「馴れ馴れしい」とは?
皆さんの周りには、気軽に接してくれる人がいるでしょうか。特に自分が積極的に話しかけられない性格だったり、引っ込み思案だったりすると、気軽に接してもらえるのはありがたい気持ちもありますよね。
しかし一方で、「過度に干渉してきて嫌だなあ」と思う人も少なくないかもしれません。そんな相手に対して、「馴れ馴れしい」ということがあります。本記事では、「馴れ馴れしい」の言い換え表現や、「馴れ馴れしい」人の特徴、そしてそんな相手への適切な対処の仕方について紹介します。
「馴れ馴れしい」の意味
まずは、「馴れ馴れしい」の意味から確認していきましょう。「馴れ馴れしい」は「なれなれしい」と読みます。意味は、「非常に親しい様子」や「過度に親しく接しようとしてぶしつけな様子」です。
「なれ」という言葉にはいくつかの漢字が当てはまりますが、皆さんはどの漢字が思い浮かぶでしょうか。多くの人は「慣れ」を想像するかもしれませんね。「馴れ」と「慣れ」は、よく混同されてしまいます。しかし、厳密には意味に違いがあるようです。
「馴れる」と「慣れる」の違いとは?
「馴れる」は、もともと「動物が人になつく」という意味で用いられていたのだとか。したがって、「心理的な距離が近くなる」「馴染んでくる」というニュアンスで用いられることが多いです。
一方の「慣れる」はどうでしょう。「慣れる」は、「経験を重ねて馴染んでくる」「習熟する」というニュアンスになります。つまり、「馴れる」は人に対して、「慣れる」は経験に対して用いられるという違いがあるのです。
「馴れ馴れしい」の言い換え表現を紹介
「馴れ馴れしい」という表現は、相手の行き過ぎたコミュニケーションを直接的にさす表現です。そのため、本人を前に「馴れ馴れしいよ」などと言ってしまうと、傷つけてしまうでしょう。他にはどんな表現ができるでしょうか。似たニュアンスの表現を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:人懐っこい
「人懐っこい」は、「ひとなつっこい」と読みます。「馴れ馴れしい」はネガティブなイメージが強いですが、「人懐っこい」はポジティブなイメージで使われることが多いです。
例えば、新しい部署に配属されて知り合いがいないような場面でも、すぐに周りと溶け込んでコミュニケーションを取ったり、積極的にお昼ご飯に誘ったり。自分からアクションを起こす人、そしてそれが好意的に受け入れられている人に使われる傾向があります。
2:フランクな
「フランクな」という表現を知っていますか? 「フランク」は、「frank」と英語では表記します。直訳すると、「率直な」とか「態度が素直である」といったニュアンスです。
カタカナ英語では、「フランクな人だ」「フランクな話し方でいこう」などと使うことが多いでしょう。この場合でも、「気さくな性格な人だ」「本心を隠さず、思ったことを話そう」というようなニュアンスで受け取ることができます。
基本的には上記のように、ネガティブなイメージは含まれません。しかし、場合によっては「ずけずけと遠慮のない」という皮肉として使われることも。そのため、使う際も使われた際も注意しなければならない表現といえるでしょう。
3:フレンドリー
「フレンドリー」は、よく耳にする言葉の一つなのではないでしょうか。「あの人はフレンドリーな性格で親しみやすい」などと使われたりしますね。先に紹介した「人懐っこい」と似たニュアンスで用いることができます。
ちなみに、「フレンドリー」は英語で表記すると「friendly」。意味は、「親しみやすく、好意的であるさま」という意味です。「彼女は、フレンドリーな性格だったので、あらゆる困難も仲間と協力して解決することができた」というように使うことができます。
「馴れ馴れしい」人の特徴とは?
続いて、「馴れ馴れしい」人の具体的な特徴について紹介します。厄介な「馴れ馴れしい」人になっていないか、ぜひ自分の言動を振り返るきっかけにしてみてくださいね。
1:パーソナルスペースを考えていない
「パーソナルスペース」という言葉を聞いたことはありますか? 「パーソナルスペース」とは、「個人が心理的に安心を感じる他者との距離感」のこと。この「パーソナルスペース」に他者が入ってくると、不快な気持ちになります。
「パーソナルスペース」は、お互いの関係性や人によって変わってくるため、見極めることが難しいです。この「パーソナルスペース」を考えずにコミュニケーションを図ろうとすると、「馴れ馴れしい」と不快感を与えてしまう恐れがあります。どこまで深い話をしていいのかなど、相手の様子から判断することが大切ですね。
2:ボディタッチが多い
ボディタッチは、「馴れ馴れしい」と思われがち。「パーソナルスペース」と同じで、大して親しくもないのに物理的に距離が近くなったら「ちょっと…」と困る人も多いのではないでしょうか。
3:会話のキャッチボールができない
「馴れ馴れしい」人は、相手との距離感を測ることが苦手な傾向があります。その結果、自分の話ばかりしてしまったり、反対に質問攻めにしてしまったりと、会話のキャッチボールができていない場合が多いです。
「馴れ馴れしい」人への適切な対処法を紹介
「馴れ馴れしい」人は、こちらが距離を取ろうとしても気付けずにいることが多いです。「パーソナルスペース」を侵害されたり、過度なボディタッチをされたりしないためにはどうしたらよいのでしょうか。最後に「馴れ馴れしい」人への対処法を紹介します。
1:話を広げない
「馴れ馴れしい」人とは、そっと距離を置くのがいちばん。しかし、なかなか難しいことでもあります。そんな場合は、自分から話を広げないように心がけましょう。自分のことについて情報を語らなかったり、相手に質問したりしないようにすることで、相手も話すことがなくなって去っていってくれるのではないでしょうか。
2:距離のある話し方を心がける
「馴れ馴れしい」人は、急にため口になったり、呼び捨てで呼んできたりすることがあります。そんな場合に、こちらも相手に合わせた話し方をしてしまうと、受け入れてもらえたと相手が勘違いして、さらに言動がエスカレートすることも。
相手が距離を詰めてきたなと感じても、ペースを崩さずに敬語や「さん」付けを続けるなど、距離のある話し方を心がけましょう。そうすることで、何となく相手も察して距離を保ってくれるのではないでしょうか。
最後に
「馴れ馴れしい」とは、「過度に親しく接しようとしてぶしつけな様子」をさす言葉。良い意味で使われることは少ないです。
「フレンドリー」ではいたいけれど、「馴れ馴れしい」人にはなりたくないもの。相手の気持ちや様子を良く考えながら、思いやりのある言動を心がけていきたいですね。
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