この記事のサマリー
・「ムラがある」は塗装など品質の不均一さを表す表現です。
・人に対して使う場合は、感情の不安定さなどを指します。
・人に向けると「気分屋」「信頼しにくい」というネガティブな評価として伝わるおそれがあります。
誰にでも、調子のいい時もあれば、思うようにいかない時もあります。そんな「人間らしいゆらぎ」は、「ムラがある」という言葉で表現したりしますね。
この記事では、「ムラがある」の正確な定義から、ビジネスで役立つ言い換え表現、さらには英語での伝え方までを詳しく紹介します。
「ムラがある」の意味とは?
最初に、「ムラがある」という言葉の定義を明らかにしましょう。
「ムラがある」の表記と意味
「ムラがある」の「ムラ」の漢字表記は、「斑(むら)」です。
『デジタル大辞泉』では、次のように定義しています。
むら【▽斑】
[名・形動]
1 色の濃淡、物の厚薄などがあって一様でないこと。また、そのさま。まだら。
2 物事がそろわないこと。一定していないこと。また、そのさま。
3 気が変わりやすいこと。また、そのさま。
引用(一部抜粋):『デジタル大辞泉』(小学館)
このように、「ムラがある」は外見上の不均一さに限らず、性格や成果などが安定しない様子を示す表現です。
「ムラがある」の使用場面と例文
「ムラがある」の具体的な使用例を見ながら、使い方を確認しましょう。
・「この商品の仕上がりにはムラがある」
(製品の品質に一貫性がないことを表現)
・「彼は集中力にムラがあるから、安定しづらい」
(行動や能力に波がある様子を示す)
・「最近は天気にムラがあって、予定を立てにくい」
(気象の不安定さを表現)
このように、「ムラがある」は一貫性が欠ける状態を表す表現です。
参考:『デジタル大辞泉』『日本国語大辞典』(ともに小学館)

「ムラがある」と表現する際の注意点
「ムラがある」という言葉は、対象が「モノ」であれば状態の説明ですが、人に向けると「評価」の意味が強くなります。
直接的な表現が招く誤解
「あの人はムラがある」という言い方は、「気分屋」「信頼しにくい」といった否定の意味に響くことがあり、その後の関係性に影を落としかねません。
大切なのは、性格ではなく「状態」の話として伝えることです。
「ムラがある」を言い換えるヒント
相手を否定せず、前向きな改善につなげるための伝え方を整理しましょう。
ビジネスシーンで、ムラがあることを伝える際は、人格ではなく「成果物」や「現象」に言葉を置き換えるのがスマートです。
例:「最近は少し波があるようですが、調子が整った時の成果にはとても期待しています」
「結果にばらつきが見られるので、取り組み方の工程を一度見直してみませんか?」
このように「期待」と「提案」を盛り込むことで、建設的な対話につなげやすくなります。
参考:『デジタル大辞泉』『日本国語大辞典』(ともに小学館)

「ムラがある」を英語で表現
性格や成果、製品の品質などに見られる「ムラがある」状態は、英語でもさまざまな言い方で表現できます。ここでは代表的な英単語と、それぞれの使い方を紹介します。
“inconsistent”
“inconsistent” は、「一貫性がない」「調和していない」といった意味を持ち、性格・行動・判断など、人に関する場面で用います。
例:“Her attitude is inconsistent.”
(彼女の態度にはムラがある。)
“The results of his work are inconsistent.”
(彼の仕事の成果にはばらつきがある。)
“ups and downs”
さらに、“ups and downs” は「浮き沈みがある」「好不調の波がある」といった意味を持つ表現です。
仕事や人生における、起伏や浮き沈みを伝える表現として使うことができます。
例:“Everyone has ups and downs at work.”
(誰にでも仕事にはムラがあるものです。)
一方、製品の仕上がりや品質など、モノの状態に「ムラがある」と言いたいときには、“uneven” という語が適しています。「不揃いな」「むらのある」といった意味を持ち、モノの仕上がりやパフォーマンスのばらつきなど、視覚的・実質的な不均一さを表す際に用います。
例:“The paint has an uneven finish.”
(塗装にムラがある。)
“His performance was uneven throughout the project.”
(プロジェクト全体を通して、彼のパフォーマンスにはムラがあった。)
参考:『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)

「ムラがある」に関するFAQ
ここでは、「ムラがある」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1.「ムラがある」とは、どのような状態を指しますか?
A. 一定していない状態を指します。
物事の出来や調子、様子などがそろわず、ばらつきが見られることを表す言葉です。品質や成果、性格、天候など、幅広い対象に使います。
Q2. 「ムラがある」という言葉は、常にネガティブな意味ですか?
A. 「一定ではない」「安定していない」という状態を指すため、ビジネスや評価の場面ではネガティブに受け取られることが多いでしょう。
Q3. 部下の仕事のムラを、角を立てずに指摘するには?
A. 人ではなく「状態」と「影響」に焦点を当てて伝えることが大切です。
「仕事にムラがある」という指摘は、伝え方を誤ると人格評価のように受け取られやすく、相手を萎縮させてしまう恐れがあります。角を立てずに伝えるためには、「本人の資質」ではなく「仕事の状態」に目を向けることがポイントです。
「最近、成果の出方に波があるように感じる」というように、事実ベースで状況を共有する言い方を心がけてみましょう。
最後に
「ムラがある」という言葉を欠点として突くのではなく、どうすれば本来の力を安定して発揮できるか。そんな視点で言葉を選べば、コミュニケーションは円滑で温かいものになるはずです。
ゆらぎがあることを否定せず、上手に整えていくという、しなやかな視点の参考にしてくださいね。
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