なかなか行けないところに行ける、出張はアナウンサーの仕事の醍醐味!
アナウンサーは比較的、出張が多い仕事です。ロケ、取材、スポーツ中継などジャンルも様々です。
私も様々な出張をしてきました。観光地を巡るようなものもあれば、キャンプ中のアスリートのトレーニングに参加させてもらったり、勉強会の一環として原子力発電所の中に入らせていただいたりしたことも。
オリンピック取材で、リオデジャネイロに1ヶ月滞在!
2016年には、オリンピックの中継キャスターを務めるため、ブラジル・リオデジャネイロに1ヶ月滞在しました。期間中は毎日、競技の取材をして、選手や関係者にインタビューをして、番組の中継をして、と、フル回転します。
▲最終日、飛行機までの時間に観光名所コルコバードの丘へ。すっかり髪の色が抜けてしまっています…
時差が12時間あるので現地時間で行われる大会と、日本時間で行われる放送スケジュールで頭が混乱することもありました。
それでも、歓喜の場に立ち会えた興奮や、どう現場の空気を伝えようかと日々試行錯誤するのは非常にやりがいがあり、私のキャリアにとって大きな節目となった仕事です。
現地にはもちろんスタイリストさんもヘアメイクさんもいないので、持ち込んだ服を気候に合わせて選び、毎朝髪を整えるのも一苦労で、日本の環境がどれだけありがたいものかを痛感しました…。
ちなみにヘアアイロンを持っていくのを忘れ、数日後にリオに来た桝太一先輩に買ってきてもらったのも思い出です。
「新春シューイチ」ロケ出張は、2日間で3つの島を巡る弾丸旅
一方、ロケで遠方に行く際は、団体旅行のように移動するので、交通手段やホテルなどの手配はスタッフさんにお任せのことが多いです。
元日に担当した「新春シューイチ」では、“MC3人旅”という企画で、中山秀征さん、中丸雄一さんと、1泊2日で石垣島・竹富島・西表島に行ってきました。お二方とも人気者なのでロケに費やせるのは2日間だけ。
▲島と島の間を移動中です。
1日目、朝一の便で石垣島に到着してから、翌日の最終便で帰京するまで、本当にタイトなスケジュールでした。3つの島を2日間で巡る中、シュノーケリング、トレッキング、釣り、BBQなどのアクティビティをぎゅぎゅっと詰めこんだので、それぞれ短い時間で放送に足るものを撮影しないと、という緊張をうっすら感じながらのロケでした。
こういったロケでは何か裏話はありますか? と聞かれることが多いのですが、ほぼない、と言っても良いくらい、カメラが回っていない時間は、打ち合わせをするくらいで、あとはスタッフさん含め移動の車中でグッタリ、していました。(笑)
どうしても限られた時間で出来るだけ色々な情報を詰め込みたいので、こうした出張ロケの裏側はバタバタになってしまいます。
スポーツ中継に向けた取材は自分でアレンジ
スポーツ中継に向けた取材などでは、こういう取材をしたいと目的や必要性などを上長に申請し、アポ取りや交通手段、宿泊先など会社の規定の中で、自分でアレンジします。
今年1月に行われた「高校サッカー」で決勝戦の実況を務めた山本紘之アナウンサーに話を聞いてみると、出場48チームのうち、どこが決勝に勝ち上がってくるかわかりません。少しでも多くのチームを直接自分の目で確かめ、話を聞くため、12月上旬から、担当している「ZIP!」の合間を縫って、全国をまわったそうです。
▲青森の高校取材中の山本紘之アナウンサー。大学時代はすごいサッカー選手で、入社前は応援に行きました!
電車や飛行機はもちろん、時にはフェリーも駆使し、一人で移動しながら取材内容をまとめ、次の高校へ。こうした地道な準備があって、実況は成り立っています。