「飽きる」とは?
「飽きる」と口にしたことのない人はいないのではないでしょうか。それくらい、頻繁に登場するこの言葉。実は、「飽きる」には「厭きる」「倦きる」という漢字があることを知っていましたか?
本記事では、日常的に使われている言葉「飽きる」について深掘りしてみましょう。「飽きる」の類語表現や、飽き性な人の特徴、飽き性な性格を改善するための方法などを紹介します。
「飽きる」の意味
「飽きる」とは、「同じことの繰り返しでいやになる、退屈する」という意味の言葉です。正確には、「飽く」という動詞の活用形になります。この言葉が使われ始めたのは、近世後期の江戸時代なのだとか。
例えば、「終わりのない単純作業に飽きてしまった」「あんなに好きだったのに、今ではすっかり飽きて別の趣味を見つけて楽しんでいる」などと使われます。
「厭きる」「倦きる」の意味
「飽きる」には、「厭きる」「倦きる」という漢字をあてる場合もあるようです。「厭きる」は「いやになる」というニュアンスが含まれており「仕事に厭きる」のように用いると、「仕事がいやだ」という意味になります。
一方、「倦きる」は、「倦」に「なまける」「疲れる」などのニュアンスがあり、ニュアンスとしては「飽きる」と同じようです。
「飽きる」の類語表現を紹介
続いては、「飽きる」の類語表現について見ていきましょう。「飽きる」にはたくさんの類語があり、日本語の表現の幅がいかに広いかが伺えます。ぜひ、この機会に語彙力を鍛えましょう!
1:退屈
「飽きる」と同じくらい耳にすることが多い言葉のひとつではないでしょうか。「退屈」とは、「退屈」とは、「することがなく、時間をもてあましてしまうこと」「同じことの繰り返しでいやになること」という意味があります。
その他に「困難にぶつかって気後れすること」という意味や「修行の苦難に負けること」という仏教用語としての意味も持った言葉のようです。
「退屈を紛らわせるために映画を見る」「彼は本当に退屈な人だ」というように使うことができます。
2:倦怠
「倦怠」は「けんたい」と読みます。「倦きる」と同じ漢字が用いられていますね。「倦怠」とは「飽きる」と同様に「物事の繰り返しで嫌になること」という意味です。
「飽きる」と異なる点としては、「心や身体が疲労しておりだるいこと」というニュアンスで用いられることもある点が挙げられます。例えば、「倦怠感を感じた場合は、早急に上司に報告するように」などと使われるときの「倦怠」は、心身のだるさという意味です。
3:アンニュイ
「アンニュイ」とは、「意欲を失って退屈でものうい状態」のこと。フランス語で「ennui」といいます。もともとは文学的な言葉で、19世紀末のヨーロッパで流行したデカダンス文学(デカダンスはフランス語で衰微・衰退を意味する)の風潮を表す言葉だったのだとか。
「アンニュイそうな彼女の表情に惹かれる」などと用いられます。
飽き性(あきしょう)な人の特徴とは?
ここまでは、「飽きる」という言葉そのものについて詳しく見ていきました。続いては、「飽きる」という状態に注目してみましょう。すぐに飽きてしまう飽き性な人は、どのような特徴があるのでしょうか。
1:影響を受けやすい
友人やテレビ番組など、外部からの影響を受けやすい人は飽き性の人が多い傾向にあります。周りのしていることや持っているものに興味がひかれやすい結果、自分のしていることやものに対して興味が惹かれなくなってしまい、いわゆる「飽きた」状態になってしまうのではないでしょうか。
2:新しくて楽しいことが好き
新鮮なものには多くの刺激を受けますよね。しかし、飽き性の人は慣れてしまうと刺激を感じられなくなってしまい、つまらないと感じてしまうようです。
3:思いつきで行動しがち
思い立ったが吉日! 飽き性の人は、思いつきで行動する人も多いです。綿密な計画を立てるよりも、とりあえず行動してみる性格のため思い違いをしたり、予想と外れた結果になってしまうことも。望む通りの結果が得られなかったため、すぐに飽きてしまうようです。
4:理想が高い
恋愛において、相手に飽きてしまった… という経験をしたことのある人はいませんか? その原因は、理想とする像が高いからかもしれません。自分が理想とする人ではないため、物足りなく感じているなんてこともあるようです。
飽きやすい性格を何とかしたい… 改善策はある?
飽き性であることは、一概に悪いことだとは言えません。新しいことが好き、行動力があるなど良い一面も沢山あります。しかし、なかには飽きっぽい性格を何とかしたいと思っている人もいらっしゃるはず。
そこで、飽きやすい性格との向き合い方について、一緒に考えてみましょう。
1:「自分探し中」だと捉える
すぐに飽きてしまうのは、単に相性が合わなかっただけかも。自分には合わなかったんだなと軽く受け止めて、どんどん新しいことにチャレンジしていったら良いのではないでしょうか。このように、捉え方一つで心持ちは変わってきます。
2:目標を決める
どうしても飽き性な性格を直したいのであれば、明確な目標を一つ決めてとことん取り組むことを誓いましょう。友人に宣言しても良いかもしれませんね。
一度、「とことん向き合う」ということを経験してみれば、ひとつのことを続ける良さに気が付けるかもしれません。
最後に
本記事では、「飽きる」について言葉とその中身について詳しく見ていきました。「飽きる」には「厭きる」と「倦きる」という漢字があることを知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
飽きっぽい性格はネガティブなイメージを抱かれがちですが、フットワークの軽さや新しいものを積極的に取り入れる姿勢など、良いところも沢山あります。飽き性な性格にコンプレックスを感じている方は、ぜひ本記事を一つの参考にもう一度自分の性格と向き合ってみてくださいね。
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