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2022.09.22

発酵食品によるメリット。免疫力アップには「食べ続ける」ことが大事なワケ

何となく感じる、お腹の不調。そんなときは、発酵食品の出番です。ところが、いざ食べてみても、期待するような効果が得られない…。もしかしたら、その原因は、“食べ方”にあるのかもしれません。そこで今回は、発酵食品の効果的な食べ方や、食べ続けることでのメリットについて発酵食品ソムリエが紹介します。

「発酵食品」を食べ続けることでのメリット

何だか最近、便秘や下痢をしやすい、消化不良を起こしている気がする、便が悪臭を放つようになった。

このようなお悩みを抱えている方は、いませんか? もしかしたらそれ…、“腸内フローラ”が崩れているからかもしれません。

お腹が痛い女性
(c)Adobe Stock

腸内フローラって?

腸内フローラというのは、「腸にひろがるお花畑」のこと。と、言われても、イマイチよくわかりませんよね。

これは、私たちの腸内に生息するさまざまな微生物群(腸内細菌叢/ちょうないさいきんそう)を顕微鏡で見たとき、腸の表面に集落を形成して存在しているようすが、まるでお花畑のように見えることから“腸内フローラ”と呼ばれるようになったのだといいます。

ちなみにその腸内細菌の数は、回腸(小腸の一部)~大腸の内側に… なんと約数100兆個も。総重量は約1.5~2kg。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌(※)の3つに大きく分類されるそれらの細菌が、食べ物の消化や栄養の吸収を助けたり、免疫力を高めて病気から守ってくれたりすることで、私たちの健康を維持してくれているのです。

※善玉菌(体にいい働きをする菌)、悪玉菌(体に悪い働きをする菌)、日和見菌(善玉菌・悪玉菌のどちらにも属さない菌)

では、腸内フローラを整えて、日々を健康に過ごすためにはどうしたらいいのでしょうか?

その方法のひとつが、現代人とは切っても切れない関係にあるストレス・疲れを解消して自律神経の乱れを整えること。…なのですが、これは、そう簡単なことではないでしょう。

それなら、毎日の食事に気をつけてみるのもいいかもしれません。特に、善玉菌を含む発酵食品を食べ続けると、細菌を良好な状態に保ち、腸内フローラを整える効果に期待できるというメリットがあります。

腸内フローラを整える発酵食品の働き

腸内フローラのイラスト
(c)Adobe Stock

ところで、腸内には、善玉菌が多ければ多いほどいいと思っていませんか? 一方で、悪玉菌は、存在しないほうがいいと思われがち。なのですが、悪玉菌は、善玉菌だけでは歯が立たない病原菌を撃退してくれることもあるため、一定数の割合で必要とされています。

その割合はというと、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」。これが、理想的な腸内の細菌バランスだといわれています。

しかし、年齢やストレス、抗生物質などの薬の服用によって、細菌バランスは崩れがち。加えて、腸に入ってくる食べ物の影響を受けて、そのバランスは刻々と変化しています。

たとえば、肉や魚、卵、乳製品などに含まれる動物性タンパク質、脂質の多い食事に偏ると、悪玉菌が増加。下痢や便秘、アレルギー、肌荒れなどを引き起こす原因に…。

このように、悪玉菌優勢に傾きがちな腸内細菌のバランスを立て直すのに役立ってくれるのが、善玉菌を含む“発酵食品”なのです。

例をあげると、納豆には納豆菌、ぬか漬けには乳酸菌や酵母、ヨーグルトにはさまざまな乳酸菌が含まれていますよね。腸内環境を改善してくれるこれらの善玉菌を含むもの(プロバイオティクス)を継続的に食べることで、腸内フローラを整える効果に期待できるのです。

また、全身の免疫細胞のうち約60~70%が腸壁に集中しているため、腸は免疫力の最重要拠点だということもできます。腸内環境を正常に保つことは、免疫細胞を万全な状態で働かせるための大事なポイントにもなるでしょう。

発酵食品は「食べ続ける」ことに意味がある!

食事を取るイメージ
(c)Adobe Stock

腸内環境を正常に保つためにも、積極的に取り入れたい発酵食品。

ですが、「数日おきに」「ふと意識が向いたときに」という食べ方だと、期待するような効果を得にくいかもしれません。というのも、食品を通してせっかく腸内に入ってきた菌の多くも、数日で便として排出されてしまうから。善玉菌を含む発酵食品は、“食べ続ける”ことが腸内環境改善への近道なのです。

しかし、発酵食品を食べる習慣がない方にとっては、「いきなりハードルが高い…」とますます敬遠してしまうかもしれません。そんなときは、次のような取り入れ方を参考にしてみてください。

発酵食品を習慣にするには…

・コンビニエンスストアでも購入できる発酵食品を頭の中に入れておき、食事にプラスする(例:納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルト、味噌汁など)
・飲み物から、気軽に取り入れてみる(例:甘酒、ヨーグルトドリンク、味噌汁など)
・朝はヨーグルトを食べる、夜は納豆を食べるなど、決まった時間に発酵食品を食べる習慣をつける

発酵食品は、毎日、数種類を少しずつ取るのが理想的。複数の菌を取り入れることで、それぞれの活動性が増すといわれているためです。ただし、食事はあくまでもバランスよく!が鉄則。発酵食品ばかりに偏ることなく、無理のない範囲で取り入れてみてください。

なかには、塩分が多い発酵食品もあるので、カリウムを含む食材と一緒に食べたりして、むくみなどのデメリットを回避する工夫をするのもいいでしょう。

納豆やキムチ、食べるときはここに注意!

最後に…。

発酵食品のなかでも、食膳に上ることが多い納豆とキムチにフォーカス。より美味しく、効果的に食べるためのポイントをお伝えしていきます。

器に盛りつけられた納豆
(c)Adobe Stock

まずは、大豆を納豆菌で発酵させた納豆。

納豆菌は、高温、低温、乾燥などに耐えられる強い生命力を持つ菌。それだけでなく、酸にも強いため、胃酸によって死滅することなく腸まで届く非常にたくましい菌でもあります。

そんな納豆をより美味しく食べるためのポイントは、“よく混ぜる”こと。そうすることで、うま味成分の一種・ポリグルタミン酸からグルタミン酸が遊離して、うま味がグッと増します。

器に盛りつけられたキムチ
(c)Adobe Stock

続いては、韓国の発酵漬物・キムチ。

キムチは、白菜や大根、きゅうりなどの野菜を、塩、唐辛子、ニンニク、魚介類の塩辛などで漬け込んだものなのですが、日本で製造・販売されているものの多くは、キムチ風味の調味液で野菜をあえた無発酵漬物であることがほとんど。

発酵食品としてキムチを取り入れる場合は、“キムチくんマーク”と呼ばれるイラストが記されたものや、“発酵”と記載されたものを選ぶといいでしょう。

納豆もキムチも、身近な発酵食品です。

食べるときや購入するときの参考にしてみてくださいね。

ヨガインストラクター/発酵食品ソムリエ 高木沙織

「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。

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