フォーカスとは?
フォーカスとは、「焦点を集める」「焦点に集まる」「焦点」「中心」などを意味する英語です。主にカメラなどで使う言葉で、光が集まっている状態を指すときに使われることがあります。
日本語独自の意味もある
フォーカスという言葉は、「……にフォーカスする」「フォーカスは……」のように日常会話でも使われることが多く、すでに日本語のひとつといえるでしょう。日本語としてのフォーカスは、次の意味で使われることがあります。
・注目する
・着目する
・集中する
・カメラのピントをあわせる
・焦点をあわせる
フォーカスの語源
フォーカスの語源はラテン語の「focus」といわれています。元々は「暖炉」や「健康」を意味する言葉で、暖炉の中心に炎があることから「焦点」の意味で使われるようになったようです。
フォーカスの言い換え
フォーカスはさまざまな意味で使われる言葉です。そのため、フォーカスを使うシチュエーションによって、言い換える言葉も異なります。言い換え例と使い方をいくつかご紹介します。
・ピント
カメラで撮影するときは「フォーカスをあわせる」の代わりに「ピントをあわせる」と表現できます。また、焦点がぼやけていることを「フォーカスがあっていない」や「ピントがあっていない・ずれている」と表現することがあります。
・的(まと)
「フォーカスを絞って……」というフレーズは「的を絞って……」と置き換えることが可能です。写真のピントがずれているときだけでなく、話の論点が絞り込めていないときなどにも使えます。
・注目
「フォーカスする」というように補助動詞の「する」をつけて動詞として使うときは、「注目する」で置き換えることもできます。「宇宙にフォーカスして論文を書いた」は「宇宙に注目して論文を書いた」とほぼ意味が同じです。
フォーカスの意味を分野別にご紹介
フォーカスという言葉は、次の分野で使われることがあります。
・カメラ・撮影
・医療・看護
・IT
・ビジネス・学習
分野が異なると、フォーカスの意味も異なります。どのような意味で用いるのか、例文をとおして具体的に見ていきましょう。
カメラ・撮影
カメラや撮影の分野では、フォーカスという言葉をしばしば使用します。焦点・ピントをあわせるときには、「フォーカスをあわせる」と表現します。
・被写体にフォーカスをあわせて写真を撮りましょう。
・この写真は被写体にフォーカスがあっていないため、かえって幻想的なよさがある。
・フォーカスがずれてしまうときは、カメラのオートフォーカス機能を使いましょう。
コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)やスマートフォンのカメラでは、オートフォーカス機能がついています。オートフォーカス機能とは、自動的にピントを被写体にあわせる機能で、マニュアル操作が苦手な方もピントのあった写真が撮影しやすくなります。
医療・看護
医療分野では、患者情報を記録したものを「フォーカス」や「フォーカスチャーティング」「看護記録」と呼ぶことがあります。フォーカスには、患者の症状の変化や治療内容などの医療的な情報だけでなく、患者の行動や気になる発言、予後における不安材料などもまとめることが一般的です。
フォーカスに患者の記録をまとめておくことで、患者を担当していない医師や看護師なども、患者の状態を短時間で把握できるようになります。患者が夜中に急変し、主治医がすぐに治療できないときなども、フォーカスを確認すれば当直の医師が応急対応できるでしょう。
なお、近年は医療機関もデジタル化が進み、フォーカスをオンラインで管理することが増えました。インターネット環境さえあればどこでも閲覧できるため、通院している医療機関以外で治療を受けるときも、利用可能なことがあります。
既往歴や特定の薬物に対してアナフィラキシー反応が生じるなどの医学的に重要な情報も、フォーカスを活用すれば事前に把握でき、適切な処置に役立てられます。
IT
IT分野で「フォーカス」という言葉を使うときは、入力操作の準備が整った状態を指すことが一般的です。検索エンジンを使うときであれば、検索窓にカーソルがあっている状態、WordやGoogleドキュメントならカーソルで指した部分が点滅した状態を指します。たとえば次のように使えます。
・「表示画面にフォーカスはあっていますか?」「はい、大丈夫です。入力できます」
・パソコンの処理能力が遅く、なかなかフォーカスがあわない。
ビジネス・学習
ビジネスシーンでも、「フォーカス」という言葉が使われることがあります。たとえば次のように使います。
・フォーカスが定まっていないから、会議も進まない。まずは論点を絞り込もう。
・ターゲットは大人だが、大人だけにフォーカスしていると集客力が下がる。子どもにもフォーカスして、イベントを計画するほうがよいだろう。
特定の事柄に注目するときに「フォーカス」を用います。また、学習のシーンでも同じ意味で「フォーカス」を用いることがあります。
・共通テストまでもう何日もない。すべての科目を今から復習するのは難しいため、苦手科目だけにフォーカスして勉強しよう。
・奈良時代の文化にフォーカスして勉強したが、まったく出題されなかった。ターゲットを絞り込んで勉強するのはリスクが大きいことがわかった。
フォーカスの意味を正しく理解しよう
フォーカスは、すでにカタカナ語として使われている言葉です。「焦点」や「注目」などのように名詞として使うこともありますが、「焦点をあわせる」「注目する」「集中する」のように動詞として使うこともあります。
また、フォーカスは幅広い分野で使用する言葉です。分野によって意味が変わることもあるため、正しく理解しておきましょう。とりわけ医療・看護では、独自の意味として用いられる点に注意が必要です。
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