「梯子を外す」の意味とは?
「梯子を外す」という表現を聞いたことがあるでしょうか? これは比喩表現の1つですね。まずは簡単に意味を確認していきましょう。
「梯子を外す」は「はしごをはずす」と読みます。意味は、仲間や味方を裏切り、孤立させるということ。一緒に何かに取り組んでいたのに、急に手を引いて仲間を取り残すというような状態を表します。実際に梯子で高いところに登ったはいいものの、梯子を外されその場に取り残されてしまった状況が由来となっているそう。
この言葉は人間関係においての裏切りや孤立を表すものです。主に「梯子が外される」というように受け身の形で使うことが多いでしょう。ビジネスでも上司や同僚との人間関係についてよく使われます。「梯子が外される」の類語表現には「飼い犬に手を噛まれる」や「苦汁を飲まされる」、「煮え湯を飲まされる」などが挙げられますね。
どれも、信じていた人や普段から親しくしていた人から思いがけない攻撃を受けるという意味の慣用句です。ただ孤立する、裏切られるというのではなく、元々仲間であったり親しい仲であった人からの裏切りというのがポイントでしょう。
梯子を外す人の特徴って?
あなたは梯子を外される経験をしたことがありますか? ビジネスにおいて、梯子を外してくる人と出会うことは決して珍しいことではないでしょう。厳しい競争社会では平気でそのような行動を仕掛けてくる人もいるはず。以下では、梯子を外す人の特徴について解説していきます。
1:損得感情で動いている
これは自分にとって利益になるのか、何か得があるのか。梯子を外す人というのは、損得感情によって行動する人と言えるでしょう。これまで一緒に物事に取り組んできた思い出やその人との信頼関係を振り返り、人情に沿って行動するタイプではないようですね。理論的に考え、自分にとって利益にならないのであればあっさり裏切るという人もいるようです。
2:責任から逃れたい
最終的に自分が責任を背負うことを嫌がり、逃げてしまう人もいるでしょう。ミスを被りたくないから自分だけ手を引いて、後のことは他人に任せるというような心理ですね。責任から逃れたい人というのは、すなわち意志が弱い人とも言い換えられるかもしれません。最後まで全うするという強い意志を持っていない人は、急に梯子を外す可能性もあると考えられるでしょう。
3:自己中心的な考えをしている
上記の1と2に共通している点でもありますね。梯子を外すというのは、取り残される仲間のことは考えず、自分さえ良ければいいという心理が働くことで起こる行為です。そのため、自己中心的な考えを持つ人には梯子を外されることがあるかもしれません。自分の都合で発言や行動をコロコロ変える日とには注意しましょう。
ビジネスで梯子が外された時どうしたらいい?
職場で梯子が外されるというのは、よくある話です。皆それぞれ、やはり自分の業績が一番大切ですよね。そうなると裏切りや孤立は起こって当然のことなのかもしれません。ではもし梯子が外された時、どのように行動したら良いのでしょうか?
1:慌てず焦らず、自分にできる事から探す
「梯子が外された!」と思ってパニックになってしまうと、相手の思うツボです。まずは落ち着いて、冷静に判断することを心がけましょう。梯子を外されたからと言って投げやりな態度を取ってしまうと、評価が下がるのは自分自身です。今自分には何ができるのか、どのように行動するのが一番良いのかを考えて臨機応変な対応をするべきでしょう。
2:どうしようもなかったら他の人に頼るのもOK
自分でなにかしら試みた上で、どうしようもできない場合は誰かに頼っても良いのです。ある人に梯子を外されたとしても、職場にはまだ何人もの同僚や上司がいることでしょう。その中には必ずあなたの助けになってくれる人がるはずです。1つの裏切りに深く落ち込んでしまうのではなく、切り替えて他の場所へ視点を移してみましょう。
3:悪口や愚痴を周りに言わない
仲間に裏切られることは、もちろん腹立たしいものです。苛立ちや嫌悪の気持ちを抱くのは当然のことでしょう。しかし、そこで悪口や愚痴を周りにこぼしてしまうのはNG。なぜならあなたの評価を下げることに繋がるからです。
いくら裏切られた事実があっても、周りの人がそれを一部始終把握してくれている状況は滅多にありません。そんな中愚痴をこぼしていたら、あなたに対する周りの印象は良いものにはならないでしょう。梯子が外された時は、むしろ弱音や文句を吐かず解決しようと努力する姿勢を見せるべきです。そうすることで、一生懸命に取り組む姿勢をアピールできるだけでなく、応援したいという気持ちから誰かが手を差し伸べてくれるかもしれませんよ。
4:1つの経験として受け入れる
梯子が外されたことについて、落ち込んだり怒ったりするだけで終わらせてはいけません。自分を成長させるための、1つの経験だという風に捉えてみてください。今後、必ずその経験が活きる機会があるはずです。また、このように前向きに考えることで感情も落ち着き、仕事にも集中しやすくなるでしょう。
最後に
今回は「梯子を外す」について解説してみました。ビジネスや日常生活、どちらにおいても梯子を外す人は少なくありません。しかし、梯子が外された時こそ感情的にならず、冷静になることが大切です。外されてしまったものは仕方ないので、そこから自分が何をすべきか考えることができると良いですね。
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