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天然のサプリメント「雑穀」
雑穀とは、「主食以外に利用されている穀物の総称」のこと。
具体的には、あわやひえ、きび、高きび、大麦(押し麦)、はと麦、もち麦、丸麦、黒米、赤米、そばの実、キヌア、アマランサスなどを挙げることができます。そして、そのどれもに豊富な栄養が含まれていることから、雑穀は“天然のサプリメント”だといっても過言ではありません。
もちろん、雑穀の種類によって含まれる栄養も異なるのですが、その多くに共通しているのが、ビタミンやミネラル、食物繊維、フィトケミカル。普段の食事からはどうしても不足しがちな栄養を、雑穀が補ってくれるのです。
雑穀に含まれる主な栄養
●ビタミンB1
補酵素として、糖質の代謝に関わる
●ビタミンB2
補酵素として、糖質や脂質の代謝に関わる/皮膚や髪、爪などの細胞の新生に関与する
●ビタミンB6
たんぱく質の分解や再合成に関わる
●鉄
赤血球を作る・酸素を全身に運搬、貯蔵する
●亜鉛
味覚を正常に保つ・細胞の生成、成長を促す
●カリウム
ナトリウムの排泄を促して、むくみを改善する
●マグネシウム
酵素の働きを活性化させ、あらゆる代謝のサポートをする
●カルシウム
歯や骨を作り、強くする/神経や筋肉の働きを正常にする
●食物繊維
お腹の調子を整える/糖質の吸収を穏やかにする
●フィトケミカル(ポリフェノール類)
活性酸素を除去する抗酸化作用を持つ
このように栄養豊富な雑穀なのですが、もうひとつの魅力は、白米や玄米に混ぜて炊飯するだけで、手軽に食べることができるというところ。
栄養素が豊富なことがわかったところで、次に気になる「カロリー」についてご説明していきます。
雑穀のカロリーが気になる!
雑穀の食べ方としてもっとも一般的なのは、白米や玄米に混ぜて炊く調理法です。
となると、気になるのがカロリー。ここでは、主要な雑穀のカロリーをチェックしていきましょう。
雑穀のカロリーって、どのくらい?
●あわ(精白粒)… 346kcal
●アマランサス(玄穀)… 343kcal
●おおむぎ(押し麦/乾)… 329kcal
●キヌア(玄穀)… 344kcal
●きび(精白粒)… 353kcal
●ひえ(精白粒)… 361kcal
※ 可食部100g当たりのエネルギー
同じ量の白米(水稲めし/精白米/うるち米)は156kcal、玄米(水稲めし/玄米)は152kcalと、上記の雑穀と比較するといわゆるご飯のほうがカロリーは低め。
しかし、雑穀は、白米や玄米と同様のように茶わんいっぱいに食べるものではありません。少量を混ぜて炊飯(白米1合に対して、雑穀は大さじ1~2杯程度)したり、茹でたりするものなので、“使用する量”に違いがあることを念頭に、だいたいの目安にしてみてください。
雑穀米をコスパよく食べるには?
栄養が豊富で、カロリーもさほど気にする心配はないと言うことができる雑穀(摂取する量による)。
体の健康を保つためにも、日々の食事に取り入れていきたいですよね。とはいえ、購入した雑穀の“タイプ”と、“取り入れ方”が合っていないと、せっかくの雑穀がもったいないことになってしまいます。
市販の雑穀は「取り入れ方」を基準に選ぶと◎
市販の雑穀を購入するときは、どのくらいの頻度で取り入れるのかを基準に選ぶといいでしょう。
例えば、毎日食べる方の場合。米2~3合に混ぜる個別包装された雑穀よりも、大袋タイプの雑穀を選んだほうがコスパが高いでしょう。また、大袋タイプの雑穀を購入するメリットとして、配分を増やしたり、減らしたりと好みに合わせて調節することができる点も挙げられます。
例えば、押し麦や丸麦、もち麦といった雑穀は、粒が大きく、プリッとした食感を楽しめるうえに、白米に対して3~5割の配分で炊くこともできて、食べ応え十分。それでいて、大袋&比較的手ごろな価格で購入できるため、雑穀をたっぷり取り入れたいという方におすすめです。
ただし、雑穀は封を開けたあとから徐々に酸化が始まっていくので、チャック付きの袋に移して、日の当たらない冷暗所で保存し、早めに使い切ることが重要になってきます。
一方で、毎日ではないけれど、雑穀を取り入れたいという場合。先にお伝えしたように、雑穀は開封後から酸化が始まるため、大袋タイプよりも、個別包装された雑穀を選ぶといいでしょう。1回で使い切ることができるため、鮮度の高い状態で、無駄なく雑穀を取り入れることができます。
白米・玄米に混ぜる+ひと手間で、もっと美味しく食べられる!
雑穀は、基本的には、白米・玄米に“混ぜて炊くだけ”で食べることができます。ですが、ひと手間かけることで、風味をグッとよくしたり、消化・吸収をよくしたりもできるので、炊飯時の参考にしてみてください。
雑穀をより美味しく食べるためのひと手間
●水加減は、雑穀と同量をプラス
例:雑穀大さじ1杯の場合、水も大さじ1杯分追加
慣れてきたら、水加減を調節して好みの硬さに炊いてみてください。
●浸水はマスト!
白米もしくは玄米と雑穀、水を炊飯釜に入れたら、そのまましばらく水に浸しましょう。そうすることで、硬い雑穀もボソボソせず、ふっくらと炊きあがるだけでなく、栄養の吸収率や消化もよくなります。浸水時間の目安は、夏場30分以上、冬場1時間以上です。
●炊飯前に塩をひとつまみ(小さじ1/3程度)を加える
塩を加えると、雑穀の風味を引き出すことができます。
●早炊きモードは封印
炊飯器で雑穀ご飯を炊くときは、雑穀モードに設定しましょう。雑穀モードがついていない場合は、玄米、もしくは白米モードで炊飯します。早炊きモードでは、お米や雑穀に十分に水を吸収させられなかったり、炊きあがりの蒸らしが足りなかったりして、食感が変わってきてしまうためです。
※“モード”は、お使いの炊飯器にもよるので、炊きあがりをみて、設定を変えてみてください。
美味しくて、栄養価の高い雑穀ご飯を楽しむための参考にしてみてくださいね。
ヨガインストラクター/発酵食品ソムリエ 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀スーパーフードマイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと、執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
Instagram:@saori_takagi