「精悍」の意味とは?
「精悍(せいかん)」とは、「顔つきや態度に勇ましさ、力強さがあること」です。もともとは、鋭い気性や態度のことを表す言葉でしたが、現在では表情がキリッとしていて、顔立ちの整った男性のことを指すことが一般的です。「精悍な顔つき」や「精悍な目つき」などと表現されることが多いでしょう。
続いて、「精悍」の文字からその意味を紐解いていきます。「精悍」の「精」は、「心身の力、元気」のこと、「悍」は、「気が強く荒い、たけだけしい」という意味です。このことから「精悍」とは、心身ともにエネルギーが満ち溢れていて、荒々しい人柄や態度のことを表す言葉と言って良いでしょう。
ちなみに、「悍」の文字を使った漢字には、強くて荒々しいことを表す「剛悍(ごうかん)」、勇しく強いことを表す「勇悍」などが挙げられます。
使い方を例文でチェック!
かっこいい男性への褒め言葉として使われる「精悍」という言葉。よくある使い方を例文を挙げて紹介しましょう。
1:その俳優は精悍な顔つきで女性ファンに人気がある。
「精悍な顔つき」は、現在では顔立ちの整ったイケメンとほぼ同じ意味として用いられます。キリッとした眉毛や真剣なまなざし、スッと通った鼻筋など、顔のパーツが大きめでしっかりとしていることが特徴です。今流行りの中性的で細身の男性ではなく、スポーツや武道が似合うような男らしい雰囲気を持っている男性が当てはまります。
2:選手たちは精悍な目つきで試合に挑んだ。
キリッとした真剣なまなざしのことを「精悍な目つき」と表現します。大事な試合や仕事を控えており、ここ1番という時のために意識を集中しているときに「精悍な目つき」になることが考えられます。また、口数が少なく、どこか無骨そうな雰囲気があることも「精悍な男性」の魅力と言えるでしょう。
3:インパクトのある色を重ねて、力強く精悍なイメージを作っている。
顔立ちや人柄に対して使われる「精悍」ですが、力強さを感じさせるデザインのたとえとしても使われます。「精悍」というとエネルギッシュな男性を連想させることから、車や時計ファッションなどのコンセプトや広告に使われることもあるでしょう。
類語や言い換え表現とは?
「精悍」の類義語には、「凛々しい」や「たくましい」「勇猛」などがあります。それぞれどのような意味があるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
1:凛々しい
表情や態度がキリッと引き締まっている姿を「凛々しい」と言います。背筋がシャキッと伸びていて、颯爽と歩く姿がイメージできますね。利発な性格で、まっすぐ人の目を見ながら自分の意見を言える人は、周囲からも好印象を持たれることが多いでしょう。
・先輩の凛々しい姿に憧れている。
・私の兄はキリッとした凛々しい眉をしている。
2:たくましい
頼り甲斐があって心身ともに頑丈な人のことを「たくましい」と表現します。体が丈夫でいかにも強そうに見える人や、意志が強くちょっとしたことでは挫けない人に使われる言葉です。「精悍」は顔つきや雰囲気に対して使われますが、「たくましい」は頑丈な肉体を指します。力持ちの男性や簡単には諦めない精神力を褒めるときに「○○さんはたくましいね」ということが多いでしょう。
・彼は厳しいトレーニングでたくましい肉体を手に入れた。
・私の友達はたくましい男性がタイプのようだ。
3:勇猛
「勇気があって何事も恐れないこと」を「勇猛(ゆうもう)」と言います。誰もが無理と諦めてしまうような難題にも挑戦する人のことを「勇猛果敢」と言ったりしますね。並外れた行動力を持ち、怖いもの知らずな一面もあるでしょう。
・師匠には勇猛果敢な精神でやり抜くことを教えてもらいました。
・勇猛な武将が揃い、時代は戦国時代に突入した。
対義語とは?
ポジティブな意味として使われる「精悍」の対義語とはどのようなものでしょうか? 確認しておきましょう。
1:軟弱
自分の意志を持たず、相手のいいなりになりやすい人のことを「軟弱」と言います。女性よりも、どこか頼りなくひ弱な男性に対して使うことが多いです。どことなく不健康で体が弱いことや、精神面でストレスに弱く元気を失っている状態を指すこともあります。キリッとしていて自信の満ち溢れた「精悍」な男性とは、正反対のタイプと言えるでしょう。
・軟弱な体を鍛え直すために道場に通った。
・軟弱な人は嫌いと彼女に怒られてしまった。
2:ひ弱
脆くて弱々しいさまを「ひ弱」と言います。生まれつき病弱な体であることや、いかにも自信がなさような態度のことを指すこともありますね。精神的にも肉体的にもエネルギーが足りていないような状態が、「精悍」な人とは正反対と言っていいでしょう。
・昔はしょっちゅう風邪をひいていてひ弱な子供だった。
・彼はひ弱なせいか走るとすぐに疲れてしまう。
英語表現とは?
「精悍」の英語表現には、たくましい心身を表す「tough」、男らしい姿を表す「masculine」などが当てはまります。それぞれの詳しい意味や使い方をチェックしてみましょう。
1:tough
「tough」は、「たくましい」「強靭な」などの意味があります。困難に耐えられる強い精神性や頑丈な肉体どちらも表現することができる言葉です。
・He is very tough.(彼はとてもタフだ)
・I belonged to the rugby club, so it’s very tough mentally.(ラグビー部に所属していたので精神的にもとてもタフです)
2:masculine
「masculine」は、「男らしい」「力強い」という意味。雄々しくて力強い様子を表す言葉です。「masculine pride(男としてのプライド)」「masculine courage(男らしい勇気)」と表現することもできます。
・His body is tight and very masculine.(彼の体は引き締まっていてとても男らしい)
・Seniors showed masculine courage in the match.(先輩はその試合で男らしい勇気を見せた)
最後に
「精悍」とは、「顔つきや態度に勇ましさや力強さがあること」。日常生活では、顔立ちや態度が男らしくてかっこいいと思う男性への褒め言葉として使われます。「凛々しい」や「たくましい」などの類語も併せて覚えて、気になる男性へ好意を伝えてみてはいかがでしょうか?
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