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2023.05.06

夫婦や親子で組むペアローンのメリットとデメリットを基本から解説!【専門家監修】

夫婦または親子の2人で組むペアローンは、1人でローンを組むよりも借入可能金額が増えるなどメリットがありますが、反面、注意したいデメリットもあります。ペアローンを組むなら、デメリットについても確認しましょう。

夫婦または親子で契約するペアローンとは?

住宅購入を考えはじめたとき、気になるのはお金のこと。特に住宅ローンは、大きなお金を借り入れすることもあり、どのような商品なのか、そのメリットやデメリットなどが気にかかるのではないでしょうか?

住宅ローンにはさまざまなタイプのものがありますが、その中の一つがペアローンです。夫婦や親子で契約するペアローンの利用を考えている場合、メリットやデメリットをきちんと理解した上で検討することをおすすめします。

夫婦または親子で組むペアローンの内容

まずはペアローンの内容を確認していきましょう。

1つの物件に対して、夫と妻(もしくは親と子)それぞれが住宅ローン(ペアローン)を契約します。お互いの連帯保証人も担いますので、それぞれ契約する住宅ローンは2本になるということです。

ペアローンを利用するなら、知っておきたいメリット

夫婦または親子で契約するペアローンのメリットには次のようなことがあります。

借入可能額が増える!

住宅ローンを1人で契約するよりも多くお金を借りられることが、ペアローンの大きなメリットでしょう。希望物件があるけれど、1人の住宅ローン借入では金融機関の審査が通らない場合などは、ペアローンを利用するといいですね。

また、中古物件を購入したあと、大規模なリノベーションをするという場合も、ペアローンにより購入検討がしやすくなります。

団体信用生命保険にそれぞれ加入できる

夫婦または親子、それぞれが団体信用生命保険に加入するため、もしどちらかが死亡したり、自分で身体を動かすのも難しいような高度障害状態になったりしても、団体信用生命保険でその人の残債をカバーできます。

団体信用生命保険は、ガンや心臓、脳などの大きな病気にり患した場合や、要介護状態になった場合も保障するものが出てきています。団体信用生命保険の保障や特約についてもよく確認して選ぶといいですね。

住宅ローン控除の適用も2人分

夫婦または親子それぞれに住宅ローン控除が適用されるのも大きなメリットです。住宅ローン減税とも呼ばれるこの控除は、1人で住宅ローンを契約するときよりも、節税効果が期待できます。

別々の金利プランを選択できる

夫婦のペアローンは、別々の金利プランを選択することができます。例えば、どちらか一方は生活を安定させることを重視して固定金利タイプを選び、もう一方は住宅ローン返済総額を抑えるために変動金利タイプで契約をします。金利タイプを上手く活用できれば、より効率的な返済計画が実現でき、生活環境の変化にも対応しやすくなるでしょう。

親が65歳以上でも住宅ローンを利用できる

親子でペアローンを契約する場合、申込み可能年齢の引き上げをしてくれることがあります。この場合は、満70歳までペアローンを利用できます。

親の年齢的な問題で単独ローンを組めない、子供だけでは希望の借入金額に届かないなどのケースには大きなメリットになるはずです。

3世代家族写真
(c)Shutterstock.com

知っておきたい、ペアローンのデメリット(夫婦編)

ペアローンにはデメリットになることもあります。デメリットは特にしっかりと把握しておきましょう。

住宅ローンの返済義務免除について

ペアローンの場合、どちらかが死亡または高度障害状態になったとしても、残された方は自分の住宅ローンを返済し続けなければなりません。

2名のうちどちらかが死亡または高度障害状態になると、当然ですが世帯年収は減少します。残された人は生活費をすべて負担する上に、住宅ローンの返済もすることになり、家計のバランスが崩れてしまう恐れが生じます。

住宅ローンを組む場合、死亡や高度障害状態になったときの保障は別途準備しなければなりません。また、借入条件も余裕を持たせ、無理のない返済プランにしたいですね。

諸費用や税金が増える

夫と妻、それぞれが契約者になるペアローンの場合、諸費用や税金負担も2人分になります。事前に負担額を確認し、準備をしておきたいですね。

住宅ローンの返済額が大きくなりがち

メリットといえる住宅ローンの借入額が増えることは、デメリットにもなります。ペアローンの場合、住宅ローンの返済総額が大きくなりがちですから、身長に借入金額を決めなければなりません。

子供の教育費や老後費用など、住宅以外にかかる費用も考慮に入れ、借入額を検討したいところです。生活に変化があっても、返済に困らない仕組み作りをしてください。

離婚や退職があったら、ペアローンはどうなる?

夫婦で債務者になるペアローンでは、離婚や退職に対応できない可能性があります。例えば離婚することになると、次のような問題が起こるかもしれません。

・夫婦が合意できず、住宅売却ができない
・離婚しても名義変更ができず、住宅が共有名義のままになる
・どちらかが返済を拒否し、もう1人が2人分の住宅ローンを返済することになる

ペアローンを組んでいる夫婦の離婚は、住宅の名義やペアローンの残債をどうするかについて話し合い解決しなければなりません。自分たちだけで解決するのは難しいことが多いので、弁護士への相談をおすすめします。

パソコンの前で考え込む家族
(c)Shutterstock.com

知っておきたい、ペアローンのデメリット(親子編)

親子のペアローンについても、デメリットを確認しましょう。

相続が発生すると、複雑になりがち

ペアローンを親子で契約すると、親が亡くなったときに相続が発生します。ペアローンを契約している子供の他にも子供(兄弟姉妹)がいると、親の持分の一部を子供の兄弟姉妹が相続する可能性が出てきますよね。

しかし、住宅の一部のみを現金化するのは現実的ではありません。そのため、兄弟姉妹の相続分を、契約者である子供が現金で支払わなければならないということもあります。

兄弟姉妹や他の相続人が多い場合は、さらに相続が複雑化し、トラブルに発展してしまう恐れがあります。

名義変更、解消が複雑になる

ペアローンの返済中に、子供が結婚や転職が理由で転居する必要が生じたとしても、名義変更や連帯保証人の解消は原則認められません。どうしても契約内容の変更をしなければならない場合は、新たな条件でローン審査を受け直す必要があります。

また、金融機関によっては、契約時と状況が変わったとして、一括返済を求めてくるケースもあり、この点は注意が必要です。

他にも、フラット35を利用できないなど、デメリットはまだあります。ペアローンを含む住宅ローンは、長期に渡り大きなお金を返済しなければなりません。ペアローンの契約時は、お互いにさまざまな状況をイメージしながら、契約変更が生じたらどうするかについても話し合っておきましょう。

白いチューリップと家の鍵
(c)Shutterstock.com

最後に

ペアローンは夫婦や親子で契約できるため、借入額を増やせるなどのメリットがあります。一方で、大きなトラブルに発展しかねないデメリットもありますので、特にデメリットについてはお互いによく確認し、理解を進めておきましょう。ペアローンは大きな金額を長期に渡り返済しなければなりません。その点も十分考慮し、検討するようにしてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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