【目次】
・「予め」とは
・「予め」の使い方の例文
・「予め」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・「予め」を使う時の注意点
・「予め」の英語表現も知ろう
・最後に
「予め」とは?
普段耳にする言葉や目に入る言葉でも、漢字で書かれていると読めないことってありますよね。今回ご紹介する「予め」もそんな言葉のひとつです。
「予め」と書いて一体何と読むか、あなたはわかりますか? 実はこの「予め」は、使い方によっては相手に失礼な印象を与えたりすることもあります。今回はそんな「予め」の正しい意味や使い方、使うときの注意点についてご紹介したいと思います。
◆「予め」の意味や読み方
「予め」は、「あらかじめ」と読みます。お店のアナウンスや、通販サイトの案内メールなどで使われる、「あらかじめご了承ください」の「予め」です。考えていた読み方と合っていましたか?
この「予め」は、形容詞や動詞を修飾する言葉である副詞のひとつです。意味は、「結果を見越して、その事柄が起こる前から」。つまり、「前もって」という意味として使われますよ。
「あしからず」と間違われやすい言葉ですが、「あしからず」と「予め」では、使うタイミングが異なります。「予め」は、「前もって」という意味の通り、対象の出来事が起こる前に使う言葉です。
一方の「あしからず」は、終わった出来事に対して使います。うっかり間違えて使ってしまわないように注意しましょう。
「予め」の使い方の例文
「予め」の読み方と意味についてのご紹介でした。続けて、「予め」がどのようなシチュエーションで使うことができるのか、例を挙げてご紹介したいと思います。
1:「予めご了承ください」
「予め」は、「前もって」より堅い表現であることから、ビジネスシーンでもよく使われます。そのため、「予めご了承ください」のように、敬語と組み合わせて使われることが多いです。
「ご了承」の意味は、「事情を汲んで納得すること」。つまり、「予めご了承ください」は、「前もって理解をしておいてください」という意味で使われます。
2:「予めお送りした資料をご覧ください」
「予め」を使った表現は、「予めご了承ください」や「予めご理解ください」のように、今から行う物事に対する注意事項を、前もって理解してもらいたいときに使うことが多いです。
ただし、「予め」の使い方はそれだけではありません。この文章のように、「今や未来に行う出来事のため」に、過去に行ったことに対しても使うことができます。
3:「予め用意をしておかないと、前日になって慌てることになるよ」
1つ目の文章で紹介したように、「予め」は「前もって」より堅い表現のため、敬語表現と組み合わせて使われることが多いです。ただし、必ずしも敬語表現でないといけない、という決まりはないため、このように話し言葉の中でも使うことができます。
「予め」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「予め」と同じ意味を持つ言葉はいくつも存在しますが、ビジネスシーンや日常生活など、シチュエーションによって相応しい言葉は異なります。類語や言い換え表現を覚えて、シチュエーションにより相応しい言葉を使えるようにしましょう。
1:先だって
「先だって」の意味は、「先日」です。実は、「先だって」の読み方は、「せんだって」と「さきだって」という、二通りの読み方があり、それによって意味が多少変わります。そのうち、「予め」に近い意味で使われるのは、「さきだって」です。
一方、「せんだって」は、「過去のことを表す場合」によく使われます。相手に伝わるニュアンスが異なるため、口頭で使うときには注意をしましょう。
2:かねてより
「かねてより」は、ビジネスシーンで使われる「予め」の類語です。「予め」と同じく、「前もって」と、「以前から」という意味を持っています。
「かねてより」は、「ある程度思い出せる範囲」の出来事に対して使うことが可能です。そのため、思い出せる範囲であれば、一週間前の出来事でも数十年前の出来事でも、使うことができますよ。
3:前々から
「予め」や「先だって」、「かねてより」は、いずれもビジネスシーンでよく使われる表現です。そのため、日常生活で使うと、少々かしこまった表現となってしまいます。日常生活で「予め」を使いたい場合は、「前々から」や「前もって」と言い換えることをオススメします。
「予め」を使う時の注意点
ビジネスシーンでよく使われる「予め」ですが、使うのは口頭だけではありません。メールや手紙などでも、「予め」を使うタイミングは存在します。そのときに注意をしたいのが、「予め」を漢字で表記するか、平仮名で表記するかです。
実は、「予め」は、基本的に「あらかじめ」と平仮名で表記することが正式だとされています。それは、「予め」の「あらかじめ」という読みが常用漢字にあげられたものではないからです。
ただし、場合によっては漢字で表記することもあります。それは、平仮名が続いたとき。平仮名ばかりが続くと、文章は読みづらくなりますもんね。
文章を書く時には、読み手の気持ちを考えることが大事です。基本的には「予め」という漢字は使わず、「あらかじめ」と平仮名で表記するようにしましょう。
「予め」の英語表現も知ろう
「予め」の英語表現としてよく使われるのは、「何かをする前に」という意味がある、「beforehand」です。「3日前」や「1週間前」といった使い方もできますが、単に「予め」と伝えたい場合によく使われます。
また、何か期限があり、「その期限が来るより前に」というニュアンスで使いたい場合によく使われる表現は、「in advance」です。場合によって使い分けてみましょう。
最後に
「予め」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか? 「予め」は、ビジネスシーンだけでなく、デパートや遊園地のアナウンスなどでも使われる言葉です。よく聞く言葉である分、誤った認識のまま、この言葉を使ってしまっている人も少なからずいらっしゃいます。
間違った使い方をしていると、相手に伝えたかったニュアンスが通じないこともありますよね。聞いたことがあるという言葉でも、しっかりと意味を理解して使うことが大事ですよ。
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