12月上旬は、箱根駅伝の取材に奔走!
師走は、日本テレビアナウンス部も一年で最も忙しくなる月です。というのも、年末年始の特番などイレギュラーの仕事だけでなく、年末年始にかけて箱根駅伝(1月2・3日)、高校サッカー(12月28日~1月9日)という大きなスポーツイベントの中継があるからです。
この2つは規模が大きく、アナウンサーも約20人ずつ携わります。私は入社以来、箱根駅伝の中継チームにいますので、どんな仕事内容なのかをお話できればと思います。
▲取材に伺ったとあるチームの寮のトレーニングルームにて。左から平松修造アナ、上重聡アナ、私、伊藤大海アナです。
お正月に箱根駅伝の中継を見たことがある、という方は多いかもしれませんが、レースを実況するアナウンサー以外の動き、というのは正直、見えてこないと思います。
実際は、実況アナウンサー以外に、そのお手伝いをする“サブアナウンサー”、その他にもインタビュー担当、直前や直後の番組(みどころや試合後の声をお届けします)を担当するアナウンサーがいます。
12月上旬は箱根駅伝に携わる全アナウンサーで各大学への取材を手分けして行います。
年間通して大会などへは足を運んで取材を行っているのですが、この時期は今回の箱根駅伝を実際に走るメンバーが固まってくるので、監督・選手・控えの選手20人ほどにじっくり、陸上をはじめたきっかけ、箱根駅伝への思い、ランナーとしての目標などを伺います。
学生への取材は、リラックスした雰囲気づくりに配慮
▲リモート取材。学生さんの方がzoomに慣れていて使い方を教えてもらうことも…。
大学側の状況や環境に合わせて、寮や大学にお邪魔することもあればリモートでの取材も。コロナ禍前は、合宿先で一緒にお昼ご飯をいただいて選手のみなさんと楽しくおしゃべりすることもありました。
この選手取材で大切にしているのは、カメラなどはなしで、必ず選手とアナウンサーが1対1で話すこと。できるだけ緊張をさせないように、リラックスしてお話してもらえるように配慮します。
少しでも目の前の選手のことを視聴者の方が身近に感じたり、すごいなぁと興味を持ってもらえたりするようなご紹介ができるように情報を引き出せれば、と思いながら、あれこれ伺っていきます。取材した内容はまとめて、アナウンサー内で共有。
総勢300人以上の選手・監督の取材内容を、実況アナウンサーはそれぞれ当日手元に持つ資料に落とし込み、サブアナウンサーはこの実況アナウンサーの資料作りを手伝いつつ、本番は実況するアナウンサーの横で、必要な資料を手渡し、見逃してしまわぬように実況アナウンサーの目としてあたりに気を配るなど、一瞬も気が抜けません。
こうして横で学び、吸収し、いつか自分が実況する際に生かしていく、という伝統です。
試合後のインタビューは、緊張で汗だくに…
▲この時期はデスクの上が大混乱です。
そして、インタビューもしびれる仕事です。走り終えたばかりの選手、優勝チームのみなさん、惜しくも優勝をのがしたチームの監督など、中継のなかでは様々なインタビューがあります。頑張りを称えたい、これも聞きたい、あれも聞きたい、とこちらの気持ちがあふれてしまいがちなのですが、限られた時間の中で最大限、選手の声をお届けできるように取捨選択し質問をします。
このインタビューは私も何度か担当させていただいたのですが、毎回、心臓が口から飛び出てきそうなほど緊張し、汗だくになっていました。
主役となる選手=学生ランナーたちが大きな目標に向けて団結していく姿はまぶしいくらいですが、私たちアナウンサーもこの時期はよく集まって過去の映像を見たり、昔話を聞いたり、色々と話し合ったり、一つのチームとしてまとまっていきます。忙しくても、この時期が私は実は好きで、日本テレビアナウンス部に所属していて良かったな、と感じる瞬間の一つです。
日本テレビアナウンサー 徳島えりか
1988年9月生まれ、東京都出身。O型。慶応義塾大学 法学部政治学科卒業後の2011年4月、日本テレビに入社。現在は、『シューイチ』『news every.』を担当。Instagram → @tokushima_erika