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2022.12.19

新入社員にボーナスは出る? 冬の相場や手取りも解説【社会保険労務士監修】

会社によって違う新入社員のボーナスの扱い。夏はボーナスがなかったという人でも、冬は支払われる可能性がありますよ。この記事では、冬のボーナスの相場や、手取り額について解説します。お金のことになると、なかなか人には聞きにくいという方も、参考にしてみてくださいね。

クリスマス、お正月など、様々なイベントが目白押しの冬シーズン。何かと出費がかさむので、冬のボーナスが気になるという方も、多いのではないでしょうか?

特に、新入社員の方にとっては、「そもそも、今年の冬のボーナスをもらえるの?」という疑問もあるかもしれません。夏のボーナスが出なかった人も、冬はどうなるのかと気になるところですよね。

この記事では、新入社員のボーナスの扱いや、冬のボーナスの相場と手取りについて解説します。業界、企業規模別の平均額なども解説していますので、参考にしてみてくださいね。

新入社員にボーナスは出るの?

「新入社員の冬のボーナスは、どうなるの?」と、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

4月に入社した新入社員は、まだ経験も浅いため、ボーナスが出ないという会社もあるようです。

一方で、人手不足等の解消のために、新入社員にもボーナスを支給するという会社も、多くなってきているようですよ。2022年4月の新入社員の夏のボーナスの状況を、参考に見てみましょう。

産労総合研究所が行った調査によれば、8割超の企業が、新入社員に対して、夏に何らかのボーナスを支給したそうです。平均額は、大卒が89,334円、高校卒が73,848円だったようですね。

満額のボーナスの額ではなく、寸志や一時金という名目で支払うことが多いようです。

入社数ヶ月の社員に対しても、夏に何らかのボーナスを支払う会社が多かったことから、冬も支払う会社が多いと推測できそうですね。

新入社員のボーナスはいつから?

新入社員のボーナスは、いつから出るのでしょうか? 「会社には、なかなか聞きにくい」という方も多いかもしれませんね。

通常の場合、4月に入社した新入社員には、夏のボーナスは支払われないことが多いようです。しかし、最近では、人手不足や若手社員の定着率向上のために、一部ボーナスを出すという会社も増えてきているようですよ。

一方で、冬のボーナスは、満額支給されるという会社もあります。ちなみに、冬のボーナスの支払い時期として一般的なのは、12月。国家公務員も、冬のボーナスを12月に受け取るため、合わせたという説や、年末年始で出費がかさむ時期に合わせたという説もあるようですよ。

ただし、支払いのタイミングは、会社によって異なりますので、ご自分の働いている会社の就業規則等を確認してみてくださいね。

なお、ボーナスは就業規則などの書類上、「賞与」と記載されているケースがほとんど。冬のボーナスの場合、「冬季賞与」もしくは、「年末賞与」などと呼ぶことが一般的です。

日常的にはあまり使われない用語ですので、ピンとこないという方もいらっしゃるかもしれませんね。ですが、人事労務関係の書類や契約書等では、「賞与」という呼び方が一般的ですので、おさえておくと便利な知識です。

ただし、そもそも賞与自体が、制度上無いという会社もありますので、ご注意ください。

机上に資料と眼鏡を万年筆
(c)Shutterstock.com

ボーナスの相場は?

ボーナスの相場は、勤続年数や、業界、企業規模などによって、かなり幅があります。

厚生労働省の「令和3年度毎月勤労統計調査」では、令和3年年末のボーナスの平均額は、以下の通りでした。

令和3年冬のボーナス平均額

全体平均:380,787円
製造業:502,134円
飲食サービス業:56,091円
医療・福祉業:308,301円
※業種は一部抜粋

ここからは、かなり業界ごとに差があることが分かりますね。

企業規模別のデータも見てみましょう。

企業規模別ボーナス平均額

500人以上:621,724円
100~499人:424,899円
30~99人:344,921円
5~29人:273,064円

こうして見ると、企業規模が大きいほど、ボーナスの平均額も高くなる傾向があるようです。また、これらの統計は、あくまで平均額ですので、勤続年数等によっても変わってくるでしょう。社歴がまだ浅い新入社員の場合は、これより低くなることもあります。

小銭の上に木が生えている
(c)Shutterstock.com

また、会社によっては、ボーナスを「月給の2ヶ月分」などと、月給ベースで規定していることも。

一方で、「業績賞与」と言って、会社の業績によって、臨時的にボーナスを支給するというような会社もあるようです。この場合、毎年もらえるという事は確約されていませんので、あくまで業績に応じるということに注意しましょう。

例えば、昨年の業績賞与が、月給2ヶ月分だったという会社の場合、「毎年必ず月給2ヶ月分のボーナスがある」と誤解してしまう人もいるかもしれませんね。

ですが、あくまでこれは、その年の業績による結果ですので、毎年支払われるとは限らないという点が、気を付けたいポイントです。

また、個人ごとの成績に応じて、ボーナスの額が異なるというケースも。特に、営業職のような成果が分かりやすい職種の場合、このような制度になっていることもあるようです。

新入社員同士で、うっかり自分のボーナス額を口にしてしまって、人間関係がぎくしゃくしてしまう、なんてこともあり得るでしょう。人によって金額が異なる可能性も踏まえて、なるべく同僚には言わない方が良いかもしれませんね。

ちなみに、法律上ボーナスは、必ずしも設ける必要がある制度ではありません。そのため、ボーナスという制度が無い会社もあります。ですので、転職活動の際にも、このボーナスの有無をチェックしておいた方が良いでしょう。

また、今自分が働いている会社で、ボーナスの制度があるのかどうか気になる場合は、就業規則を確認してみるのもおすすめです。制度がある場合は、支給要件などを就業規則に書いておく必要があるため、制度の有無を確認できるはず。

ただし、就業規則の作成が義務になるのは、従業員の数が常時10人以上の会社です。そのため、会社の規模によっては、就業規則自体が無いという可能性もあることに、ご留意ください。

手取りはどうなるの?

ボーナスには、社会保険料や税金がかかってくるということにも注意しましょう。

例えば、ボーナスが30万円だったとしても、実際に手元に残るのは、24~25万円程度ということも。これが通称「手取り」のボーナスとなります。

ボーナスの金額や、扶養家族の有無、加入している健康保険の種類などによって、細かく変わってきますが、少なくとも2割程度は差し引かれると思っておくと良いでしょう。

ちなみに、社会保険料や税金の金額は、ボーナスの明細に記載されているはずですので、チェックしてみてくださいね。

小銭を積んで電卓をたたく女性
(c)Shutterstock.com

最後に

この記事では、新入社員のボーナスの扱いや、冬のボーナスの相場と手取りについて解説しました。やはり気になるボーナス事情。とは言え、なかなか人には聞けない話題かもしれませんので、参考にしてみてくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

塚原美彩

開業社会保険労務士 塚原美彩(つかはら・みさ)

塚原美彩(つかはらみさ)塚原社会保険労務士事務所代表

2016年社会保険労務士資格を取得。趣味は日本酒酒蔵巡り。現在は独立開業し、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。
所属:京都メディアライン

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