平均月収ってなに?
自分の月収は平均と比べてどうなのか、気になる人もいるでしょう。月収とは1ヶ月に得た収入総額のことをいいます。月給や手取りとはどう違うのか、まずはそこからみていきましょう。
月収と月給の意味はちがう
月給とは、毎月固定で支払われる賃金のことを言います。月収と月給では、内容が異なりますので、その違いを知っておきましょう。
【月収に含まれるもの】
基本給・固定手当・変動手当
【月給に含まれるもの】
基本給・固定手当
月収には変動手当(時間外手当や家族手当など月や人によって金額や支払いが変わるもの)が含まれますが、月給には含みません。
平均月収は、1ヶ月に受け取った収入総額の平均のことを指します。
手取りとの違い
手取りという言葉もよく目にすることがあると思います。月収と手取りは何が違うのでしょうか。
手取りとは、会社から支給される収入総額から、税金や社会保険料を控除した(差し引いた)金額のことを指します。つまり、実際に銀行口座に入金される金額のことだと思っていいでしょう。ただし、給与天引きで貯金や投資をしている場合は、入金金額に貯金や投資に回した金額を加算したものが、手取りになります。
年代別の平均月収について
ここからは、年代別の平均月収をみていきましょう。厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」から、各年代の平均月収を紹介します。
各年代の平均月収
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第2表より抜粋した各年代別の平均月収は以下の通りです。なおこの調査で表記されている「賃金」は、6月分給与額の平均を記載しています。
20~24歳:213,100円
25~29歳:246,200円
30~34歳:275,800円
35~39歳:305,000円
40~44歳:328,000円
45~49歳:344,300円
50~54歳:366,200円
55~59歳:365,500円
60~64歳:292,800円
65~69歳:259,800円
70歳~:243,300円
50代までは月収は上がっていきますが、50代後半以降は下がっていくのが読み取れます。50代後半以降は役職定年や定年退職などがあるため、その影響によるものと考えられます
性別や学歴別の平均月収について
続いて性別や学歴別に平均月収をみていきましょう。
性別や学歴別の平均月収
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第3表より抜粋した平均月収は以下の通りです。
▶大学院卒の平均月収
20~24歳:(男性)245,800円(女性)243,000円
25~29歳:(男性)281,000円(女性)270,900円
30~34歳:(男性)348,700円(女性)325,900円
35~39歳:(男性)431,200円(女性)395,500円
▶大学卒の平均月収
20~24歳:(男性)231,100円 (女性)227,500円
25~29歳:(男性)267,000円 (女性)252,300円
30~34歳:(男性)314,100円 (女性)275,500円
35~39歳:(男性)364,800円 (女性)298,200円
▶高専・短大卒の平均月収
20~24歳:(男性)212,100円 (女性)210,200円
25~29歳:(男性)249,700円 (女性)230,100円
30~34歳:(男性)285,300円 (女性)239,500円
35~39歳:(男性)317,000円 (女性)255,100円
▶専門学校卒の平均月収
20~24歳:(男性)212,000円 (女性)215,700円
25~29歳:(男性)240,700円 (女性)237,400円
30~34歳:(男性)266,100円 (女性)244,500円
35~39歳:(男性)293,600円 (女性)259,200円
▶高校卒の平均月収
20~24歳:(男性)204,300円 (女性)190,000円
25~29歳:(男性)234,500円 (女性)202,000円
30~34歳:(男性)261,100円 (女性)212,000円
35~39歳:(男性)284,700円 (女性)216,000円
全体をみると、大学院卒・男性の平均月収が常時高いことが読み取れます。女性の場合、結婚や出産時に働き方や働く環境が変わることがありますので、それが平均月収に影響しているという可能性があるでしょう。
産業別の平均月収
産業別の平均月収についてもチェックしましょう。厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第5表を元に解説していきます。
平均月収が高いのはインフラと金融業界
産業別の平均月収をみると、全体で最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」などのインフラ業界です。「学術研究、専門・技術サービス業」、「金融業・保険業」などの平均月収も高めであることが読み取れます。
男性は「金融業・保険業」が最も高く、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」「教育・学習支援業」「学術研究、専門・技術サービス業」などの産業が続きます。
女性で高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」、次いで「教育・学習支援業」「学術研究、専門・技術サービス業」などの平均月収が高いことがわかります。
低めなのは、宿泊や飲食サービス業
平均月収が低めの産業は、「宿泊業、飲食サービス業」「サービス業(他に分類されないもの)」などです。いずれもコロナ禍による影響を強く受けた産業ですので、今後の動きが気になるところです。
月収を増やしたいときにできることとは
平均月収を見て、今の自分の月収と比較した方もいるのではないでしょうか。収入は個人のがんばりだけで増やせるものでもなく、経済状況や業界動向などに影響され変動するものです。
しかし、月収を増やすために個人で取り組めることもたくさんあります。今の会社で出世や昇進を目指してみるのもひとつですよね。出世や昇進をすれば基本給が増えますので、収入はおのずと増えていきます。
また、資格取得や専門職を目指して勉強するというのもいいですね。難易度が高いものであれば、収入を増やすことにつながる可能性が高くなります。資格取得や専門的な勉強をすることで、自分に自信がついたり、異業種や他社の人と知り合ったりできますので、自分の世界が広がるという可能性もあります。その点も期待できるのではないでしょうか。
転職という方法もあります。昔は最初に就職した会社で定年まで勤務するのが当たり前とされていましたが、今はキャリアアップのために転職する人がずいぶんと増えました。今よりも給与水準が高い会社に転職できれば、収入はおのずと増えることになります。
自分の月収がどのくらいの位置にあるかを知り、これからどうしていきたいか検討していきましょう。
最後に
平均月収とは、1ヶ月に受け取った収入総額の平均のことを指します。月給や手取りとは意味が異なりますので、その違いについて把握しておきましょう。平均月収は性別や学歴、産業により差が生じます。もし自分の収入を増やしたいのであれば、出世や昇進、新しい資格取得、転職などさまざまな選択肢があります。これからどうしていきたいのかを考える参考にしてください。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン