【目次】
・そもそも「ココナッツオイル」とは?
・ココナッツオイルに期待できる効果効能
・ココナッツオイルのおすすめの使い方
・ココナッツオイルの美味しい食べ方レシピ
・ココナッツオイルを摂取・使用する上での注意点
そもそも「ココナッツオイル」とは?
ココヤシの実のオイル部分をろ過した油
ココナッツオイルとは一般的に、ココヤシの実である白い果肉の部分を削り、絞ったり煮たりしてオイル部分だけを抽出、ろ過した油のことをいいます。
植物油には珍しく「飽和脂肪酸」を多く含むオイルで、さまざまな効果が期待されています。
ココナッツオイルは2つの種類がある
ココナッツオイルには大きく分けて2つの種類があります。
ヴァージンココナッツオイル
ヴァージンココナッツオイルとは、生のココナッツから化学溶剤を使用せずに、オイルだけを抽出したもの。
栄養価が高く、ココナッツの香りや風味がしっかり残っているのが特徴。ココナッツオイル本来の効果を実感したい人にはこのヴァージンココナッツオイルがおすすめ。
RBD(精製)ココナッツオイル
RBDココナッツオイルは、化学処理されたココナッツオイルのこと。
“RBD”とは、英語でRefined(精製)、Bleached(漂白)、Deodorized(消臭)を意味しています。
RBDは、ココナッツの香りが薄いため、さまざまな料理に合うのが特徴なのだとか。また、ほとんどの不純物が取り除かれているため、スキンケア用で使いたい人にもおすすめです。
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸を多く含んでいる
ココナッツオイルには「中鎖脂肪酸」が多く含まれています。
ココナッツ製品・ココナッツオイルを専門に扱うココウェルが運営するカフェ「ココウェルカフェ」の松原陽子さんによると、「ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、代謝が早くエネルギーになりやすい」のだそう。
「ココナッツオイルにはラウリン酸をはじめ、天然の中鎖脂肪酸が豊富に含まれています。中鎖脂肪酸は体内で燃焼しやすく、消化吸収が早く脂肪になりにくい優れた脂肪酸で、一般的な植物油に含まれる長鎖脂肪酸と比較して消化吸収は4倍、代謝は10倍のスピードで分解・燃焼されます」(ココウェルカフェ・松原さん)
トランス脂肪酸はゼロ
松原さんによると、「ココナッツオイルはトランス脂肪酸は全く含んでいない」といいます。
「血中の悪玉コレステロールを上昇させ、動脈硬化や心臓疾患の等のリスクがあると言われるトランス脂肪酸(TFA)も全く含んでいません」(ココウェルカフェ・松原さん)
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ココナッツオイルに期待できる効果効能
ダイエット効果
ココナッツオイルは、ダイエットにおすすめのオイルだといわれています。
ココナッツオイルに含まれている飽和脂肪酸の一種である「中鎖脂肪酸」は、すぐにエネルギーとなり、身体に蓄積しにくい性質があるのだそう。そのため、“糖質オフダイエット”のブドウ糖に代わるエネルギー補給にも最適なのです。
また、中鎖脂肪酸には「ケトン体」を多く作り出す効果があり、ケトン体が増えると代謝が上がり脂肪が燃焼されやすくなるため、ダイエット効果が期待できます。
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美肌・美髪効果
ココナッツオイルには抗酸化作用があるため、シワやシミ、毛穴の改善など、美肌効果が期待できるといわれています。肌への吸収率が高いため、保湿効果の他、アトピーや皮膚炎、ニキビなど肌トラブルの改善にも効果的。
さらにココナッツオイルに含まれるビタミンやカリウム、ミネラルなどの成分は、髪に栄養を与えるといわれています。髪のパサつきやダメージが気になる人にもおすすめです。
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免疫力アップ
ココナッツオイルには、免疫力・抗菌力を高めてくれる「ラウリン酸」が含まれています。
ラウリン酸は母乳にも含まれ、外的環境に弱い赤ちゃんの身体を守る役割も。大人が摂取した場合でも効果が期待でき、風邪や感染症などの予防に役立ちます。
認知症予防や改善
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸から作り出された「ケトン体」は、代謝アップのほか、認知症の人の脳のエネルギーとして注目されている物質で、認知機能の症状の緩和が期待されています。
便秘や腸内環境の改善
ココナッツオイルには、便秘解消や腸内環境を改善する働きも期待されています。
便秘の原因のひとつとして、大腸内で作られた便を直腸へと送り出す蠕動(ぜんどう)運動が弱まってしまうことが挙げられますが、ココナッツオイルを摂取すると、この蠕動運動が促されるといわれています。
またココナッツオイルに含まれるラウリン酸には腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌の働きを活性化する働きが。それにより腸内環境も整うのだそうです。
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ココナッツオイルのおすすめの使い方
料理やお菓子、飲み物に入れる
食用のココナッツオイルは熱に強いため、加熱料理に適しています。いつもの油の代わりにお料理やお菓子に使うと◎。またコーヒーやヨーグルトなどに入れると、いつもと違った味が楽しめるともいわれています。
ココナッツオイルが冷えると固まる性質を利用し、冷たい飲み物や食べ物に入れてシャリシャリ食感を楽しむのもおすすめです。
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肌の保湿に使う
ココナッツオイルは、肌の水分量を改善してくれるので、伝統的に保湿剤として使用されていました。
また殺菌効果もあるため、ニキビの原因であるアクネ菌にも効果的。
髪のお手入れやヘアパックに使う
髪のお手入れやヘアパックとしても使用することができるココナッツオイル。傷んだ髪やドライヘアのケアにおすすめです。
髪がまとまりにくく、広がりやすい人にも愛用者多数。
ココナッツオイルの美味しい食べ方レシピ
ゴーヤの味噌漬け
おつまみとしても、ご飯のおともとしても最高なゴーヤを使った一品です。
【材料】
・ゴーヤ:1本
・塩:ゴーヤの1%
<A>
・味噌:40g
・酒:10g
・砂糖:10g
・鷹の爪:1/2本
・リキッドココナッツオイル:50g
【作り方】
1. ゴーヤは縦半分に切り、わた・種を取り除き2~3mmに切ります。塩をまぶして30分ほど置きます。
2. ボウルに[A]を混ぜ合わせます。1のゴーヤの水気を切ったら[A]と和えます。
3. 1日漬けたら出来上がりです。
糸こんにゃくのヤムウンセン風
糸こんにゃくを使ったヘルシーな一品。エスニックな味わいで暑い日にも食べやすい料理です。
【材料】
・糸こんにゃく:200g
・いか:50g
・干しエビ:大さじ1
・セロリ:1/2本
・紫玉ねぎ:1/4本
・塩:少々
・デシケイテッドココナッツロング:少々(なくてもOK)
<A>
・ナンプラー:大さじ1(12g)
・レモン汁:大さじ1(10g)
・鷹の爪:1本
・リキッドココナッツオイル:大さじ1
【作り方】
1. いかは食べやすい大きさに切り、サッと茹でます。
2. 糸こんにゃくも茹でざるにあげ、冷めたら3等分に切ります。
3. セロリ、紫玉ねぎを薄切りにします。
4. ボウルに[A]の材料を混ぜ、具材を入れて和えます。
5. 最後に塩で味を調え、ローストしたデシケイテッドココナッツ(ロング)をかけて出来上がりです。
トマトとキヌアのスープ
栄養価豊富なトマトとキヌアを使ったスープは、見た目にも鮮やかな一品です。
【材料】
・紫玉ねぎ:25g
・トマト:100g
・パプリカ(赤):25g
・エキストラヴァージンココナッツオイル:大さじ1/2
<A>
・塩:小さじ1/2
・薄口しょうゆ:小さじ1/2
・こしょう:少々
・ココナッツミルクパウダー:5g
・茹でたキヌア:15g
・デシケイテッドココナッツロング:少々(なくてもOK)
【作り方】
1. 鍋にエキストラヴァージンココナッツオイルをひきます。乱切りにした紫玉ねぎ、パプリカ、トマトを入れ、甘みを出すように炒めます。
2.[1]をミキサーにかけて、液状にこします。
3.[2]を鍋に戻し、水を加え[A]を入れます。
4. 最後に茹でたキヌアを入れ、ひと煮立ちさせます。
5. 仕上げにデシケイテッドココナッツ(ロング)をかけて出来上がりです。
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ヴィーガンバター
プラントベースのミルクで作るふわっとクリーミーなヴィーガンバターです。
【材料】
・ココナッツオイル:30g
・お好みのプラントベースのミルク(ココナッツミルクやライスミルクがおすすめ):30g
・レモン汁:小さじ1/2
・塩:ふたつまみ
【作り方】
1. ココナッツオイル、プラントベースミルク、塩をボウルに加えて混ぜます。
2. レモン汁を加え、ハンディブレンダーまたは小型のミキサーなどでかき混ぜて乳化させます。
3. 器に移し、冷蔵庫で冷やし固めたら出来上がりです。
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ベイクドチーズケーキ
プラントベースのクッキーで作るベイクドチーズケーキです。
【材料】
<クラスト>
・プラントベースのビスケット:4枚(35g)
・ココナッツオイル:20g
<チーズケーキ>
・プラントベースのクリーミーチーズ:100g
・てんさい糖:大さじ4
・塩:ふたつまみ
・粉寒天:2g
・濃いアーモンドミルクまたは無調整豆乳:150cc
・コーンスターチ:大さじ1と1/2
・ココナッツオイル:大さじ2
・しょうが汁:小さじ1(すりおろして汁のみ使用。ジンジャーパウダーでもOK)
<A>(以下はお好みで)
・バナナ(混ぜる直前に荒つぶしにする):1/2本
・カルダモン:少々
・シナモン:少々
【作り方】
1. ボウルにビスケットを割り入れ、めん棒などで砕きます。ココナッツオイルを加え混ぜ、ベーキングシートを敷いたパウンド型の底にスプーンなどで押すように敷き詰め、冷蔵庫で冷やし固めます。
2.[チーズケーキ]の材料をハンディブレンダーまたはミキサーに順に入れ攪拌し、[1]で冷やしておいた型に流します。[A]の材料も加えたらバナナチーズケーキになります。
3. 220度に予熱したオーブンで焼きます(プレーンの場合は22~24分、バナナ入りの場合は25~27分)。
4. 粗熱をとり、冷蔵庫でしっかり冷やして出来上がりです。
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ココナッツオイルを摂取・使用する上での注意点
摂り過ぎには気を付ける
健康や美容に効果的なココナッツオイルですが、カロリーは他の油と同じくらいあります。そのため摂り過ぎには注意しましょう。内臓に負担をかけることもあります。
1日の摂取量の目安は大さじ1~2杯。適量を毎日摂取することで効果が期待できます。
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食用とスキンケア用で使い分ける
ココナッツオイルには、食用のものとスキンケア用のものがあります。
食用のものを肌に塗っても問題ない場合もありますが、食用のものは不純物や添加物を含んでいることが多いです。
肌に使用する場合は、スキンケア用に精製されたココナッツオイルを使うようにしましょう。また塗りすぎると毛穴が詰まりやすくなるため、1~2滴ほどをしっかり伸ばして使うとよいでしょう。
常温で保存する
ココナッツオイルは常温での保存がおすすめです。
冷蔵庫で保存することもできますが、温度によって溶けたり固まったりすることがあります。それにより品質が落ちることはないそうですが、使いやすさを考えると常温保存がおすすめ。