コミットとは
「今回の企画にコミットしてほしい」「成果にコミットするように」など、「コミット」はビジネスシーンでよく耳にする言葉です。テレビコマーシャルで印象的な使われ方をしたことから、身近に感じるようになったとも言えますね。一方で、意外とその意味が曖昧な方もいらっしゃるのではないでしょうか? 本記事では、コミットの意味やビジネスでの使い方、注意点を紹介します。
コミットとは、「主体的に関わる」、「結果を約束する」、という意味。ただ単に物事に関わるというものではなく、自ら積極的に関わり、その成果までしっかりと責任を持って全うするという強い意味合いがあります。
ビジネスにおいて、組織やチーム内でお互いの信頼関係を築く上で、非常に重要な要素と言えるでしょう。特に他部署と連携しながら進めるような大きなプロジェクトにおいては、一人ひとりがコミットしているか、いないかで結果が大きく左右することになります。
また、適切なプロジェクト管理において、メンバーが確実にコミットすることは大切です。スケジュールの遅延、リソース不足、予算超過といったリスクを軽減させることもできるでしょう。
コミットに似た言葉が「コミットメント」。コミットは英語で「commit」と表し、「任せる、委任する、誓う」という動詞になります。その名詞形が「commitment(コミットメント)」となり、意味は「委託・誓約・公約・責任」です。「コミットメントする」という使い方もあります。
コミットの使い方を正しく理解しておかないと、上司や同僚や部下、取引先との関係性に齟齬が生じることもありえます。そのようなリスクを回避するためにも、しっかりと把握しておきましょう。
コミットする際の心得
意味は理解できても、実際にコミットする際には、どんな心構えが必要なのでしょうか? 一緒に見ていきましょう。
1:自分の言葉に責任を持つ
コミットする際には、まず、自分の発する言葉を大切にすること。そして、その言葉に責任を持つことが重要です。考えやアイデアをただ単に発言するのではなく、自分の想いをのせて、言魂(ことだま)として表します。
魂がこめられた言葉は、行動へ移しやすいと言えます。自分が発した言葉に責任を持ち、行動を起こすということは、コミットすることへの第一歩となるでしょう。
2:自己肯定感を高める
ビジネスにおいて、どんなことでもコミットするには、結果や成果を求められ、当然、責任を負うことも発生します。そのプレッシャーを受け入れるには、「自分は必ずできる!」という自己肯定感の向上が重要です。
もしかしたら、自身の苦手な分野や不得意な分野に、コミットする状況もあるかもしれません。しかしながら、その分野にコミットすると決めたのは自分自身。「自分を信じる」と書いて、「自信」となります。自信を持って進みましょう。
3:最後まで全うするという強い意志
最後まで自分の役割を全うするという意識を強く持つことは、コミットする際に一番大切な心構えと言えます。期日までにタスクを終える、まだ手をつけていない課題も自ら解決していく、といった責任感ある行動も、成果をしっかりと出すためのプロセス。
どんなことでも、自分がコミットしたことには、最後まで責任を持って関わるという、強い意志こそ、成功へと導く強い味方と言えます。
コミットの使い方
コミットという言葉は、どんな風に使うのでしょうか? 主体的に関わる、結果を約束する、という意味を用いて、紹介します。
1:「問題解決にコミットします」
この場合は「主体的に関わる」という意味で使用しています。「積極的に問題解決にあたります」という表現です。自らリードして解決にあたることで、周りからの信頼も厚くなり、自身の成長にもつながるでしょう。
2:「今年度は前年比、2割増の売上をコミットします」
こちらは、「結果を約束する」という意味合いでとらえた例文です。「自分は売上の2割増を約束します」という意思を表しています。結果への期待値が大きいだけ、成功した場合には、昇級・昇格など得られるものも大きいでしょう。
コミットする際の注意点
コミットする際には、気をつけなければならない注意点があるようです。ここでマスターしておきましょう。
1:成功するまで諦めない
コミットする、と言い放つだけで、結果を出さなければ意味がありません。期待している周りからの信用も信頼も失ってしまうことに。コミットできる人は、結果を残し、成功を収めています。
少しハードルが高いと思えることでも、成功するまで諦めることなく、地道に取り組み続けることが大切です。コミットすると、宣言したからには、その言葉に対する覚悟が必要でしょう。
2:前向きに考える
責任を持って主体的に物事に関わることに、不安を感じることもあるでしょう。失敗の二文字に恐怖を抱くかもしれません。一方で、コミットした時点では、まだ成功するか失敗するかは決まっていませんよね。
失敗することを考えるより、今後の自分の頑張り次第でいい方向に向かうと、前向きに考えましょう。もし、途中で失敗することがあっても「これは、自分が成長するいいチャンスだ」とポジティブに考えます。
最後に
本記事では、コミットという言葉の意味、コミットする際の心得や注意点について紹介しました。
ビジネスで使われる際には、強い責任が伴いますが、コミットすることは自分自身をアピールする絶好の機会になります。何よりも、自分に少しプレッシャーをかけることで、成長を促進させるでしょう。
適切なプレッシャーは自身の実力を向上させるので、周りからの評判や評価を上げ、キャリアアップへと導くと言えます。どんなことでも、コミットすることで、ワンランクアップしたビジネスパーソンを目指しましょう。
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