病院に行くほどではないけど、なんだかちょっとツライときの解決法や、医者様に聞くほどでもない健康にまつわるウワサの真相。知っておきたいあれやこれやを「しごとなでしこ」編集部が、お医者様に直撃して聞いてくる「OL保健室」をお届けします!
ポカ~ンと口、開いていませんか? 口呼吸は風邪や不眠の原因に!
暖かいと思ったら急に寒くなったり。季節の変わり目のこの時季は、体調を崩しやすく、疲れやすかったり、風邪をひいてしまったり、不眠に悩まされたり。
「その不調の原因が、口呼吸だったりすることもあるんですよ」と、代官山クリニックの蘆田英珠先生。
この記事を読んでいるあなた、口が知らぬ間に開いていませんか? オフィスでPCに向かっている同僚や、スマホを見ているお友達を観察してみていください。口を開けている人、けっこう多くないですか?
「鼻から息を吸うのが正常な呼吸。けれど最近、口から息を吸う口呼吸の人が増えているんです。鼻には鼻腺毛といって、ウィルスや雑菌を浄化するシステムがあるのですが、口にはこのシステムがないため、口で呼吸するとウィルスや雑菌などが体内に入りやすくなってしまい、風邪や花粉症などにかかりやすくなります。
また、口呼吸の人に多いのですが、浅い呼吸は血液循環も悪くなり、十分に酸素を取り入れられないため、疲れや免疫力の低下につながります。
ため息は、自分を守るための防御反応だった!?
デートに間に合うように必死で仕事を終わらせたり、緊張させられるプレゼンが終わったときなど、「ふーっ」とため息をつくことがありますよね。
ため息は幸せが逃げる、なんていうけれど、ため息をつくことで深く息を吐くことができ、副交感神経を働かせることができるので、リラックスすることができる。ため息は体にとって必要な防御反応と言えるようです。
意識して「幸せのため息」をつこう!
口呼吸になってしまうのが、歯並びに問題があったり、慢性的な鼻づまり(アレルギー性鼻炎や蓄膿など)の場合は、専門の病院での治療をおすすめします。
「無意識のうちに口呼吸が習慣になっている人が、最近は多いようです。何かに集中すると知らぬ間に口が開いて、口呼吸になってしまう。意識して口をふさぎ、鼻呼吸をするようにしてください。
さらに、幸せは逃げないから、どんどんため息をついてください。ひと仕事終わったときやストレスを感じたときに、意識して息を吐いて。
ただし、ため息をついたあとは、鼻からしっかり息を吸って。深呼吸をすることで自律神経が整い、ストレスケアにもなり、疲れ感や不眠の解消にもつながります」
ため息をつくと幸せが逃げる、なんて迷信だったんですね。今日からどんどん、ため息をつきましょう。ただし、周りに「不機嫌?」と思われないようにご注意を!
初出:しごとなでしこ
蘆田英珠 医師
代官山クリニック・代官山サラダ代表、美容皮膚科医。「健康」と「美」をテーマに、外側だけでなく内側からのアプローチを行い、食事を含めた栄養療法を治療に取り入れている。