営業を辞めたいと思うのは、甘えか?
自分は人と話すのが好きだから、自分に向いていると思って飛び込んだ営業の仕事。しかし、ある程度の経験を重ねていく中で「ノルマが大変」「心が休まらない」などと感じる人もいるかもしれません。
この記事では、営業を辞めたいと思う理由や、辞めたいと思った時にどうするかについて解説します。
そもそも「営業を辞めたい」と思うのは、甘えというわけではありません。人によって仕事の向き・不向きはありますし、勤務先の労働環境が過酷であるのが、原因かもしれません。
継続的に「辞めたい」と思い、心が苦しいのは、危機に対する本能的なメッセージともいえます。つまり、生きる能力が弱まっているサインであり、単に我慢するだけで解決するかは疑問です。
むしろ、そのまま我慢していると、精神的にも体力的にも限界を迎え、最悪の事態にもなりかねません。自分の直感を大事にし、我慢以外の手段も考えてみてはどうでしょうか?
そもそも、今の時代は超少子高齢化社会であり、市場は縮小する一方。小さくなり続けるパイを奪い合っている状況であり、営業でもノルマを達成するのが難しくなるのは、当然ともいえます。まして、ノルマの目標値を上げられるなら、なおさらです。
このように、市場の縮小という社会的な背景を無視することはできません。日を追うごとに、目標の売り上げを達成するのが難しくなるのは、ある意味自然なことですし、個人の努力では解決できない領域です。
営業を辞めたいと思う主な理由
次に、どのような理由から営業を辞めたいと思うのかを、見ていきましょう。主に、以下のような理由が挙げられます。
1:ノルマがきつい
課せられたノルマが高ければ、それを達成するのは簡単なことではありません。「未達だったら、なんて言われるか…」という不安を感じた人もいるでしょう。追い詰められた挙句、自爆営業に走るケースもあります。
2:アポ取りや飛び込みが大変
アポ取りや飛び込みをしていて、中には「うちはいい」などと門前払いされることもあるかもしれませんね。それを繰り返す中で、自分が否定されているかのように感じる人もいるのではないでしょうか。そうでなくても何十件・何百件と、営業のための電話を掛けたり、訪問したりするのは大変なことです。
3:商材に自信が持てない
自分が、商材に自信を持っていないにもかかわらず、相手にいろいろアピールして売らなければならないこともあるでしょう。商材への自信が弱いほど、「このような商品を売っていいのだろうか…」と葛藤することもあるかもしれませんね。心が繊細であればあるほど、その矛盾に苦しみます。
4:過度なプレッシャーを感じる
ノルマが未達だったことを指摘されて、プレッシャーを強く感じる人もいるでしょう。過度なプレッシャーは、働く人の心理に悪影響を及ぼすことがあります。
また、同僚などと比較されて、仕事の出来が気になるかもしれません。自分だけ仕事ができないでいると、「何とか成果を出さなければ」と焦りやプレッシャーを感じ、ストレスにつながります。
5:社内や取引先との人付き合いが負担
社内や取引先の人とは、コミュニケーションの一環として、ゴルフや飲み会などが催されることもあります。自分がそれらを好きならば問題ないのですが、そうではない場合は神経を使い、負担に感じてしまいます。
営業という仕事自体、コミュニケーションが大きな比重を占めます。コミュニケーション能力に自信がない人は、営業職を避けた方が無難かもしれません。
営業を辞めたいと思う時にどうするか?
それでは、営業を辞めたいと思った場合、どうすればいいのでしょうか? それについて、解説します。
1:誰かに相談する
会社の上司や同僚、あるいは家族や友人でも構いません。誰かと相談して、営業を辞めたいと思う理由や、解決策を一緒に考えてみましょう。解決策そのものが見つからなくても、状況を打開するきっかけが見つかるかもしれませんよ。
また、他者と問題を共有するだけでも、心が楽に感じられます。自分一人だけで、抱え込まない方がいいでしょう。
2:部署を変える
営業が向いていないと思うなら、配属を変えてもらい、企画や事務などの違う仕事をするのも手です。新しい仕事に挑戦することで、自分に向いた仕事に出会えるかも。
3:転職する
今いる会社では、営業しかやらしてもらえないのであれば、転職するのもありです。「自分にはスキルがない」と困っているならば、学び直すのもいいでしょう。新卒かどうかも、気にする必要もありません。最近ですと、社会人になってからも大学や専門学校などに入り直し、まったく別の職種で働くためのスキルを身に着ける人もいます。
自分の体験から言えば、専門分野からまったく違う分野で働くために、学び直す人たちには何回も出会いました。大学で水産について学んでいたが、整体師になるために整体の専門学校に入り直したケース。大学院で国文学を専攻していたが、薬剤師になるために薬学部に入学したケース。このように、学び直すという行為は盛んです。
最後に
以上、営業を辞めたいと思う理由や、そう思った時の対処法について見てきました。人には向き・不向きというものがあり、もちろん営業に向いていない人もいます。営業という仕事を嫌に感じるからといって、甘えとは限りません。それに、継続的に営業を辞めたいと思っているならば、本能的なメッセージとして無視すべきではないでしょう。
また、少子高齢化による市場の縮小が、営業におけるノルマ達成を難しくしているという側面もあります。まして、ノルマの目標値が上げられる一方ならば、なおさらのこと。このような社会現象に対しては、個人ではどうしようもありません。
最近は、「リカレント教育」とも称される、学び直しが盛んになっています。自分にスキルがないことを悩んでいるならば、学校に入り直すなり、行政の支援制度を利用するなりして、スキルアップしてはどうでしょうか。
この記事を通じて、営業を辞めたいと思う現状からの打開策が見つかれば幸いです。
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