【目次】
・【おさらい】口呼吸チェックと鼻呼吸のメリット
・口呼吸がもたらすその他の【主な症状4つ】
・就寝時の口呼吸を防ぐための【対策5つ】
【おさらい】口呼吸チェックと鼻呼吸のメリット
【1】口呼吸チェックをしてみよう
教えてくれたのは… 鈴木雅明先生
[帝京大学ちば総合医療センター 耳鼻咽頭科/日本耳鼻咽喉科学会 専門医]
はじめに、“かくれ口呼吸”かどうかをチェックしてみましょう。下記は、口呼吸の際に起こりやすい症状です。
・口の中が乾きやすい
・集中している時、無意識に口が開いている
・唇が荒れている・唇が乾いている
・鼻づまりがある
・いびきをかく
・起床時に口の中が乾燥している
・起床時にのどが痛い
・起床時に口臭がある
・寝ている間によだれが出る
【2】鼻呼吸と口呼吸の違い
呼吸の仕方によって身体が受ける影響とは?
≪鼻呼吸の場合≫
・鼻毛と鼻の中の線毛で異物やウイルスを除去します
・鼻腔の中で外気を加湿・加温します
・温められ、加湿された空気がのどを通って肺に届きます
≪口呼吸の場合≫
異物やウイルスが除去されず、冷たく乾燥した空気が直接のどに入ります。そのため、のどがダメージを受けやすい。
「当然、鼻がつまると口呼吸になってしまいます。口呼吸になると、異物やウイルス・細菌などが鼻の粘膜で除去されずに直接体内に入るので、風邪やインフルエンザにかかる危険性が高くなります」(鈴木雅明先生)
【3】朝起きたときの状態を確認
『眠っている間は筋肉がゆるみ、意識して口を閉じることができないため、どんな人でも口呼吸になりやすくなります。
ウーマンウェルネス研究会が首都圏在住の20~60代の男女602人に「就寝時の口呼吸」について調査を実施したところ、半数近くが就寝時の口呼吸を自覚していることがわかりました。
自覚がなくても、朝起きた時に口が乾いていたり、いびきをかいているようであれば、寝ている間に口呼吸になっているサイン。夜間は鼻炎などアレルギー性の症状も悪化しやすくなるため、鼻づまりが起こりやすい時間帯でもあるのです。
また、口呼吸によりいびきをかいたり呼吸が途切れたりすると、脳から“呼吸に異常が起こっている”という信号が出て心身が緊張し、睡眠が阻害されてしまいます。
特に冬は、冷たく乾燥した空気の影響で鼻づまりになりやすく、のどを痛めやすいため注意が必要です。冬場の乾燥環境は年々過酷になっており、東京では20年前に比べて20%も乾燥が進んでいます』(鈴木雅明先生)
口呼吸がもたらすその他の【主な症状4つ】
【1】ドライマウス
教えてくれたのは… 野尻真里先生
[日本審美歯科学会所属の歯科医師]
唾液には、抗菌作用や菌を洗い流す役目があります。
・気がつくと口があいている
・愛煙家である(電子タバコも同様)
上記に該当する人は、ドライマウスになりやすく虫歯になりやすいです。口呼吸の人は要注意。
自分が虫歯になりやすいかどうか… 生活習慣セルフチェックでわかる!
【2】口臭
(c)Shutterstock.com
「口呼吸などによる“ドライマウス”は、口臭の原因にも。発生したガスが唾液に溶け込めず、そのまま出て行くためです。睡眠時無呼吸症候群の人は夜にいびきをすることで口呼吸になり、朝起きた時に口臭を強く感じます」(野尻真里先生)
【3】咳き込みやすい
教えてくれたのは… 成田亜希子先生
[一般内科医。日本内科学会・日本感染症学会・日本公衆衛生学会所属]
炎症等によって粘膜が敏感な状態のときは特に、些細な刺激で咳が出やすくなります。乾燥の状態は気管粘膜を強く刺激することがあるので、粘膜が乾燥すると咳が止まらなくなるケースも。口呼吸はもちろん、空気の乾燥にも注意しましょう。
【4】疲労を感じやすい
疲れやすかったり、よく眠れなかったり。その不調の原因が“口呼吸”だとしたら…?
教えてくれたのは… 蘆田英珠先生
[代官山クリニック・代官山サラダ代表。美容皮膚科医]
ウイルスや雑菌が体内に入りやすいほか、口呼吸の人に多いのは呼吸が浅いこと。酸素を十分に取り入れられないことで、血液循環が悪くなったり、疲れや免疫力の低下につながることも。
“ため息”は大いに結構! 深く息を吐くことができ、副交感神経を働かせてリラックスすることができます。ただし、ため息をついたあとは、鼻からしっかり息を吸いましょう。深呼吸をすることで自律神経が整い、ストレスケアにもなり、疲れ感や不眠の解消にもつながりますよ。
就寝時の口呼吸を防ぐための【対策5つ】
■蒸気であたためる
耳鼻咽頭科:鈴木雅明先生に、就寝時に口呼吸を予防する4つの方法について教えていただきました。
【1】就寝時に蒸しタオルを鼻の上に置いて温める方法。鼻を温めながら加湿することでスムーズに鼻呼吸できるようになります。口呼吸を防ぐことで睡眠の質が高まり、のどの乾燥を防ぐことにも。
【2】加湿機能のついたマスクをつけて眠るのも効果的です。
【3】部屋の加湿
部屋全体を加湿して、空気の乾燥を防ぎましょう。ウイルスやカビ菌などの有害物質や、花粉等アレルギーを引き起こす物質を抑制できる加湿空気清浄機を上手に活用するのも◎
【4】片方の鼻で交互に鼻呼吸
人差し指で右の鼻を押さえながら、左の鼻から深く息を吸ってゆっくりと吐きます。反対側も同様に左の鼻を押さえ、右の鼻で呼吸します。左右交互に5セット行いましょう。
【5】口呼吸防止テープを活用
不織布でできた口呼吸・いびき防止テープ『ねむるん』。医療現場で使用している特殊シートを採用した、日本製の肌用シートです。就寝時に口を塞ぐようにして貼ることで、口呼吸を防止します。
≪レビュー≫
『数年前から「パパのいびきがうるさい!」と家族中からクレームを受けており、このテープを使ってみました。最初は違和感があり寝つきにくかったのですが、一度眠ってしまったら朝まで剥がれずに熟睡。いびきの苦情主たちからも「全然いびきが聞こえなかったよ」と言われ、かなりの効果を得ることができました!
さらに、いびき軽減だけではなく、朝起きてからの喉の痛みがまったくなくなりました。特に、エアコンをつけて寝ていると寝室の空気が乾燥して、喉の渇きから目が覚めてしまうこともありましたが、そんなことも一切なし!
これを毎晩するようになってから数年が経ちますが、明らかに風邪をひく頻度が減りました。さらに、口腔内の乾燥を防ぐことで口臭予防にもなるとのこと。もう、コレなしでは不安で眠れなくなるほど頼っています。
不織布タイプで適度な粘着力があり、剥がすときも痛くありません」(Oggi.jp編集長・藤井敬也)
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