「少々お待ちください」に関する基礎知識
少しの間相手に待っていてもらいたい場合に、「少々お待ちください」という言葉をよく使います。ほかにも「少しお待ちください」と表現する場合がありますが、これらの言葉の意味は同じです。
はじめに、少々お待ちくださいの意味、少々と少しの違いと共通点、どれほどの時間待たせる場合に使う言葉なのか、敬語として間違いだといわれる場合があるのはなぜなのかなどをチェックしていきましょう。
少々お待ちくださいの意味
少々お待ちくださいとは、「今すぐに対応するため少し待っていてほしい」という意味で使う言葉です。即座に対応するものの、少し時間が必要なため相手に待ってもらう必要があるときに、「確認いたしますので少々お待ちください」などと使います。顧客への対応をしているときやビジネスメールを送るときなどによく使用される言葉です。
少々と少しの違いと共通点
少々お待ちくださいではなく、少しお待ちくださいと伝える場合もあります。先述のとおり、少々でも少しでもどちらも同じ意味で使うものです。両方とも基本的に数量を表現する言葉で、「お待ちください」とあわせて使う場合には時間を数量として捉えて使用しています。また、近年では程度を表す場合にも使われています。
「少々」はもともと名詞として使われていたため、副詞として使用する「少し」のほうが文章として正しいという考え方もあるようです。ただし、最近は少々も副詞としての使用を認められているため、どちらを使ってもいいと考えられるでしょう。
少々お待ちくださいはどれほどの時間?
ビジネスシーンでよく使われている少々お待ちくださいという言葉ですが、実際に少々とはどれほどの時間なのでしょうか。厳格に規定されているわけではありませんが、少々お待ちくださいといった場合には短い時間だけ待つイメージの言葉です。
時間の長さとして少々を使う場合には、一般的には数秒間から数分間程度をイメージします。長く待たせる場合には違った表現をしたり、途中で再度「もうしばらくお待ちください」と声をかけたりなど、対応に気を付けるようにしましょう。
少々お待ちくださいは敬語として間違い?
意味などをご紹介しましたが、そもそもこの言葉は敬語として間違いではないかと感じる人もいます。それは、先述した名詞と副詞の関係や、相手に待つことを命令しているように聞こえてしまうという2つの理由からきているようです。
「お待ちください」を使うと、言い回しは丁寧ですが相手に指示することになるため、目上の人には失礼だという考え方があります。一般的に浸透している言葉で、気にしすぎる必要はありませんが、そう感じる人もいることは理解しておきましょう。
メールなど、少々お待ちくださいの使い方
少々お待ちくださいをどのように使うのか、実際に例文を確認しながら使い方をチェックしていきます。メールなどで使える少々お待ちくださいの例文は以下のとおりです。
・登録いたしますので少々お待ちください。
・お問い合わせありがとうございます。確認いたしますので、少々お待ちくださいませ。
このように、少しだけ待たせる時間ができてしまう場合に使います。ちなみに、少々よりももう少し長く待たせてしまうことになる場合には、「今しばらくお待ちください」を使うといいでしょう。
少々お待ちくださいの言い換え表現
最後に、少々お待ちくださいの言い換え表現を解説します。
少々お待ちくださいは正しい表現ではあるものの、先述したように名詞と副詞の関係や、相手に待つことを命令しているように聞こえてしまうという2つの理由から、あまり好ましくないと感じる人がいます。気になる場合や命令しているように聞こえるとよくないような相手に伝えたい場合には、言い換え表現を使うといいでしょう。
「お待ちください」を使った表現
お待ちくださいを使った表現で言い換えをする例は、以下のとおりです。
・今しばらくお待ちください。
・少しお待ちください。
・もう少々お待ちくださいませ。
・しばしお待ちください。
たとえばネットなどで商品を購入した場合には、「商品の到着まで今しばらくお待ちくださいませ」などと書かれています。この場合は数日ほど時間があくことを意味して使っており、言葉の変化や使うタイミングによって待ってもらう時間の長さが異なるため注意が必要です。
「お待ちください」を使わない表現
クライアントや目上の人相手に伝えたい場合など、「お待ちください」を使わない表現にしたいと感じるケースがあります。そのような場合には、以下の表現がおすすめです。
・お時間を頂戴したく存じます
・お時間をいただければ幸いに存じます
・お待ちいただけますか
・お待ちいただければ幸いです
このような表現を時と場合にあわせて使い分けられるようになりましょう。
少々お待ちくださいの意味などを理解しよう
少々お待ちくださいとは、少しの間相手に待っていてもらいたい場合によく使う言葉です。即座に対応するものの、少し時間が必要なため相手に待ってもらう必要があるときに、「確認いたしますので少々お待ちください」などと使います。
少々に込められている時間は厳格に規定されているわけではありませんが、少々お待ちくださいといった場合には数分などの短い時間だけ待つイメージの言葉です。もう少し長い時間が必要なケースでは、今しばらくお待ちくださいなどと伝えましょう。
この言葉は、そもそも間違いではないかという考え方もあります。その理由は、名詞と副詞の関係や、相手に待つことを命令しているように聞こえてしまうという2つです。一般的に浸透しており、それほど気にしすぎる必要はありませんが、そう感じる人もいることは理解しておきましょう。
意味や感じ方、言い換え表現などを理解し、時と場合にあわせて使い分けられるようになりたいですね。
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