「やりたいことがわからない」は現代病の一つ
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子どもの将来やりたい職業に「ユーチューバー」が挙がるなど、「好き」を仕事にしやすい時代になりました。でもいざ、やりたいことをやろうとしても、自分のやりたいことがわからない。そんな方は多いのではないでしょうか。
「やりたいことがわからない」という悩みは、比較的最近生まれた悩みです。個人で選べる職業の選択肢が多い現代と違い、生まれと育ちで進路が決まってしまうような時代には、このような悩みは生まれないからです。
心の悩みは、その時々の社会状況によっても変わっていきます。そういった意味では、「やりたいことがわからない」は現代病の一種とも言えるかもしれませんね。
本当はみんな「やりたいこと」しかやっていない
冒頭から矛盾するようではありますが、「やりたいことがわからない」悩みとは裏腹に、人間は本来、やりたいことしかやっていない生き物です。
なら何故悩むんだ、となりますよね。
実は、これを身近な行動で考えると、やりたいことしやっていない、ということがよくわかります。
例えば、朝起きて伸びをする、髪を櫛で梳かす、好きなものを食べる、といったことは、やりたくてやっていることなはずです。ほとんど無意識の行動だとしても、イヤイヤやっている人はいないのではないでしょうか。
「やりたいこと」と聞くと、将来の夢や目標といった壮大なものを考えがちですが、将来の夢も、今日食べたいものも同じ「やりたいこと」。
大きな目標は、小さなやりたいことと地続きです。普段意識せずにやっていることに意識を向けていくだけでも、あなたの「やりたいことセンサー」は磨かれていきます。
「自分をおもてなしワーク」で小さなやりたいことを思い出す
それでは、「やりたいことセンサー」を取り戻すための簡単な心理ワークをご紹介します。自分の中にある「小さなやりたいこと」を発掘していきましょう。
〈自分をおもてなしワークのやり方〉
・毎朝起きたら、「今日はどうやって自分を楽しませようかな?」と考えてみる
・(余力があれば)メモに残しておく
・1日の中で実行する
ポイントは、やりたいことのハードルをあげすぎないことです。カフェラテを自分にご馳走してみる、好きな動画を一本みる、すり減っていた靴下を新調する、ルームフレグランスを買ってみる、などなど、一流のサービス係になったつもりで、自分を「おもてなし」してみてください。
「これでいい」を「これがいい」にするだけで、やりたいことが見えてくる
繰り返しになりますが、人間は本来、やりたいことしかやっていない生き物です。言い換えれば、やりたいことを積み重ねて、今のあなたがあるということ。
紹介したワークで自分の「やりたい」「ワクワク」を取り戻すトレーニングをしてみてください。
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山根洋士先生は、「自己肯定感低めの人」のための本(アスコム)という本を書かれています。自己肯定感や心のノイズについて知りたい方はチェックしてみてくださいね。
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お話を伺ったのは… 心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー 山根洋士(やまね・ひろし)
これまでに8000人以上の悩みを解決してきた心理カウンセラー。
両親の離婚、熱中していたスポーツの挫折、就職の失敗などを経てノンフィクションライターとして成功をつかむものの、激務でダウン。過労死寸前まで追い詰められ、入院生活を送る中で心理療法と出会って人生が激変。「なんのために生きるのか」を模索した末に、心の風邪薬のようなカウンセリングを提供したいという想いから、カウンセラーになる。
心理学だけでなく、数多くの経営者やプロスポーツ選手、芸能人等への取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れた、メンタルノイズメソッドを開発。実践中心のカウンセリングで一線を画す。
カウンセリングには、著名な精神科医やスピリチュアリスト、占い師などに相談しても結果が出なかった人が殺到。すぐに実践できるワークと、論理的なセッションで好評を博している。
メンタルノイズ心理学 山根洋士公式YouTubeチャンネル
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