レジメ(レジュメ)とは?
レジメ(英語:resume)とは、簡潔に要点を表現したもののことで、レジュメとも呼ばれます。日常生活というよりは、ビジネスシーンや学会などのアカデミックなシーンで使われる言葉です。主に次の3つの意味があります。
・概要・要約
・履歴書・職務経歴書
・会議用の資料
それぞれの意味でどのようにレジメ(レジュメ)が使われるのか、具体的に説明します。
意味1:概要・要約
研究や学校などのアカデミックな場所では、レジメを「概要」や「要約」の意味で使うことが一般的です。たとえば、論文を執筆したときは、以下の内容を簡単にまとめたレジメを作成します。
・タイトル
・研究の背景、目的
・研究手法
・研究結果
・考察
・結論
・参考文献
レジメを作成することで、短時間で論文の内容を理解できるため、参考文献としても活用されやすくなります。
また、ゼミで文献抄読をするときにもレジメ作成が必要です。単に英語から日本語に翻訳するだけでなく、短く要約するという作業をおこなうことで、文献に対する理解を深められます。
意味2:履歴書・職務経歴書
就職や転職のときには、レジメを「履歴書」や「職務経歴書」の意味で使うことが一般的です。履歴書も職務経歴書も、今までの経歴を要約した文書のため、ある意味「概要」や「要約」と同じといえます。主に次の内容を含めて作成します。
・氏名や住所、生年月日
・学歴、職歴
・保有するスキル、資格
・自己PR
・志望動機
とりわけ外資系企業では、履歴書や職務経歴書をレジメと表現するようです。日本語に加えて英語などの外国語でのレジメの提出を求められることもあるため、求人に応募する前に確認しておきましょう。
意味3:会議用の資料
ビジネスシーンにおいては、レジメを「会議用の資料」の意味で使うことが一般的です。会議用の資料も、論議する内容を要約したもののため、「概要」や「要約」と似たニュアンスと考えられます。次の内容を過不足なく含め、会議出席者が理解しやすいレジメを作成しましょう。
・タイトル(議題)
・作成者の氏名、部署
・開催日時、場所
・参加予定者
・検討事案
・検討に用いる資料
次回の会議が決まっている場合は、日時や場所もレジメに記載しておくとよいでしょう。
レジメ(レジュメ)と混同しやすい言葉
レジメ(レジュメ)には意味が複数あるため、ほかの言葉と混同することがあります。また、似たような意味のカタカナ語も多く、間違って使われることも少なくありません。混同されることがある言葉と、それぞれの意味についてご紹介します。
レジメン
レジメン(regimen)とは医療や看護の現場で用いる言葉で、「治療計画」のことです。主に薬物療法を実施する際に、薬剤の用量・用法・治療期間などを明確に記載したレジメンを作成し、医師や看護師、薬剤師などの治療チームで共有します。
基本的にはレジメンを基に薬物療法を進めていきますが、期待する効果が得られないときや、思わぬ副作用が生じたときは、治療チームで話し合ったうえでレジメンを変更することもあります。レジメと似ている単語ですが、意味もスペルも異なるため、正しく使い分けましょう。
アジェンダ
アジェンダ(agenda)とは、「計画」や「スケジュール帳」を意味する英語です。そのままの意味で使われることもありますが、ビジネスシーンでは「議題」や「予定案」などの意味で使われることが一般的です。
アジェンダが会議用の資料として作成されるときは、議題や予定案をまとめたものを指します。レジュメのように目的や検討に使う資料などは含まれないことが多いため、レジュメよりもシンプルな資料といったニュアンスがあります。
ただし、明確にアジェンダとレジメが分類されているわけではありません。人によっては参考資料などが含まれた書類を「アジェンダ」、予定案だけをまとめた用紙を「レジメ」と呼ぶこともあるため、どちらも同じようなものと認識しておきましょう。
サマリー
サマリー(summary)とは、「要約」や「概略」を意味する英語です。アカデミックなシーンではレジメと同じといえますが、ビジネスシーンでは「報告」という意味で使われる傾向にあります。
たとえば、これから開催する会議の資料は「レジメ」、すでに終了した会議の内容をまとめた資料は「サマリー」です。また、会議参加者に配布する資料は「レジメ」、会議に出席しなかった人に配布する資料は「サマリー」と区分けすることもあります。
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アウトライン
アウトライン(outline)とは、「あらすじ」や「要点」を意味する英語です。ほぼレジメと同じ意味ですが、アウトラインのほうがレジメよりも大まかで、概略的なニュアンスがあります。
たとえば、会議資料としてレジメを作成するときに、事前にアウトラインを作成し、レジメの方向性を明確にすることがあります。
アブストラクト
アブストラクト(abstract)とは、「概要」や「要旨」を意味する英語です。こちらもほぼレジメと同じ意味ですが、まとめる内容が少々違います。
アブストラクトは重要なポイントを中心にまとめますが、レジメは重要度にかかわらず議題や目的、結果などの関連する事柄を羅列的にまとめます。つまり、要点だけを端的に知りたいときはアブストラクト、要点ではなく出来事(会議など)を網羅的に知りたいときはレジメが適切です。
シーンに応じてレジメを使いこなそう
レジメは、情報をまとめたものの意味で使われる言葉です。ビジネスシーンでは会議資料を指すことが一般的ですが、就職・転職のシーンでは履歴書や職務経歴書を指します。
また、学会や教育などの場面では、論文の要約などの意味で使われることもあります。状況に応じて適切なレジメを作成し、効率よく情報を理解できる状態にしておきましょう。