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玄米を「ふっくら美味しく」炊くポイント
「ボソボソしている」「硬い」「芯が残っている感じがする」など、玄米ご飯は白米に比べて少し“食べにくい”と思っている人も多いのでは? ですが、炊き方にひと手間加えるだけで、とても食べやすくなるのです。
ここからは、玄米をふっくら美味しく炊くためのポイントを見ていきましょう。…と、その前に。
「玄米が美味しく炊けなかった」という経験がある方は、次のような炊き方をしていませんでしたか?
・玄米を洗った後、すぐに炊飯器のスイッチをON
・「早炊きモード」で炊飯
実はこの2点、玄米の美味しさを引き出すことが難しくなるNGポイントなのです。それは、なぜ?
これは守りたい! 玄米を美味しく炊くためのポイント3
玄米の仕組みを理解しつつ、美味しく調理するためのコツを学びましょう。
浸水は必須
玄米を炊く場合、浸水は必須です。浸水とは、文字のとおり水に浸すことなのですが、まず玄米は「硬い種皮」に覆われています。そのため、ぬかや胚芽が取り除かれ、精米された白米と比べると、どうしても水を含むまでに時間がかかってしまいます。
玄米がボソボソ、硬い、芯を感じるというのは、この浸水時間が十分ではなかったことが考えられます。
また、炊きあがった玄米に、酵素の働きを抑制する物質を残しにくくするためにも、浸水時間は長く取ることが必要になってきます。可能であれば、17時間。もしくは、半日… 最低でも1晩は浸水し、炊く前は水を替えてから炊飯器のスイッチをONにしましょう。
洗米時、玄米をこすり合わせるようにして、もみ洗いをすることでも、幾分水が染み込みやすくなるので試してみてください。
※玄米を洗った後は、すぐに炊飯器のスイッチをONにしないこと!
水の量にも注意
玄米を1合炊く場合。水は、1/3カップ(約67ml)追加します。
※炊飯釜に玄米の水の量が記されているようであれば、その指示に従いましょう。
塩はひとつまみを目安に、炊飯前に加えます。塩を加えることで、玄米が水を吸収しやすくなり、柔らかくなるのと、アク抜きとして働いて、美味しく炊き上げるのに役立ってくれることでしょう。
「玄米モード」、もしくは「白米モード」で炊飯
いざ、玄米を炊くとき。炊飯器は、「玄米モード」に設定しましょう。「玄米モード」がなかったら、「白米モード」。「白米モード」で炊飯する場合は、浸水時間をしっかりと、長く取りましょう。そして、蒸らし時間も30分ほど取ると◎。芯を感じにくい、ふっくらとした玄米が炊きあがります。
※お使いの炊飯器によって炊きあがりが変わってくるので、慣れてきたら好みの硬さになるように、時間・水量の微調整をしてみてください。「早炊きモード」では、吸水&蒸らし時間が不十分!
次は、実際に玄米を炊飯器で炊いていきたいと思います。
上記のポイントを押さえれば、簡単に美味しい玄米ご飯を炊くことができますよ。
玄米を炊いてみよう!
ここでは、2合分の玄米を炊飯器を使って炊いていきます。
洗米
玄米を軽く洗った後に、もみ洗いをします。手で、玄米同士をこすり合わせましょう。ゴミが浮いてきたらすくい取り、2~3回繰り返します。
水加減は、玄米の容積に対して約1.5倍!
玄米を2合炊く場合、水の総量は約600ml。炊飯釜に玄米の水の量が記されていれば、その通りに。
浸水時間は長めに
先にお伝えしたように、浸水時間は可能であれば17時間。最低でも1晩は、水に浸しましょう。炊飯前に、水を入れ替えて!
塩をひとつまみ加えて、「玄米モード」で炊飯
「玄米モード」がない場合は、「白米モード」でOKです。
炊きあがったら、しゃもじを切るように入れます。炊飯釜の底から玄米を掘り起こし、ふんわり・優しく混ぜましょう。こうすることで、余計な水蒸気が抜けて、美味しい玄米ご飯が完成します。
浸水に時間がかかりますが、手間をかけることで美味しくヘルシーに、かつ消化にもいい玄米ご飯が炊きあがることでしょう。
玄米初心者さんは、玄米1:白米2で
「それでもまだ、玄米が苦手…」という方は、玄米1:白米2の割合いで炊く方法もあります。
まずは、白米を多めにして炊くことで、玄米の風味や食感に少しずつ慣れていくといいかもしれません。炊き方も、さほど難しくありません。玄米と白米は別に洗い、玄米のみ浸水させます。
※浸水時間は、玄米のみで炊く場合と同じ。
玄米1合:白米2合で炊くのであれば、水加減は白米のみで炊飯するときよりもやや多めに。水大さじ1~2杯を追加します。塩も、ここでひとつまみ強プラス。
いよいよ、炊飯です。
大事なのは、モードの選択。白米を多めにして炊く場合は、炊飯器の「玄米モード」だと、炊きあがりが少し柔らかくなってしまいます。「白米モード」でスイッチをONにしましょう。
もし、硬いなと感じるようであれば、白米3合分の水量に合わせた後、追加する水(大さじ1~2)の量を調整して、好みの炊きあがりを見つけてみてください。
玄米をサラダに入れて食べるのもアリ!
玄米=主食。
どうしても、「この食べ方が合わない」「玄米に飽きてきた」そんなみなさんには、玄米をサラダにして食べるという方法もあります。
調理方法は、玄米のみを炊飯。その玄米を冷水で洗い、ザルに移して水気を切ります。あとは、ボウルに玄米と好みの野菜、豆類、チキンなどの食材を入れて、ドレッシングも加えたら、よく混ぜ合わせるだけ。
酸味のあるドレッシングをかければ、主食感控えめに、よりさっぱりと食べることができるでしょう。もちろん、好みの味つけをして、玄米サラダを楽しむのもOK。
1皿で、主食とそのほかの食材をマルッと食べることができるので、「忙しいけれど、栄養はしっかり取りたい!」というときにもピッタリ。
いろいろな取り入れ方をして、玄米をグッと身近なものにしてみてはいかがでしょうか。
TOP画像/(c)Adobe Stock
ヨガインストラクター/発酵食品ソムリエ 高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀スーパーフードマイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと、執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
Instagram:@saori_takagi