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2022.12.27

契約書におけるドラフト版って何? ドラフト版を作る理由や修正方法を解説

契約書を作成する時には、ドラフト版を作ります。ドラフト版を作る過程において、契約者双方が契約期間・金額・納期などを確認、あるいは交渉していくわけです。契約書を完成させるための、重要な行為といえるでしょう。この記事では、契約書のドラフト版の修正方法についても確認していきます。

契約書におけるドラフト版とは?

契約書とは、ビジネスシーンなどで取引先との契約などのために作成されるもの。契約書には、契約内容の確認・トラブルの予防・訴訟時の証拠の提示といった機能があります。そして、契約書で、未完成の下書き段階にあるものを、「ドラフト版」「ドラフト」などと呼ぶのです。

サイン
(c)Shutterstock.com

この記事では、契約書におけるドラフト版や、ドラフト版を作成する理由、ドラフト版を修正する方法について説明していきますね。

さて、契約書におけるドラフト版とは、どのようなものなのでしょうか? そもそもドラフトとは「草稿」「下書き」を意味する言葉で、英語の「draft」が由来です。そのままカタカナとなり、日本語として通用しています。

契約書におけるドラフト版は、契約書の下書き・草稿のこと。契約内容に間違いがないが、ドラフト版を作成して、相互に確認しながら文言を修正していく流れになります。この中で、契約の詳細を詰めていったりするわけです。

なお、契約書のドラフト版は、契約の当事者自身が作成することもあれば、行政書士・弁護士などの専門家に作成を依頼することもあります。

なぜドラフト版を作成するのか?

次に、契約書のドラフト版を作成する理由について、見ていきましょう。

1:修正しやすい

あくまでドラフト版ですので、簡単にいくらでも修正することができます。相手側とのやり取りの中で、契約内容が変わった時も、内容の追加や削除がスムーズに行えるのです。

書類に赤ペンでチェックを入れる
(c)Shutterstock.com

反対に、ドラフト版がなくて、いきなり完成版の契約書を相手側から一方的に送られた場合、トラブルにもなりかねません。認識のずれもあることでしょう。さらには、直すにも大変な手間がかかりますね。それらを防止するためにも、ドラフト版の存在は重要といえます。

2:契約内容を細かく決めていく

契約書のドラフト版を作成する行為そのものが、契約交渉としての性質も持っています。なぜなら、契約書の起案前に双方が大筋合意していたとしても、細かい条件や法的な効力については、認識が一致していないこともあるからです。

ドラフト版をやりとりする中で、契約期間・金額・納期・免責事項・保証規定といった細かいことを確認、時には交渉しながら、最終的な形にもっていくという流れになります。

話合いをする同僚
(c)Shutterstock.com

一方的に自分たちに有利な修正をすれば、相手から不信感を抱かれ、最悪の場合、契約そのものが破棄されるリスクも否定できません…。ドラフト版に関するやり取りは、慎重にした方がよさそうです。

ドラフト版はどう修正する?

契約書のドラフト版を書いている時に、修正したくなる時もあるかもしれません。どのように修正していくのかについても、説明します。

1:変更履歴から修正

多くの会社では文章作成に、マイクロソフトが提供するMicrosoft Wordを使っているケースが多いでしょう。「校閲」タブを押すと、「変更履歴の記録」があります。これを有効にすると、文言を追加または削除した際、その個所に色が付き、変更したことが分かるため便利です。これを参考にしながら、相手が修正した個所を容認するか、変更するかを決めていきます。

2:コメント機能を使う

お互いが直接、文章を書き直していくと、混乱してしまうかも…。そんな時は、コメント機能を使うことで、修正したい点を明らかにすることができますよ! 再びMicrosoft Wordでの例になりますが、「1:変更履歴から修正」の時と同様、「校閲」タブをクリック。そして、コメントに挿入したい個所にカーソルを当てたまま、「新しいコメント」を押すと、コメントを挿入することができます。

3:クラウド上で修正する

最近だと、契約書の作成から管理までをクラウド上で完結する、クラウドサービスもあります。最初から、契約書のドラフト版をクラウド上で作成すれば、メールで契約書のドラフト版を送るという手間が省けるので便利。双方がインターネットを介して、共通のドラフト版データにアクセスするという形をとります。

サービスによっては、ドラフト版のデータの共同編集の権限を操作すれば、社外の人でもデータを編集できるようになりますよ。これにより、双方がリアルタイムでドラフト版の内容について確認・議論しながら、その場で同時編集することもできるので、とても効率的です。作成したドキュメントは、PDFに変換してもいいでしょう。

そもそも修正に限らず、契約書作成をクラウド上で完結させてもいいかもしれませんね。サービスによりますが、契約類型に合ったテンプレートの利用・修正対象の条文例の検索や表示・人工知能による文章チェック・契約更新日の通知といった便利な機能を使えるからです。

データ保管の観点から見ても、作成した契約書のデータがクラウド上に一括管理されることで、データが紛失しにくくなります。

最後に

以上、契約書のドラフト版について見てきました。

契約書のドラフト版を作成する中で、双方が内容を確認しながら、契約の詳細を詰めていきます。この中で、細かい条件や法的効力について、双方の認識を一致させていきます。単に、書類の下書きを作るだけではないのです。これらを踏まえると、契約書のドラフト版を作成するという行為は、契約におけて重要な位置を占めるものといえるでしょう。

また、契約書のドラフト版を修正するにあたっては、一般的にMicrosoft Wordでドキュメントを作成、メールでデータをやり取りしながら、完成させるという流れになります。

しかし、最近は、契約書の作成から管理までをクラウド上で行えますよ。それに、契約書のドラフト版がクラウド上にある方が、双方が議論しながらリアルタイムで、ドラフト版を同時修正することができるので、とても便利です。

自分たちの会社の状況も考慮して、どのように契約書のドラフト版を作成するのがもっとも効率的なのかを、考えながら取り組んでみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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