人付き合いに疲れたら〜自分を守る「心の境界線」を引こう!〜
「人の目が気になって、言いたいことが言えない」、「恋愛をこじらせてしまう」、「人との距離感がわからない」、「人にいいように利用される」
こうした悩みは、多かれ少なかれ誰もが経験しているもの。相手と仲良くなりすぎて深入りされたり、頼まれごとを断れなくて損な役回りをしたり。そのうち、イライラして感情をぶつけてぎくしゃくしたり、相手と思い切り距離を取りすぎて、疎遠になったり…。
『人付き合いって、すごく疲れる』と感じたら、「ほどよい距離」を取るために、ある方法を試して見てください。それが、人との間にちょうどいい「心の境界線」を引くことにつながります。
これだけで、人との関係はグンとラクになります!
自分の心を守る「心の境界線」
「人と『ほどよい距離』を取れなくなるのは、なぜかというと、『人の役に立ちたい』『期待に応えたい』という思いがあるから。
誰だって人の役に立てるのはうれしいですし、人の期待にも応えたいもの。でも、そうした思いが強すぎると、人との間に引くべき境界線があいまいになっていきます」(古宮昇さん)
その結果、相手の要求にすべて応えようと頑張りすぎたり、認められるためにひたすら尽くしすぎたりしてしまいます。そうした状態にピリオドを打つために大事なのが、自分を守る「心の境界線」を引くこと。
心の境界線を引くための第一歩は、心の中で次のように思うこと。
「私はここまではするけど、ここからはしない」、「これは相手の問題であって、私の問題ではない」、「相手の頼みは断るけど、それによって罪悪感を抱くことはない」
これが、相手と自分との間に線を引き、自分の心を守る第一歩になるそうです。
相手にずかずかと心の中に立ち入らせないためにも、何でもかんでも、相手に手を貸さなくてもいいんですよね。たとえ、それが友だちや恋人、家族であってもです。
ズルズルと依存しあう関係にピリオドを打つのは、それなりに勇気がいるもの。なぜなら、相手を必要としているのは、まぎれもない自分だから。
でも、相手との関係が重荷になっていたら、やはり関係を見直す時期にきていることも確かです。
「ここからはしない」等の境界線を引くことによって、相手に依存して力を失わせる、ということがなくなるので、相手のためにも必要なことです。
相手のために、と自分を犠牲にして無理をすることも自分が苦しくなり、その悪い気分が相手に影響するので、結局は相手のためにもならないのです。
自分を大事にするためにも「心に境界線」を引くコツを知っておき、適宜使えるといいですね。
より具体的な心の境界線の引き方や、心を癒す心理セラピーについて、今後随時紹介していきますのでお楽しみに!
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古宮 昇・著『「ほどよい距離」が見つかる本』
¥1,540(税込)すばる舎
心理学博士&カウンセラー 古宮 昇
心理学博士/公認心理師・臨床心理士/カウンセリング・ルーム輝(かがやき)主宰。米国州立ミズーリ大学コロンビア校より心理学博士号(PhD)を取得。
米国にて、州立児童相談所、精神科病棟などで心理カウンセラーとして勤務し、州立ミズーリ大学心理学部で教鞭を執る。
日本に帰国後は、心療内科医院および大学の学生カウンセリング・ルームのカウンセラー、大阪経済大学人間科学部教授を経て、現在は神戸にてカウンセリング・ルーム輝室長。オンラインと対面でカウンセリングを行っている。また本格的な心理学とスピリチュアルな智慧を通して幸せで充実した人生に変える『スピリチュアル心理学オンライン・アカデミー』を教えている。