【目次】
・ツツジの特徴
・ツツジの花言葉を色別に紹介
・ツツジの英語での花言葉は?
・ツツジに怖い花言葉はある?
・ツツジの名前の由来は?
・ツツジの種類
・ツツジに毒はある?
・最後に
ツツジの特徴
「ツツジ」は、日本や中国など東アジアを原産とするツツジ科の植物です。「ツツジ」といえば、桜の開花が終わった4〜5月ごろに鮮やかに咲き誇る姿が印象的ですよね。
庭木や街路樹として馴染みのある「ツツジ」ですが、『出雲国風土記』や『万葉集』にも「ツツジ」に関する記述があったとされ、昔から日本人に親しまれてきました。現在でも、東京都の「根津神社」や、群馬県の「つつじが岡公園」、京都府の「三室戸寺」など、各所に「ツツジ」の名所があります。
花は、冠が5つに裂けた形で、街でよく見られるのは株状ですが、背丈を伸ばし、小高木になるものもあります。
また、「ツツジ」の花で特徴的なのが、上の花びらのみに斑点があること。これを蜜標と呼びます。蜜標は、昆虫に花粉を運んでもらうために、蜜があることを知らせるマークのこと。なお、蜜が溜まっているのは、この蜜標がある花びらの奥のみのようです。今度、「ツツジ」を見かけたら、この蜜標を探してみてくださいね。
ツツジの花言葉を色別に紹介
まずは、「ツツジ」全般に当てはまる花言葉をチェックしましょう。「慎み」や「節度」、「節制」、「自制心」、「努力」、「訓練」などが主な花言葉です。群生して咲くようすは華やかですが、どこかおしとやかな印象のある「ツツジ」なので、「慎み」などの花言葉はぴったりですね。「ツツジ」といえば、ピンクの色の花を思い浮かべますが、白や赤っぽいものもあります。次に、「ツツジ」の色別の花言葉を見ていきましょう。
白のツツジの花言葉
白のイメージといえば、純粋無垢や清らかさなどではないでしょうか? 白い「ツツジ」の花言葉はそのイメージ通り、「初恋」です。甘酸っぱい初恋を思い出させてくれるような花言葉ですね。
ピンクのツツジの花言葉
ピンクの「ツツジ」の花言葉は、「愛の喜び」です。愛する喜びに満ち溢れた気持ちが伝わってくるようですね。
赤のツツジの花言葉
赤色の「ツツジ」の花言葉は、「燃え上がる想い」や「恋の喜び」。情熱的なイメージの赤に合った花言葉ですね。
紫のツツジの花言葉
紫色の「ツツジ」の花言葉は、「美しい人」。紫は気品や上品といった印象なので、この花言葉がつけられたのでしょう。
ツツジの英語での花言葉は?
「ツツジ」は英語で、「Azalea(アザレア)」ですので、「アザレア」の花言葉を見ていきましょう。節制や禁酒を意味する「temperance」、お体を大切にという意味の「take care of yourself for me」、もろさを意味する「fragility」がそれにあたります。
ちなみに、「temperance」という花言葉がつけられたのには、「アザレア」という名前に関係が。「アザレア」はラテン語で乾燥を意味する「azaleos」がもとになっていて、これは、「アザレア」が乾燥した土地を好むためつけられました。
この「乾燥」が、欲のないイメージにつながったのか、「temperance(節制)」という花言葉が生まれたのです。また、英語で禁酒を「dry(乾燥)」と表現します。そのため、「アザレア」にも「禁酒」という花言葉がつけられたのだそうです。
ツツジに怖い花言葉はある?
怖い花言葉を持つ花も多いですが、「ツツジ」に怖い花言葉はありません。「禁酒」など少し変わった花言葉があるので、プレゼントする時には多少の配慮が必要ですが、基本的には誰に渡しても問題ないでしょう。
ツツジの名前の由来は?
「ツツジ」という名前の由来を知っていますか? 「ツツジ」は、花が筒のような形をしているため、その名前がつけられたそうです。そのほか、次々に花を咲かせるようすから、「続き」がもとになっているという説もあります。
なお、「ツツジ」は漢字が難しく、「躑蠋」と書きます。「躑蠋」は「てきちょく」と読むことができ、この場合は「足踏みして進まないこと」という意味に。「ツツジ」が美しく咲くようすに思わず足を止めて見惚れてしまうため、この漢字が当てられたとされます。そのほか、「ツツジ」には毒を持つ品種があるため、羊が「ツツジ」を食べると躑蠋して動けなくなってしまうからという説もあるようです。
ツツジの種類
「ツツジ」の品種改良の歴史は古く、江戸時代から行われてきたのだとか。そのため現在多くの品種があり、さまざまな色や形のものがあります。ここでは、代表的な品種を見ていきましょう。ちなみに、「ツツジ」はツツジ科に属する植物の総称でもあるので、同じツツジ科の「サツキ」や「シャクナゲ」も「ツツジ」の仲間なんですよ。
オオムラサキツツジ
長崎県の平戸で品種改良されてきた「ヒラドツツジ」系の一種。赤紫色で、直径10cmほどの大輪の花を咲かせるのが特徴で、その大きさは「ツツジ」のなかで一番といわれています。一般的に「ツツジ」といえば、この「オオムラサキツツジ」のことをさすようです。
ヤマツツジ
北海道から九州までの、山野で見られる代表的な品種が「ヤマツツジ」。朱赤色の花を咲かせます。「ツツジ」のなかでも背丈が高いのが特徴です。
キリシマツツジ
江戸時代、鹿児島県霧島山に自生していた「キリシマツツジ」。当時には見られなかった真っ赤な色や、関東でも育ちやすい特性を持っていることから、江戸で人気を博した品種です。その後、この「キリシマツツジ」をもとにした品種が多く生まれました。
クルメツツジ
「クルメツツジ」は江戸時代に、九州の久留米藩が品種改良してつくった品種。赤や白、ピンクなどの明るい色の花を咲かせます。花は小ぶりですが、花付きがよく、株を覆うように一斉に咲くので、見応えは十分です。
リュウキュウツツジ
別名「白琉球」とも呼ばれる品種で、真っ白な花を咲かせます。こちらも江戸時代から栽培されてきました。琉球(沖縄)を介して広まったとされることが名前の由来だそうですが、はっきりとしたことはわかっていないようです。
モチツツジ
葉っぱや茎を触るとネバネバしているため、餅やとりもち(鳥や昆虫を捕獲するための粘着状のもの)にたとえて、「モチツツジ」という名前がつけられました。本州の静岡県や山梨県〜岡山県と、四国で見られる品種で、薄紫色の花を咲かせます。
ツツジに毒はある?
小さな頃に、「ツツジ」の蜜を吸ったことがあるという方も多いのではないでしょうか? しかし「ツツジ」には、毒を持つ品種があるので注意が必要です。それは、「レンゲツツジ」というもの。北海道の南部から九州の高原などに自生し、赤や黄色の花を咲かせます。
「レンゲツツジ」に含まれる「グラヤノトキシン」、「ロドジャポニン」という成分が、嘔吐や痙攣などを引き起こし、最悪の場合、呼吸停止になってしまうことも。どれが「レンゲツツジ」なのか見分けることは難しいので、子どもには「ツツジ」の蜜を吸う遊びはさせないようにしましょう。
最後に
4〜5月頃になると、全国で「ツツジ祭り」が開催され、赤やピンク、白などの鮮やかな花で私たちを楽しませてくれる「ツツジ」。一斉に咲き誇るようすは華やかですが、どこか日本らしい奥ゆかしさを感じさせるので、「慎み」などの花言葉がつけられているのは納得でしたね。今度「ツツジ」を見かけた時には、花言葉を思い出してみるのはもちろん、蜜標などを観察してみるのも面白いかもしれません。
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