年代別の貯金額
人生には、いくつものライフイベントがあります。また、良くも悪くも何が起こるかはわからないもの。そんな時に備えて、貯金があればあるほど良いに越したことはないでしょう。貯金があることで得られる安心は小さいものではありません。
そんな貯金ですが、世間の人はどれほどの貯金を貯めているのか目安を知りたいものです。「正直みんな貯金どのくらいある?」「本当の貯金額はいくら?」と思う人は、少ないのではないでしょうか。この記事では、年代別の平均貯金額や老後に必要とされる貯金額、貯金を貯める手段などについて説明していきます。
年代別の貯金額の平均値と中央値
年代別の貯金額がどれくらいかは、金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2020年)」から推測できます。2人以上世帯に関する、金融資産保有額についての調査です。
・20代
平均値:350万円
中央値:235万円
・30代
平均値:644万円
中央値:423万円
・40代
平均値:1177万円
中央値:686万円
対象期間:2020年8月7日~9月15日
対象者:全国8000世帯(世帯主が20歳以上でかつ、世帯員が2名以上の世帯)
調査方法:郵送調査
参考:
金融広報中央委員会:「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯調査、2020年)
老後までに必要とされる貯金額
「老後2000万円問題」という言葉が一時期、注目されたこともありましたね。実際、老後に備えてどれほどの貯金額があった方が良いのでしょうか。
前の項目で紹介した、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2020 年)」によると、60歳代から次のような回答が得られています。
・老後の生活費として、毎月最低28万円は必要。
・老後の生活資金として、年休支給時には最低2027万円の金融資産残高は必要。
なお、老後に必要な資金をまかなう手段は、貯金だけはありません。退職金や公的年金もあります。さまざまな制度を検討する必要がありますね。
もっとも「必要」といっても、人それぞれの生活水準にもよります。普段からよく外食したり、買い物をしたりする人は、もっとお金が必要でしょうし、質素な暮らしの人は少額で済むかもしれません。手持ちの資産と将来もらえる年金などで、対応できる可能性も。
つまるところ、自分が今後どのような生活をしていくかで、必要な貯金額は変わってきます。この点は念頭に置いておきましょう。
貯金・節約する手段
次に貯金・節約する手段も確認しておきましょう。いくつかの方法があります。
1:毎月の支出を把握する
普段、ついつい余分な買い物をしているかもしれません。そこで、家計簿などを付けて日々の支出を可視化することで、不要な支出などが見えやすくなります。最近は家計簿アプリも充実しているので、これらを使う手もあるでしょう。
支出がすぐに記録されるようにする工夫も良いでしょう。例えば、クレジットカードだと決済後にしばらくして口座から引き落とされるので、記録されるまでに時差が生じます。利用した金額や回数次第では、決済した時点でどれくらいのお金を使ったのかを忘れてしまうかもしれません。そのうち「大丈夫だろう」と思って、お金の使いすぎにつながることも…。
一方、デビットカードだと決済と同時に口座から引き落とされるので、すぐに支出記録がつきます。引き落とされる残高以上の買い物ができないのも特徴です。
2:固定費の見直し
固定費は、必ず支払いが発生するものであり、通信費・家賃・Netflixのようなサブスクリプションサービスなどが該当します。基本的に値段が変動することがないので、うまく見直せば大きく節約できるかもしれません。本当に定期的に必要なものなのかどうか、よく吟味しましょう。
3:資産運用
収入の一部を資産運用に回すことで、貯蓄を増やすという手段もあります。つみたてNISAやiDeCoは有名ですね。税制上の優遇措置が受けられる制度でもあります。保険など、民間の金融商品をチェックするのもおすすめです。
4:お金を介さず(または安く)、物を入手する
シンプルではありますが、物をもらう・安いものを買うことも一つの手段です。道具などについては、フリーマーケットで買う・知人からもらうという手があるでしょう。シェアするというやり方もありますね。不用品を無料で譲る人たちが集まるインターネットサービスもあり、そこで無料で家具などをもらえることがあります。
食べ物については、家庭菜園をする、食べられる山菜や木の実を採取するといった手がありますよ。近所に野菜の無人販売所があれば、そこで買ってもいいかもしれません。なぜなら、販売所近くの農家が提供していることが多く、輸送コストなどがかからない分、比較的安く買えることがあるからです。地産地消といったところでしょうか。
物ではありませんが、無料で物事を楽しむというやり方も。特に、都内だと無料で入れる美術館や博物館が少なくありません。新宿にある都庁の展望台も、入場料は不要で東京の夜景を楽しめます。地方に行けば、無料で足湯や温泉に入れるところもあるんです。お金をかけずに楽しめる場所を、一度探してみてはいかがでしょうか。
最後に
以上、貯金額について見てきました。将来に備えて、なるべく多く貯金を貯めたいところですが、昨今の社会状況もあって難しくなっているのが現状です。
もっともいくらお金が必要かは、自分がどのような生活をするかによります。自分はどれくらい支出するのか、またお金を介さずに入手できるものはあるのかなどを十分に検討し、本当に必要な金額を導き出すことが重要になってくるでしょう。
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