世の中の悩みを「聖書」から解決#6
「悩みのない人生を送りたい!」というのは、人類の抱き続けてきた願望ですが、令和の時代になっても人の悩みは尽きるどころか増えてさえいるのかもしれません。
ツイッターフォロワー10万超【上馬(かみうま)キリスト教会】のまじめ担当MAROさんは、フォロワーの方々から寄せられるさまざまな悩みに「聖書」から解決の糸口を伝えようと日々発信中。『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)より、MAROさんが提案する悩み解決のヒントをお伝えします。
質問:好きな人のことが気になって仕事に身が入りません
回答:人間ってそういうものです。まずは恋心を受け入れましょう
恋する人のことが気になって勉強や仕事に身が入らなくなってしまうこと、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。問題集を1問やるたびにメールやSNSのチェックをしてしまったり、相手のことを考えてただボーッとしてしまったり。
クリスチャンだって日々のお祈りをしようと思っても、ついつい神様よりも恋する人のことを考えてしまったり、祈る内容が恋のことばっかりになってしまったり、そんなことはあります。
「創世記」にはこうあります。
「産めよ。増えよ。地に満ちよ(創世記1:28)」
「男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである(創世記2:24)」
また、旧約聖書に前述のラブソング集「雅歌(がか)」があるように、神様は人間を恋する者としてつくっているんです。
恋をしなければ人間は結婚もしませんし、増えることもできません。ですから恋をすることは神様の御心にかなっているんです。
しかし一方で、パウロはこう記しています。
「私が願うのは、すべての人が私のように独身であることです。(中略)私のようにしていられるのなら、それが良いのです(Iコリント7:7〜8)」
パウロが「独身が望ましい」と言っているのは、恋をしたり結婚したりすれば心が乱れて神様に集中することが難しくなる、という理由です。
ですから読み方を変えれば「それだけ恋は人の心をかき乱すものなのだ」とも読めるわけです。そしてこの後でパウロも「心が乱れてどうしようもないなら結婚しなさい」と記しています。
おそらく、パウロがこんなことを書いたのは、パウロと一緒に活動していた同志の中に、恋によって心が乱されて、活動に身が入らなくなってしまった人がいたからだと思われます。
恋する人、愛する人を思って仕事や勉強に身が入らなくなることは、昔から変わっていないんですね。
ですから「恋にうつつを抜かしてはいけない!」と自己嫌悪になるよりも、「恋するのは仕方ないし、恋で心が乱れるのも当たり前」と割り切ってしまったほうがいいのではないでしょうか。それだけ「恋のパワー」って人間にとって大きいんです。
そのパワーに振り回されるのではなく、コントロールすることができればそれに越したことはないですし、そのためにはまず「恋はいけない」と思うのではなく「恋心を受け入れる」ことが大切だと思います。
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▲『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』
著者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部) 出版:KADOKAWA
TOP画像/(c)Shutterstock.com
上馬キリスト教会 MARO
1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。
キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。キリスト教ではない家に生まれ、23歳のときに洗礼を受けた「クリスチャン1世」。
10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』、『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。