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2023.09.28

「光陰、矢の如し」とは月日のたつのが早いこと|意味や読み方、由来、例文、類語表現

「光陰、矢の如し」とは、月日のたつのが早いことを指すことわざです。今回は光陰、矢の如しの詳しい意味や読み方、由来、使い方、例文を解説します。さらに、ことわざや四字熟語の類語・言い換え表現もあわせてご紹介するため、ぜひ参考にしてください。

「光陰、矢の如し」とは?基礎知識を解説

「光陰、矢の如し」は、小説などの文章で目にする機会があることわざです。「、」を付けずに、「光陰矢の如し」と表記することもよくあります。また、「如し」をひらがなにして「光陰、矢のごとし」とも表記可能です。

それでは、はじめに光陰、矢の如しの詳しい意味や読み方、語源・由来、2通りの言葉のニュアンス、使い方・例文をそれぞれチェックしましょう。

月日のたつのが早いことを意味することわざ

光陰、矢の如しとは、跳ぶ矢のように月日のたつのが早いという意味です。「光」は「日」、「陰」は「月」をたとえたもので、あわせて「光陰」とすると、年月や月日を比喩する表現として使います。

また「矢の如し」とは、「放った矢のように早いこと」を意味します。それぞれをあわせて、あっというまに過ぎていくものである歳月を、放った矢のようだとたとえた表現です。

光陰、矢の如しの読み方

光陰、矢の如しの読み方は、<こういんやのごとし>です。詳しくは後述しますが、中国の漢文に「光陰如箭」があります。光陰如箭は、四字熟語として日本語でも光陰、矢の如しと同様の意味で用いるもので、<こういんじょぜん>と読みます。

光陰如箭の「箭」の読み方は、音読みで「セン」、訓読みで「や」です。光陰、矢の如しの「矢」を「箭」に変えて、「光陰箭の如し<こういんやのごとし>」とも表現します。また、「光陰流水の如し<こういんりゅうすいのごとし>」も同様の意味です。

弓道の弓矢

語源・由来は中国語の「光陰如箭」?

光陰、矢の如しの語源・由来は諸説あります。一説では、中国語(漢文)の「光陰如箭(こういんじょぜん)」からきているといわれています。

中国の唐の時代の書物や詩には「光陰如箭」が複数使われていて、日本のことわざの由来となったものは明らかにされていません。有名なものでは、唐の時代の詩人である李益<りえき>の漢詩「游子吟<ゆうしぎん>」が由来ではないかといわれています。

また、鎌倉時代の仇討ちを題材にした軍記の「曽我物語」や、平安時代初期にまとめられた古今和歌集の「梓弓 春たちしより 年月の いるがごとくも 思ほゆるかな」という歌も、出典だといわれているものです。

光陰、矢の如しの言葉のニュアンスは2通り

先述のとおり、光陰、矢の如しとは時間の経過を矢にたとえています。その言葉が表現するニュアンスには、以下の2つがあります。

<時間が流れるのは早いこと>
そのまま、時の流れの早さを指す。

<貴重な時間を大切にするようにという教訓>
時間の経過はとても早くて貴重なものであること。放った矢も時間も二度と戻ってくることはないため、毎日を大切にしようと戒めるニュアンス。

光陰、矢の如しの使い方・例文

それでは、簡単な例文で使い方をチェックしましょう。

<時間が流れるのは早いこと>
・小さかった息子がもう20歳になった。まさに光陰、矢の如しだ。
・光陰矢の如し、今年ももう年末だ。

<貴重な時間を大切にするようにという教訓>
・光陰矢の如しなのだから、毎日を一生懸命に生きよう。

なお、光陰、矢の如しは基本的には動きや物理的なスピードではなく、時間や歳月、人生が過ぎる早さを指します。

砂時計

光陰、矢の如しの類語・言い換え表現

光陰、矢の如しの類語・言い換え表現は、以下のようなものがあります。

<ことわざでの類語・言い換え表現>
・少年老い易く学成り難し
・歳月人を待たず など

<四字熟語での類語・言い換え表現>
・烏兎怱怱(うとそうそう)
・兎走烏飛(とそううひ) など

表現したい状況や使用場面に応じて、表現を変更したほうが適切な場合もあるでしょう。言い換えができるよう、類語表現などをさらに詳しく確認しておきましょう。

ことわざでの類語・言い換え表現

ことわざでの類語・言い換え表現は、以下のとおりです。

<少年老い易く学成り難し(しょうねんおいやすくがくなりがたし)>
若い少年でもすぐに年をとるため、学問を志してもなかなか修められないものだ。

<歳月人を待たず>
時間とは、人間の都合に関係なくあっという間に過ぎていくものである。

<白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし)>
壁の隙間から白い馬が走りすぎる様子を一瞬見るように、月日がたつのは非常に早い。「白駒」とは「白い馬」のこと。

<一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)>
月日の流れは早いため、ほんの少しの時間でも無駄にしないように戒めることわざ。

四字熟語での類語・言い換え表現

四字熟語での類語・言い換え表現は、以下のとおりです。

<烏兎怱怱(うとそうそう)>
月日がせわしなく過ぎていく様子。「烏兎」は月日、「匆匆」とはあわただしいことを意味する。

<兎走烏飛(とそううひ)>
月日が飛ぶように過ぎていくこと。「烏飛兎走(うひとそう)」ともいう。

<露往霜来(ろおうそうらい)>
露の季節が過ぎたと思ったら、すぐに霜の季節が来ること。月日が流れる早さを表す。

<歳月不待(さいげつふたい)>
時間とは人間の都合に関係なくあっという間に過ぎるもので、時間を大切にすべきであること。「歳月人を待たず」と同様の意味の四字熟語。

時計

光陰、矢の如しを正しく理解しよう

光陰、矢の如しとは、跳ぶ矢のように月日のたつのが早いという意味で、読み方は<こういんやのごとし>です。同様の意味の四字熟語として使われる光陰如箭は、<こういんじょぜん>と読みます。

光陰、矢の如しのニュアンスには、そのまま時の流れの早さを指す場合と、貴重な時間を大切にするようにという教訓を表現している場合があります。光陰、矢の如しの類語・言い換え表現は、ことわざであれば少年老い易く学成り難し、四字熟語であれば烏兎怱怱などです。

言葉の詳しい意味や語源、使い方、類語表現などをあわせて確認し、多くの言葉を正しく使えるようになりましょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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