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この記事のサマリー
・「馴れ馴れしい」は親しげな様子と、ぶしつけで遠慮がない様子の両方を指します。
・類語には、「距離が近い」「くだけすぎ」などが挙げられます。
・特徴は距離感の見誤り、過度なボディタッチ、会話の踏み込みが強い点などが挙げられます。
初対面なのに距離が近い、呼び捨てやため口、ボディタッチ…。相手は親しいつもりでも、受け手には負担になることがあります。
そこで、この記事では「馴れ馴れしい」の意味を整理し、類語や特徴、職場や日常で使える「やんわり距離を保つ」対処法を紹介します。
「馴れ馴れしい」とは?
まずは「馴れ馴れしい」という言葉の意味から確認していきましょう。

意味
「馴れ馴れしい」は「なれなれしい」と読みます。意味は、「非常に親しい様子」や「過度に親しく接しようとして不躾(ぶしつけ)な様子」を表しますよ。
辞書では次のように説明されています。
なれなれ‐し・い【×馴れ×馴れしい】
[形][文]なれなれ・し[シク]
1 非常に親しいようすである。「―・く軽口を交わす」
2 ぶしつけである。遠慮がなさすぎる。「上司に―・い口をきく」
[派生]なれなれしげ[形動]なれなれしさ[名]
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「馴れる」と「慣れる」の違いとは?
「馴れる」は「動物が人になつく」という意味と「相手に親しみの気持ちを持つこと」を意味します。
一方の「慣れる」は、「その状態に長く置かれたり、経験を重ねたりして違和感がなくなる」、「習熟する」といった意味で使われます。
辞書では次のように説明されていますよ。
な・れる【慣れる/×馴れる】
[動ラ下一][文]な・る[ラ下二]
1 その状態に長く置かれたり、たびたびそれを経験したりして、違和感がなくなる。通常のこととして受け入れられるようになる。「その土地の気候に―・れる」「移動する車中での睡眠に―・れる」「彼女の気まぐれにはもう―・れた」「住み―・れる」
2 経験を重ねて、そのことがうまくできるようになる。習熟する。「患者の扱いに―・れる」「―・れた手つき」「旅―・れる」
3 道具などが、からだになじむ。「―・れた靴で出かける」「―・れた万年筆で書く」
4 (馴れる)
(ア)その人に対して、違和感がなくなる。その人に親しみの気持ちをもつようになる。「子供が家庭教師に―・れる」「新しい上司に―・れる」
(イ)動物が、人間に対して、警戒心などを抱かなくなる。「人に―・れない馬」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
なお、「新しい上司に慣れる」のように、人に対して「慣れる」を用いる場面もあります。厳密に二分するというより、「相手との距離感(親しみ)」を言いたいときは「馴れる」、「経験や環境への順応」を言いたいときは「慣れる」と整理すると分かりやすいでしょう。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「馴れ馴れしい」の言い換え表現を紹介
「馴れ馴れしい」という表現は、相手の行き過ぎたコミュニケーションを直接指摘する表現です。そのため、本人を前に「馴れ馴れしいよ」などと言ってしまうと、傷つけてしまうこともあるでしょう。他には何と表現ができるでしょうか? ここでは似た意味を持つ言葉を紹介します。

人懐っこい
「人懐っこい」は、「ひとなつっこい」と読みます。「馴れ馴れしい」はネガティブなイメージが強いですが、「人懐っこい」はポジティブなイメージで使われることが多いです。
例えば、新しい部署に配属されて知り合いがいないような場面でも、すぐに周りと溶け込んでコミュニケーションを取ったり、積極的にお昼ご飯に誘ったり。自分からアクションを起こす人、そしてそれが好意的に受け入れられている人に使われる傾向があります。
フランク
「フランク」は、英語の“frank”を由来とするカタカナ語です。率直であったり、気取ったところがない様子を意味します。こちらも基本的にポジティブな意味で使われることが多いでしょう。
フレンドリー
「フレンドリー」は、英語の“friendly”を由来とするカタカナ語です。よく耳にする言葉の一つですね。親しみやすい様子を意味します。こちらも基本的にポジティブな意味で使われることが多いでしょう。
不躾(ぶしつけ)
「不躾」は無作法で、礼を欠くことを意味します。ネガティブな意味を強調したい場合は、「不躾」と言い換えるといいでしょう。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「馴れ馴れしい」人の特徴とは?
続いて、「馴れ馴れしい」人の具体的な特徴について紹介します。厄介な「馴れ馴れしい」人になっていないか、自分の言動を振り返るきっかけにもしてみてください。

パーソナルスペースを考慮しない
「パーソナルスペース」という言葉を聞いたことはありますか? 「パーソナルスペース」とは、「個人が心理的に安心を感じる他者との距離感」のこと。この「パーソナルスペース」に他者が入ってくると、不快な気持ちになるといわれています。
「パーソナルスペース」は、お互いの関係性によって大きさが変わります。この「パーソナルスペース」を考えずにコミュニケーションを図ろうとすると、「馴れ馴れしい」と不快感を与えてしまう恐れがあるでしょう。現時点でどこまで近づいてもいいのか、相手の様子から判断することが大切ですね。
ボディタッチが多い
ボディタッチは、「馴れ馴れしい」と思われがち。「パーソナルスペース」と同じで、大して親しくもないのに物理的に距離が近くなったら「ちょっと…」と困る人も多いのではないでしょうか。
会話のキャッチボールができない
馴れ馴れしい人は、相手との距離感を測ることが苦手な傾向があります。その結果、自分の話ばかりしてしまったり、反対に質問攻めにしてしまったりと、会話のキャッチボールができていない場合が多いでしょう。
参考:『有斐閣 現代心理学辞典』(有斐閣)
「馴れ馴れしい」人への適切な対処法を紹介
馴れ馴れしい人は、こちらが距離を取ろうとしても気付かずにいたりします。パーソナルスペースを侵害されたり、過度なボディタッチをされないためにはどうしたらいいのでしょうか? ここでは馴れ馴れしい人への対処法を紹介します。

話を広げない
馴れ馴れしい人とは、そっと距離を置くのがいちばん。しかし、なかなか難しいことでもあります。そんな場合は、自分から話を広げないように心がけましょう。
自分のことについて必要以上に情報を語らなかったり、相手に質問を重ねたりしないようにすることで、会話が長引きにくくなります。結果として、適度な距離を保ちやすくなるでしょう。
距離のある話し方を心がける
馴れ馴れしい人は、急にため口になったり、呼び捨てで呼んできたりすることがあります。そんな場合に、こちらも相手に合わせた話し方をしてしまうと、「距離の近さを受け入れてもらえた」と相手が受け取って、言動がエスカレートすることもあります。
相手が距離を詰めてきたなと感じても、ペースを崩さずに敬語や「苗字+さん」付けを続けるなど、距離のある話し方を心がけましょう。相手に合わせて砕けず、こちらの基準を保つと線引きが伝わりやすくなります。
「馴れ馴れしい」に関するFAQ
ここでは、「馴れ馴れしい」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「馴れ馴れしい」は必ず悪い意味ですか?
A. 「非常に親しい様子」と「ぶしつけで遠慮がない様子」の両方の意味があります。ただし、日常では後者のネガティブな意味で使われることが多いでしょう。
Q2. 「馴れる」と「慣れる」はどう使い分ければいい?
A. 目安は「相手との距離感」なら「馴れる」、「経験や環境への順応」なら「慣れる」です。ただし用法が重なる場面もあるため、前後の文脈から自然なほうを選びましょう。
Q3. 馴れ馴れしい人にはどう対処するのが現実的?
A. 自分の情報を出しすぎず、会話を短く区切ることを心がけましょう。
最後に
「フレンドリー」ではいたいけれど、「馴れ馴れしい」人にはなりたくないもの。相手の気持ちや様子をよく考えながら、思いやりのある言動を心がけていきたいですね。
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