便利な言葉「なんでもいい」
誰しも一度は「なんでもいい」という言葉を使ったことがあるのではないでしょうか。特に友人や恋人、家族など親しい間柄の人といるときに使いがちなこの言葉。相手に選択を任せる場合などに使われます。
本記事では、なんでもいいと言いがちな場面やなんでもいいと言ってしまう心理、そしてなんでもいいと言われたときの対処法について紹介します。
「なんでもいい」は優しい言葉?
相手のしたいことや希望を優先してほしいときに「なんでもいい」と言いませんか? 相手の気持ちを慮った、思いやりのある言葉と言えるのかもしれませんね。しかし、実はこの言葉が相手を困らせているなんてことも。
言われた側は、「自分任せにするなんて…」と感じたり「楽しんでるのは自分だけなのかな?」と不安に感じたりしてしまうこともあるようです。
なんでもいいと言いがちな場面とは?
どんなときになんでもいいと言いがちでしょうか。皆さんも心当たりがあるかもしれません。しかし、相手によってはネガティブな気持ちになってしまうかもしれないので、この機会に確認しておきましょう。
1:外出先で退屈になったとき
例えば、美術館に行ったとしましょう。展覧会が思ったより早く見終わって、次のディナーまで時間が余ったとき、皆さんならどうしますか? 相手に「何かしたいことある?」と聞いたり聞かれたりした経験もあるのではないでしょうか。
こんなときは、ぱっと思いつかず「なんでもいいよ~」と言ってしまいがちです。
2:お腹が空いたとき
誰かと一緒にいて、何か食べに行きたいときにも「なんでもいい」が飛び出しやすい場面です。何か食べたいけど、いまいち食べたいものが思いつかない場合や自分が食べたいものが相手も食べたいか分からないときに「何食べたい?」「なんでもいいよ」という会話がなされたりします。
3:上下関係があるとき
先輩後輩など、上下関係があるときも出やすいと言われています。「なんでもいい」では言葉遣いがカジュアルなので、「なんでも大丈夫です」や「どちらでもかまいません」などと使われることが多いようです。
なんでもいいと言う人の心理とは?
なかには、いつでも「なんでもいい」と言う人がいます。自分の意見を言わないため、何を考えているか分からずに戸惑ってしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、ここではなんでもいいと言う人の心理について見ていきましょう。
1:相手を気遣っている
なんでもいいと言う人は、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先したいという心根の優しい人が多いようです。相手を気遣って、相手のしたいことをしてあげたい! という気持ちが「なんでもいい」という言葉に反映されているのかもしれませんね。
2:責任を負いたくない
選択をするということは、その選択の結果や責任は自分で背負わなければなりません。そのため、責任を負いたくないという人は、なんでもいいよと言うことで選択に伴う責任から逃げようと考えているのかもしれません。
そのため、選択を任された人にしてみれば「私にばかり押し付けて…」と不満に感じる場合もあるようです。
3:興味がない
純粋に、興味がない場合も考えられます。結果がどう転んでも自分には関係ないという気持ちからなんでもいいと言っているようです。
4:優柔不断
いずれの選択にもメリットやデメリットがあり、決められない! という状況に陥ったとき、なんでもいいと言いがちです。
例えば、「Aの店の料理は安いけれど味があまりおいしくない」「Bの店の料理は高いけれどその分美味しい」など、悩んでも解決できない問題があるとき、ひとりでは決められずに結局どっちでもいいから決めて! と相手に選択を託してしまいます。
5:嫌われたくない
決めることで、相手の嫌なほうを選択してしまったのではないかという心配性な心理がはたらいているのかもしれません。それなら、ということでなんでもいいと言っている場合も考えられます。
なんでもいいと言われたらどうしたらいい? 対処法を解説
なんでもいいという言葉は便利ですよね。しかし、言われた側にとっては困ってしまうことも少なくありません。では、実際言われたときはどのように対処すれば良いのでしょうか。
最後に、なんでもいいと言われた場合の対処法について考えていきましょう。
1:選択を絞る
人は、沢山の選択肢を前にするとなんでもいいと言ってしまいがち。そんな相手の場合は、「AとBならどっちがいい?」と二択にまで絞ってあげるのがおすすめです。
2:意見を否定しない
なんでもいいと言いがちな人は、相手に嫌われないか不安に思っていたり自分に自信が無かったりしている人が多いです。そこで、相手が意見を伝えてくれたときにはなるべく肯定するように心がけましょう。
もし、自分の意見と違っていても一旦受け入れたうえで、「私はこう思うんだけど、それについてはどう思う?」など対話を意識することで相手を傷つけずに話を進めることができます。
3:気を遣いすぎない
気を遣っているニュアンスは、言葉に表さなくても何となく相手へと伝わってしまうものです。お互いに気を遣った状態だと、なかなかリラックスできず楽しめません。相手がなんでもいいと言うのなら、言葉に甘えてしたいことをするのが吉。
そうすることで、相手の緊張や気遣いも解けて和やかな雰囲気になるのではないでしょうか。
最後に
本記事では、「なんでもいい」という言葉について深掘りしてみました。使い勝手の良い言葉がゆえに、使いすぎると相手を困らせてしまうこともあります。意志表示をするのは大切なこと。普段、相手に選択を任せがちな人も、たまには自分のしたいことや、やってみたいことを提案してみてはいかがでしょうか。
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