがある人もいるかもしれません。都会は人が多く、様々な考え方を持った人がいます。そのため、あなたを利用して自分の利益を得ようとする人や、だましてくる人がいてもおかしくありません。
人が多ければ、良い人も悪い人もいるでしょう。「油断してはいけないよ」という注意の意味を込めて、上京する時には「生き馬の目を抜く東京には気をつけてね」とアドバイスすることがあります。
生き馬の目を抜く気持ちで臨まないと、上には上がれない
社会人になって企業に就職すると、今までとはガラッと変わった環境に驚くかもしれません。競争が激しい業界では、人を出し抜いて自分の昇格を狙うことが当たり前とされていることも多いでしょう。
時には周りをライバルだと割り切ることも大切なのです。
昇給に興味がなさそうな同期だったが、知らない間にステップアップしていた。まさに生き馬の目を抜くようだ
自分の野心を表には出さず、心のうちに秘めている人もいるでしょう。そんな人は、周りが油断しているうちに着々と努力を重ねて、いつの間にか出世していたりするものです。
彼には生き馬の目を抜くような度胸と行動力がある
ずる賢く抜け目のない性格の人は、度胸や行動力が備わっているものです。自分の目的を達成するには、周りのことばかりを気にしていられないときもあります。思い切ったアクションが必要な場面もあるでしょう。
「生き馬の目を抜く」の類語や言い換え表現には何がある?
「生き馬の目を抜く」とは、動作が素早く、抜け目のない様子を表す慣用句でしたね。では、似たような意味を持つ言葉には、どのようなものがあるでしょうか? ここでは、2つ紹介します。
生き馬の目を抉る(いきうまのめをくじる)
「抉る」は「えぐる・くじる」という読み方がありますが、ここでは「くじる」と読みます。「抜く」よりは、「つかみとる・くりぬく」というようなイメージでしょう。意味は「生き馬の目を抜く」と全く同じです。
生き牛の目を抜く(いきうしのめをぬく)
牛も人間と深い関わりを持つ動物なので、慣用句によく登場します。「生き牛の目を抜く」も、「非常に素早い」「油断のならない」といった趣旨で、「生き馬の目を抜く」と同じように使われます。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「生き馬の目を抜く」の英語表現を紹介
最後に「生き馬の目を抜く」の英語表現を紹介していきます。こちらも参考にしてみてください。
catch a weasel asleep
“weasel” はイタチのことを指します。直訳すると「寝ているイタチを捕まえる」となりますが、意味は「出し抜く・騙す」ということ。“weasel” はずる賢くて卑劣な人の喩えとしても使われており、それを捕まえることで、油断している相手を出し抜くというニュアンスを表現しています。
cunning
ずるさや悪知恵の意味を表す英単語です。ただずるいのではなく、それに加えて巧妙さや器用を兼ね備えている様子を表します。例えば “cunning calculation”(ずる賢い計算)のように使いますよ。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「生き馬の目を抜く」に関するFAQ
ここでは、「生き馬の目を抜く」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「生き馬の目を抜く」はどういう場面で使う?
A. 仕事や交渉など、判断や動きが速くて油断できない状況を言い表すときに向きます。場の緊張感を伝えたいときに便利です。
Q2. 読み方は?
A. 読み方は「いきうまのめをぬく」です。
Q3. 由来は何を表しているの?
A. 「生きている馬の目を抜く」ことに由来します。現実にはあり得ないほどの誇張で、並外れた速さを強く印象づけますね。
最後に
「生き馬の目を抜く」の意味や使い方について理解していただけましたか? 「馬」を使った慣用句は、他にも「馬の耳に念仏」や「馬が合う」「尻馬に乗る」などがあります。比較的聞き覚えのある言葉ばかりではないでしょうか? このように、動物を使ったことわざや慣用句は他にもたくさんありますので、また探してみてくださいね。
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