世の中の悩みを「聖書」から解決#3
「悩みのない人生を送りたい!」というのは、人類の抱き続けてきた願望ですが、令和の時代になっても人の悩みは尽きるどころか増えてさえいるのかもしれません。
ツイッターフォロワー10万超【上馬(かみうま)キリスト教会】のまじめ担当MAROさんは、フォロワーの方々から寄せられるさまざまな悩みに「聖書」から解決の糸口を伝えようと日々発信中。『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)より、MAROさんが提案する悩み解決のヒントをお伝えします。
質問:褒め上手がモテると言うけれど褒め方がわかりません
回答:褒めることはとても大事です。聖書流の褒め言葉、伝授します!
いろいろな「恋愛指南」を読んでみますと、大抵「褒め上手がモテる!」というようなことが書いてあります。恋愛に限らず、ビジネスの場でも家庭でも、褒めるということは円滑な人間関係を築くために大切なことです。
しかも、現代は過去のどの時代よりもたくさんの人とのコミュニケーションが求められる時代です。上手に褒める技術は現代社会の必須科目と言ってもいいかもしれません。
しかしそれが上手にできない人も多いですよね。特に日本人は人を褒めるのが苦手だと言われています。そこで、聖書では人をどんなふうに褒めているのか、少し見てみましょう。
旧約聖書の「雅歌(がか)」という書は、言わば「聖書のラブソング集」で、そこには恋い慕う人に対する歯の浮くような褒め言葉がたくさん書いてあります。わりと短くて読みやすい書ですから、一度読んでみると「褒めボキャブラリー」が増えるかもしれません。
しかし古い書ですから、中には「え? それ褒めてるの?」と思ってしまうようなのもあります。
「ああ、あなたは美しい。あなたの目は鳩(雅歌1:15)」
…… 鳩って、すごく目つき悪いですよね。鳩のような目って、悪口にしか思えない……。でもこれを書いた人はきっと鳩の目を本当に美しいと感じていたのでしょうね。人が何と思おうとも、自分が本当に良いと思うものになぞらえて褒めるのも、「唯一無二」の褒め方になって、ときには効果的なこともあるかもしれません。
相手がモテる人であればあるほど、月並みな褒め言葉には食傷気味だったりもしますからね。
しかし、どんな美しい言葉や立派な言葉よりもずっと強い、無敵の褒め言葉は、聖書全巻を貫いている「あなたを愛してます」というメッセージではないでしょうか。
「愛してます」って、月並みな言葉ですけど、考えれば考えるほど、とんでもないことですよ。そこには尊重も尊敬もしっかり含まれています。「あなたは私にとって、他に替えが利かないほどに素晴らしい存在なんです」って、これほどの褒め言葉って他にありません。
日本人は褒めるのが苦手だというのは、きっと「あなたを愛している」を言うのが苦手だってことなんです。最初に「あなたを愛している」が出てくれば、後の細かい言葉はスルスルと出てくるもんです。まず、しっかり伝えてみましょう。「愛してます」。
『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』発売中!
▲『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』
著者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部) 出版:KADOKAWA
TOP画像/(c)Shutterstock.com
上馬キリスト教会 MARO
1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。
キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。キリスト教ではない家に生まれ、23歳のときに洗礼を受けた「クリスチャン1世」。
10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』、『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。