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生理のむくみがひどい…
生理前や生理中に体や顔のむくみがひどくなり、靴がきつく感じたり顔がパンパンになったりしませんか? むくみが起きると見た目にもわかるため、女性はやっぱり気になるもの。そもそも生理によるむくみはなぜ起きて、どのくらい続いていくものなのでしょうか?
生理のむくみはなぜ起こる?
「生理のむくみ」と一言でいっても、生理前に起きるむくみと、生理中、生理後など、それぞれのシーンによってその理由は変わってきます。
生理前のむくみの原因
まず生理前のむくみについて。女性は生理前になると、イライラしたり不安感を覚えたり、胸が張ったり体がダルく感じたり、さまざまな心と体の変化を感じることがあります。
これらはPMS(月経前症候群)と呼ばれるもの。生理には、女性ホルモンの「プロゲステロン」と「エストロゲン」が関係しているのですが、「プロゲステロン」は体内に水分を蓄える作用があるため、むくみを引き起こしやすくなるのです。
詳しくは以下の記事を参考にしてくださいね。
関連記事:生理前のむくみが気になる… 原因は? 解消方法6選とおすすめマッサージ4選
生理中のむくみの原因
プロゲステロンは、受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態に整える働きがあるホルモンで、排卵直後から分泌量が一気に増加し、妊娠の準備に備え、さらに妊娠を継続するように働いていきます。
しかし、妊娠が成立しないとプロゲステロンの分泌量が減少して次の生理が来ます。そのため、生理前に起きたむくみも、生理が始まると少しずつ落ち着いていくのが一般的。
生理中もむくみが起きている場合は、自律神経の乱れが原因であることも考えられます。
生理終わりかけのむくみの原因
生理が終わればむくみは解消していくことが多いもの。生理の終わりかけでもむくみがあるなら、それは生理中の運動量やメンタル面での変化が関係している可能性も。
例えば、生理痛によって普段より運動量が減ったり、生理前や生理中に起きたイライラなどによって、それが継続しむくみに繋がっていることも考えられます。
生理後の原因
生理が終わり排卵期になると、体は再び妊娠に備えてプロゲステロンの分泌量が急増。体は水分や栄養分をためこむようになり、むくみが生じやすく、しかも体重が増えやすくなります。
これはプロゲステロンの影響であり、その副作用としてむくみが生じているのです。
生理のむくみはいつまで続く?
体や顔のむくみは外見からわかることなので、気になってしまいますよね。そんな生理のむくみは、いつからいつまで、どのくらい続くのでしょうか。
先にご紹介したとおり、生理のむくみは、プロゲステロンが活性化している時期に関係します。プロゲステロンの分泌が増えるのは、排卵時から次の生理開始日前後まで。排卵は生理が始まる約2週間前なので、「むくみが起きやすい期間は、生理2週間前から生理2日目前後まで」といえるでしょう。
生理のむくみと体重の関係
女性としてはむくみも気になるものですが、生理のサイクルとあわせて体重も変化していくことをご存知ですか? そのような体重の変化に、生理のむくみも繋がりがあるんです。
生理前の体重
先にご紹介したとおり、生理前の体は赤ちゃんを迎える準備を行い、さらにその妊娠を継続しやすいように、プロゲステロンが多く分泌されます。
プロゲステロンは妊娠と出産に向けて体を整えていく働きがあるため、新陳代謝が低下。それにともなって、体重が増加しやすく、さらに体には水分がたまりやすくなりむくみが生じていくのです。
生理前はダイエットに向かない、ダイエットの効果が出にくいと言われるのは、そんな理由があるから。PMSに「甘いものが食べたくなる」「食欲が増す」といった症状があるのも、プロゲステロンの作用に関連しています。
生理中の体重
生理が始まっても、体重は落ちにくいのが一般的。生理前のむくみが続き、しかも生理痛のような不調によって、普段のように運動できないといったライフスタイルの変化が影響していることが考えられます。
生理中は憂鬱になったり気分がのらなかったり、メンタル面でも万全とは言えませんから、体重の増減を気にしすぎないことが一番です。
生理後の体重
生理が終わっていけば、少しずつむくみが解消され、体重も元に戻りやすくなっていくものです。生理が終わってから排卵までの約2週間は、プロゲステロンの分泌がほとんどなく、むくみがなくなる期間。これまで体内にためこまれていた水分が排出され、体重も落ちやすくなります。
「ダイエットに最適なのは生理後」と言われるのは、このためです。効率よくダイエットするのなら、このような生理のサイクルと体重の変化を理解しておくといいですね。
生理のむくみ、パーツ別対策
生理によってむくんだ顔や体。マッサージやツボ、サプリ、漢方など、どんな風に対策していけばいいでしょうか?
顔
鏡で自分の顔を見たときパンパンになっていたら、メイクではごまかせないし、げんなりしてしまうもの…。そんな顔のむくみには、フェイスマッサージがおすすめです。
まず最初に、フェイスクリームやオイルをつけて、鎖骨のくぼみに4本の指を置いて、外側から中心に向かってさすっていきましょう。
次に両手の3本指を使って、口角 → 鼻 → 目の下 → 耳の下 → 鎖骨の順に指をすべらせていきます。
メイク前の数分のマッサージでも、見た目がすっきりとしてくるはずです。
目
目元が腫れぼったくなっていたら、温と冷を繰り返す温冷ケアをぜひ。
タオルを水で濡らして軽く絞り電子レンジで軽く温めて、ホットタオルを用意します。それと、冷たい水で濡らして絞った冷たいタオルを用意して、ホットタオルを目元に1~2分あてた後、冷たいタオルを1~2分あてるというように、温と冷を繰り返します。
これによって目元の血流がアップ。むくみが解消されていくでしょう。
お腹
生理前や生理中にお腹が張るなら、体の中からケアするのもいいでしょう。
むくみ解消に有効な栄養分がカリウムです。カリウムは体内の塩分を外に排出する働きがあり、それによってむくみの緩和が期待できます。
カリウムを多く含む食材としては、海藻、きのこ、イモ、大豆、バナナ、アボカド、トマトジュースなどがありますから、このような食材を積極的に摂るといいでしょう。食べ物のケアに加えて、カリウムを多く含むサプリメントを摂ってもいいですね。
さらに、漢方を利用するのもひとつの方法。生理のむくみによく使われる漢方には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などがあります。
足
太ももやふくらはぎなどの足のむくみも、気になる方は多いでしょう。パンツがいつもよりキツく感じたり、洋服を格好よく着こなせないと感じたりするかもしれません。
足のむくみケアには、ストレッチを取り入れてはどうでしょう。
自宅なら両脚の裏をあわせて床に座る「がっせきのポーズ」をとってみて。息を吐きながら上体をゆっくり前に倒し、息を吐ききったら再び上体を元に戻していきます。
また外出先では、壁などに両手をついた状態で立ち、つま先立ちを繰り返すのもGOOD。ふくらはぎ部分の筋肉を動かして血流をアップさせます。
指
手足の指のむくみに気づいたら、ツボ押しをおすすめします。例えば、「血海(けっかい)」のツボ。ひざのお皿の内側部分に薬指をおいたら、そこから指3本分上になる部分が血海です。
血行をよくするツボで、生理痛を緩和する効果もあります。
生理のむくみと上手に付き合っていこう
女性の体には毎月生理がやってくるし、それにともなってむくみが起きるのは自然なこと。
でもむくみによって憂鬱な気分になってはいけないので、むくみがいつ起きやすいのか、むくみが起きたときにどう対処すればいいのか、自分で把握しておくことが大切です。
自分にあったむくみケアを見つけて、生理のむくみを上手に乗り越えていけたらいいですね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
監修者:直レディースクリニック 院長 竹村直也先生
医学博士、産婦人科専門医、母体保護法指定医。2000年神戸大学医学部卒業、2008年神戸大学医学部大学院修了。兵庫県立こども病院、日高医療センター勤務の後、神戸大学病院産科婦人科助教。淀川キリスト教病院産科婦人科部長、竹村婦人科クリニック勤務の後、2020年5月「直レディースクリニック」開業。
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