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「ご容赦ください」の読み方や意味とは?
ビジネスシーンで、相手の要望や期待に応えられない時の断り方って、難しいですよね。それが目上の方や取引先だとなおさらです。相手に不快な思いを与えないように断るときに役立つのが、「ご容赦ください」という言葉。しかし、使い方を間違えると逆効果になりかねないので、注意が必要です。
本記事では、「ご容赦ください」の読み方・意味、使い方やその注意点まで解説していきますので、しっかりと押さえていきましょう。
◆「ご容赦ください」の読み方・意味
「容赦」は<ようしゃ>と読み、“許す、大目にみる”という意味の言葉になります。「ご容赦ください」は、主にビジネスシーンで使われ、何か相手の要望や期待に添えない時のお詫びとして、またあらかじめ断っておくためのワンクッションとしても使われる表現です。
◆「ご容赦願います」も同じ意味で使える?
「ご容赦願います」もまた、「ご容赦ください」と同様に使うことができます。頭に「何卒」を付けくわえ、「何卒ご容赦願います」と表現するとより丁寧です。口頭、またはメールや手紙の文書などで使うことができる便利なフレーズになります。
「ご容赦ください」の使い方を例文でチェック
「ご容赦ください」を使用した具体例をご紹介します。
「○月分のお振込みが確認できておらず、大変恐縮ですがご確認いただけますと幸甚です。なお、本状と行き違い、すでにご対応いただいている場合は、悪しからずご容赦ください」
請求督促や振込確認ができない時のお知らせなどによく書かれている文言です。これは、相手が振込をしたにも関わらず、行き違いでお知らせが届いてしまった場合に備えたもの。事前に謝罪を一言添え、相手の心証を悪くさせないための表現になります。
「当店は、クレジットカード、電子マネーの利用はできかねますので、何卒ご容赦いただけますと幸いです」
キャッシュレスが当たり前になりつつある昨今ですが、一部では使えないお店もまだありますよね。そういった場合は、上記のようなフレーズでお断り、謝罪することができます。現金を持ち歩くことが減っているので、この状況は冷や汗をかいてしまうのですが…。
「ただいま新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場を制限しております。大変申し訳ございませんが、もう少しお待ちいただきますよう何卒ご容赦くださいませ」
今はどこも新型コロナ感染防止のために、いろいろな対策が講じられていますが、そういった場面でも、上記のようにお詫びのフレーズとして「ご容赦ください」は使えます。
「ご容赦ください」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
次に、「ご容赦ください」の言い換え表現をご紹介していきます。
「ご了承ください」
「了承」とは、相手に受け入れてもらう、納得してもらうことを意味する言葉です。「ご容赦ください」には、期待に添えられず申し訳ないというニュアンスが含まれているのに対し、「ご了承ください」には、お詫びの気持ちは含まれていません。ですので、「大変申し訳ございませんが、ご了承ください」といったように、一言謝罪の言葉を添えましょう。
例文:「このキャンペーンは、商品が売り切れ次第終了とさせていただきますので、ご了承いただけますと幸いです」
「ご理解ください」
相手に納得してほしい時などは、「ご理解ください」というフレーズも効果的です。こちらもまた、「ご了承ください」と同様にお詫びの気持ちは含まれていません。
例文:「混雑した場合は、入場を制限させていただく場合がありますが、ご理解いただけますと幸甚です」
「お許しください」
相手の希望に応えられない時や、自分の都合でどうしても対応できない場合などには、「○○できないことを、お許しください」と謝罪の気持ちを述べることができます。
例文:「本来ならば直接お伺いすべきところ、メールでのご連絡となりました事、お許しください」
「ご容赦ください」を使う時の注意点について
「ご容赦ください」は、お詫びの気持ちが含まれていると説明しましたが、こちらのミスや不手際などで、相手の要望に応えられない時などには、少し軽い印象を与えてしまいます。そのような場合には、「大変申し訳ございません」、「深くお詫び申し上げます」など丁寧に謝罪をしましょう。また「ご容赦ください」をより丁寧に表現したい場合は、下記のようなフレーズもあります。
・「平にご容赦ください」
・「悪しからずご容赦くださいますようお願い申し上げます」
・「ご容赦くださいますよう、伏してお願い申し上げます」
「ご容赦ください」の英語表現とは?
英語で「ご容赦ください」と伝えたい時は、以下のようなフレーズで表現できます。“apologize”は、謝罪するという意味です。また“appreciate your understanding”を使って、「あなたのご理解に感謝します」という言い方もあります。
・「We would apologize that we will not be able to accept any exchanges or returns because of the customer’s personal preferences.」
(お客様のご都合による返品や交換については、何卒ご容赦くださいますようよろしくお願い致します)
・「We apologize for being unable to meet your request. We would appreciate your understanding.」
(ご要望にお応えできず申し訳ございません。ご理解の程、よろしくお願い致します)
最後に
断り方は、一歩間違えると相手の心証を悪くし、関係を悪化させる原因になりかねません。特に取引先や顧客の場合は、会社全体の信頼関係にも影響が出てくる可能性もあるでしょう。ビジネスにおいて非常に大事な場面であるため、使い方には十分注意をした上で、効果的に活用したいですね。
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