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2023.09.28

失念とは? 失念の意味や正しい使い方、使う際の注意点を紹介

「失念」は、「うっかり忘れること」「ど忘れ」という意味。仏教用語として「記憶を妨げる心の働き」という意味もあります。本記事では、「失念」の使い方や類語表現を見ていきましょう。また、「失念」を使う際には注意点もあるため、そこについても触れていきます。

「失念」とは?

「うっかり忘れちゃった!」ということは、誰にでもあります。それが仲のいい友人との間なら、そのままを伝えればいいですが、ビジネスシーンなどオフィシャルな場では、なんと言ったらいいでしょう? ネガティブな報告となる場合は、言葉選びにも慎重を期したいところです。

そんな場面で使える言葉が、「失念」になります。本記事では、「失念」の意味や使い方、類語表現を見ていきますよ。あわせて、「失念」を使う際の注意点も紹介。間違った使い方をすることのないように、ばっちり押さえておきましょう!

「失念」の意味

失念には、「うっかり忘れること」「ど忘れ」という意味があります。また、仏教用語として、「記憶を妨げる心の働き」という意味もあるので、豆知識的に覚えておくと話のネタになるかもしれませんよ。ちなみに、読み方は「しつねん」です。

女性の目
(c)Adobe Stock

「失念」の使い方を例文で紹介

続いて、「失念」の使い方を例文で紹介します。具体的な使い方を知り、実生活においても応用してみてくださいね。

1:「本日使用する資料の作成を、失念しておりました。本当に申し訳ありませんでした」

「失念」は、会話中でも文章中でも使うことができる言葉です。「忘れていました」ではカジュアルなイメージで、子どもらしく感じられるかもしれません。

社会人として働くうえで、責任感も持つことは大切です。忘れている時点で反省すべきですが、少なくとも「失念」は「忘れていました」よりも重みが感じられます。

2:「レストランの予約を失念していて、入店することができなかった…」

予約や約束、契約などに対しても「失念」という言葉を使うことができます。ビジネスシーンに限らず、プライベートでも使えますよ。

3:「資料の添付を失念しており、大変失礼いたしました。こちらのメールにて改めて添付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします」

メールでの「失念」の使い方も紹介しますね。基本的には、会話での使い方と同じです。

蛇足にはなりますが、文章中に「失礼いたしました」を使う場合、「致します」と漢字にしないように注意しましょう。理由は、「お失礼いたしました」の「いたしました」が補助動詞だからです。「致す」は「する」の謙譲語で動詞なので、間違った使い方になってしまいます。

パソコンを打つ手
(c)Adobe Stock

「失念」を使う際の注意点とは?

「失念」の意味や使い方は、押さえられましたか? さまざまな場面で使える言葉ですが、気を付けなければならないポイントもあります。ここでは、「失念」を使う際の注意点について紹介します。

1:多用しない

「失念」に限ったことではないですが、繰り返し使うのは避けましょう。「失念してしまい、すみません」「失念しないようにします」と何度も使ってしますと、言葉の重みが薄れてしまうからです。

ただでさえ、「忘れる」というミスをしているわけですから、慎重に言葉を選ぶ必要があります。

2:「失念」は自分に対して使う

基本的に、「社長が失念しておりました」のように他者に対しては使いません。「失念」は、自分が忘れた場合に使います。

したがって、相手に対して「忘れてほしい」などのニュアンスでも用いることができないので、気を付けてください。「どうかご失念ください」などの使い方は誤りです。

3:「忘れたこと」に対して使う

「失念」は、「うっかり忘れる」というニュアンスの言葉です。したがって、もともと知らなかったことや、初めて聞いたことに対しては使えません。

例えば、友人が出産したことを初めて知った時に「彼女が出産したことを失念していた」とは言いません。

4:「忘れ物」には使わない

物質的なモノに対しては使えません。つまり、「失念」には「忘れる」というニュアンスがありますが、「忘れ物」には適応できないのです。例えば、「あの会議室に折りたたみ傘を失念してきた」というように使うことはできません。

「失念」の類語表現を紹介

最後に、「失念」の類語表現についても触れておきましょう。カジュアルなシーン、文章、ビジネスシーンなど、さまざまなケースにおいてふさわしいニュアンスの言葉を選べる人でいたいですね。

考え込む女性
(c)Adobe Stock

1:ど忘れ

「ど忘れ」とは、「普段は知っていることなのに急に忘れてしまうこと」という意味です。「最終面接で緊張し過ぎて、自分が言いたかったことを、ど忘れしてしまった」というように使います。「失念」は、一時的にその出来事を忘れている状態を指す場合が多いですが、「ど忘れ」は、瞬間的に忘れてしまう場合を指すことが多いです。

頭が真っ白になるという状態と似ていますね。

2:忘却

「忘却」は、「失念」と同じ意味の言葉です。ただし、会話のなかではあまり使われません。文章のなかで使われることが多いです。ちなみに、読み方は「ぼうきゃく」になります。「妄想」の「妄」の漢字につられて「もうきゃく」と言ってしまわないように注意してくださいね。

3:忘失

「忘失」という言葉もありますよ。「失念」や「忘却」と同じ意味で使われます。加えて、「忘れてなくすこと」という意味も。「失」という漢字がポイントです。読み方は、「ぼうしつ」と読みます。

同じ読みで「亡失」もありますが、こちらは「モノを失ってなくす」という文章のなかで使う言葉です。

最後に

本記事では、「失念」の意味や使い方、使う際の注意点などについて解説しました。ビジネスシーンでは、「忘れていました!」というよりも、「失念しておりました」という方がふさわしいですね。あわせて類語表現も紹介しておりますので、ボキャブラリーを増やす、一つの参考にしてみてください。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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