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2023.08.17

「良かったです」の敬語表現とは? メールやビジネスシーンでの使い方を紹介

「良かったです」という言葉、上司に使っていませんか? 「です」をつけているんだからいいんじゃないのという声が聞こえてきそうですが、もっとふさわしい表現がありそうです。この記事では「良かったです」に変わる言葉を考えてみました。

「良かったです」は敬語?

さまざまなシーンで使われる「良かったです」という表現。ありふれた表現なので、深く考えることなく使っているかもしれませんが、この表現について再度内容を整理していきましょう。

そもそも「良かったです」は敬語なのでしょうか? 「良かったです」は、「良かった」に丁寧語の「です」をつけた敬語で、ビジネスシーンで使ってもまったく問題ありません。

ただし、「良かった」は日常的に非常によく使う言葉ですので、口語的な表現であり、印象としてはかなり砕けた印象になると考えられます。メールや手紙などの書き言葉のシーン、あるいは目上の人や取引先などに使う場合には別の表現を用いたほうがいい場合もあるでしょう。

「良かったです」を丁寧に言いたい時は?

少し言い慣れないかもしれませんが、

「ようございました」
「よろしゅうございました」

などの言い方をすれば、「良かったです」を丁寧に変化させることはできます。

しかし、問題は両方とも現代ではあまり馴染みがない用法だということ。使い慣れない言葉を自然に使うのは難しいことですし、場合によっては逆に失礼な印象を与えることもありますね。

面談する女性
(c)Shutterstock.com

「良かったですね」は失礼?

「ですね」は丁寧表現なので、失礼とまでは言えないかもしれませんが、上司に向かって「良かったですね」というのは、言い方によっては上から目線と感じられる場合もあるでしょう。念のため、目上の人に「良かったですね」を使うのは控えたほうが無難です。

目上の人にも使える「良かったです」の類語表現

では、「良かったです」を言い換えて、上司など目上の人にも使えるようにしましょう。いくつか例を挙げてみますね。

1:うれしく思います

相手にとって良かったことについて、自分もうれしく思っているということを伝えます。「ご成約、私もうれしく思います」と言えば、あなたの成功を自分も我がことのように喜んでいるということを伝えることが可能です。

2:安心いたしました

相手がことがうまく運んでホッとしている様子であれば、それに共感を示すことができますね。たとえば、体調を崩していると聞いていた上司が出社した時、「お元気そうで安心いたしました」と伝えれば、あなたの気遣いの気持ちが伝わりますね。

3:お役に立てて光栄です

たとえば、上司と一緒に仕事をして褒めてもらった時に「良かったです」では、少し物足りない感じがします。そこで「お役に立てて光栄です」「お役に立ててうれしいです」という表現はどうでしょうか?

光栄とは名誉に思うことですから、あこがれの上司と一緒に仕事をしてお礼を言ってもらえた時などに使うといいかもしれませんね。

4:○○さんのおかげです

プロジェクトが成功した時などに「良かったです!」というのも、やはり言葉足らずな印象ですね。仕事はひとりでするものではなく、みんなの力が一丸となるからこそできることです。

そこで、「みなさんのおかげです」「○○さんの的確なアドバイスのおかげです」というように、謙遜して感謝を伝えることで、「良かった」と思っていることを伝えましょう。

少しややこしい使い方ではありますが、ビジネスシーンではよくある使い方ですから、フレーズとして覚えてしまうのがおすすめです。

これらの例は、いずれも口頭でもメールでも、どちらにも使うことができます。また、目上の人や取引先の人に使っても問題ないでしょう。シーンに合わせて、上手に活用してみてくださいね。

協力すする女性たち
(c)Shutterstock.com

「良かったでしょうか?」は誤用?

「良かったです」に似た言葉で、「良かったでしょうか」、あるいは「よろしかったでしょうか」という言い回しをよく聞きます。これらが正しい表現なのかも考えてみましょう。

時制がおかしい?

「良かった」「よろしかった」は「良い」「よろしい」の過去形なので、それ自体には問題なし。また「でしょうか」という疑問をつけることも文法的に間違いではありません。

なお、そもそも「よろしい」や「よろしかったでしょうか」には「良」という漢字ではなく、「宜」を使います。

そして、問題となるのは使うタイミング。「良かったでしょうか」「よろしかったでしょうか」は過去形ですから、過去のものごとに対して確認する際に使うのが基本です。たとえば、過去に聞いた注文について「ご注文は300部で良かったでしょうか」「納品日は今月末でよろしかったでしょうか」というような使い方は妥当と言えます。

一方で、飲食店に入店した時に「2名様でよろしかったですか?」と声をかけられるのには若干の違和感を感じる人もいるかもしれません。 現時点のことなので「2名様でよろしいでしょうか」となるはずと認識する人は多いでしょう。

ただし、必ずしも間違いとは言い切れず、「あなた(客)の判断は把握したが、私(店員)の認識は間違っていないか」という確認のためにこのような表現になったとも。

これらの表現は飲食店やコンビニなどでアルバイトする若者からよく聞かれることもあり、「バイト敬語」としてある程度認知されているようです。

参考:「よろしかったでしょうか」 実は正しいバイト敬語(日本経済新聞)

カフェのスタッフ
(c)Shutterstock.com

シンプルな言葉ほど言い換えて

「良かったです」のように、シンプルな言葉は簡単でいいのですが、年齢を重ねたり、立場が上がったりすると、いつでもどこでも「良かったです!」では通用しなくなります。本を読んだり、ドラマを見たりする中で、「この表現、感じいいな!」と思うものがあれば、ぜひメモをしておきましょう。ちょっとした気遣いができるかどうかで人物評価は大きく変わってきます。

たとえば、「ありがとう」も「良かった」と同じくらい頻繁に使う言葉です。ビジネスシーンでも1日に何度も使うでしょう。「感謝しています」「恐れ入ります」「おかげさまです」…。このようにいくつかのパターンを使い分けるだけでも、その場に応じた印象を相手に与えることができそうです。

最後に

この記事では「良かったです」の言い換えを中心に、似た言葉の誤用、言い換えの重要性などについて解説しました。ポイントは「何が」良かったのかを明確にすること。それができれば、ふさわしい言葉が自然に出てくるはずです。

また、日頃から、自分が言われて「いいな」と思った言い回しをチェックしておき、ここぞという時に使ってみましょう。何度も使っているうちに自分のものになっていきますよ。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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