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2019.11.03

【チェックリスト付】無意識に「口呼吸」してない!? インフルエンザの原因になるかも…

気づかずうちにやっているかもしれない… 就寝時の「口呼吸」。今回は、就寝時の「口呼吸」が引き起こすリスクを帝京大学ちば総合医療センター 耳鼻咽頭科 鈴木雅明先生に教えてもらいました。

半数近くが就寝時の口呼吸を自覚! なぜ、就寝時に口呼吸が起こるの?

まず、ウーマンウェルネス研究会が首都圏在住の20~60代の男女602人に「就寝時の口呼吸」について調査を実施したところ、半数近くが就寝時の口呼吸を自覚していることがわかりました。

就寝時に口呼吸になっているか 結果グラフ

また、寝ている間に口呼吸になっているサインの一つ「起床時に口が乾燥している」と感じている人は約68%にのぼり、自覚がなくても夜間に口呼吸をしている人はさらに多いことが推測されます。

起床時に口の中が乾燥しているか 結果グラフ

では、就寝時に口呼吸をしていると、どのようなリスクがあるのでしょうか? 帝京大学ちば総合医療センター 耳鼻咽頭科 鈴木雅明先生に伺いました。

「本来、人の呼吸は鼻呼吸ですが、乾燥低温花粉などの環境ストレスによって鼻がつまると口呼吸になってしまいます。口呼吸をすると、異物ウイルス細菌などが鼻の粘膜で除去されず直接体内に入ると、風邪インフルエンザにかかる危険性が高くなります」

環境ストレス

<鼻呼吸>
1.鼻毛と鼻の中の線毛で異物やウイルスを除去
2.鼻腔の中で外気を加湿・加温
3.温められ、加湿された空気がのどを通り肺に届く

<口呼吸>
異物やウイルスが除去されず、冷たく乾燥した空気が直接のどに入る→のどがダメージを受けやすい

「眠っている間は筋肉がゆるみ、意識して口を閉じることができないため、どんな人でも口呼吸になりやすくなります。自覚がなくても、“朝起きた時に口が乾いている”や“いびきをかいている”などの兆候があれば、寝ている間に口呼吸になっているサインです。夜間は鼻炎などアレルギー性の症状も悪化しやすくなるため、鼻づまりが起こりやすい時間帯でもあります。

また、口呼吸によりいびきをかいたり呼吸が途切れたりすると、脳から“呼吸に異常が起こっている”という信号が出て心身が緊張し、睡眠が阻害されてしまいます。

特に冬は、冷たく乾燥した空気の影響で鼻づまりになりやすく、のどを痛めやすいため、注意が必要です。冬場の乾燥環境は年々過酷になっており、東京では20年前に比べて20%も乾燥が進んでいます」

冬場の乾燥環境 結果グラフ

▲冬場の乾燥環境(東京:1月)空気中の水分量は20年前の約8割まで減少(気象庁のデータより換算、過去10年間の移動平均)

【かくれ口呼吸チェックリスト】
✔︎口の中が乾きやすい
✔︎集中している時、無意識に口が開いている
✔︎唇が荒れている・唇が乾いている
✔︎鼻づまりがある
✔︎いびきをかく
✔︎起床時に口の中が乾燥している
✔︎起床時にのどが痛い
✔︎起床時に口臭がある
✔︎寝ている間によだれが出る

就寝時の口呼吸を防ぐための3つの対策

風邪やインフルエンザなどの体調不良の原因になってしまう「口呼吸」。鈴木先生に対策も教えてもらいました。

◆対策1:就寝時にのど・鼻を蒸気で温める

鼻を温めながら加湿することで、スムーズに鼻で息を吸えるようになり、口呼吸を防ぐことができます。口呼吸を防ぐことで睡眠の質が高まり、のどの乾燥を防ぐことにも。就寝時に蒸しタオルを鼻の上に置き、温めるのがおすすめ。加湿機能のついたマスクをつけて眠るのも効果的。

就寝時にのど・鼻を蒸気で温める

◆対策2:部屋全体の加湿

空気の乾燥を防ぐため、部屋全体を加湿して湿度を上げましょう。最近では、ウイルスやカビ菌などの有害物質や花粉等アレルギーを引き起こす物質を抑制できる加湿空気清浄機もあるため、上手に活用するのも◎。

◆対策3:片方の鼻で交互に鼻呼吸

人差し指で右の鼻を押さえ、左の鼻から深く息を吸ってゆっくりと吐きます。次に左の鼻を押さえ、同様に右の鼻で呼吸します。左右交互に5セット行いましょう。

片方の鼻で交互に鼻呼吸

これから風邪やインフルエンザが流行る季節に…。その予防のひとつである、就寝時の口呼吸を改善しましょう。寒い冬を元気に過ごすためにも、就寝時の口呼吸の対策を!

【調査概要】
調査主体:ウーマンウェルネス研究会
調査対象:首都圏の20歳~69歳の男女602人
調査期間:2019年8月30日~9月4日
調査内容:口呼吸に関する意識調査

TOP画/(c)Shutterstock.com

教えてくれたのは… 帝京大学ちば総合医療センター 耳鼻咽頭科 鈴木雅明先生

【現職】
帝京大学ちば総合医療センター 耳鼻咽喉科 教授、日本耳鼻咽喉科学会 専門医、日本睡眠学会 評議員・認定医、日本気管食道科学会 専門医

【経歴】
1989年 東北大学耳鼻咽喉科 入局、
1994年 米国ワシントン大学耳鼻咽喉科 留学、
2002年 東北大学耳鼻咽喉科 院内講師、
2004年 帝京大学耳鼻咽喉科 講師、
2010年 同 准教授、
2012年 帝京大学ちば総合医療センター耳鼻咽喉科 教授

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