【基本】正しいスキンケアをおさらい
「美肌のためのスキンケア」は、肌トラブルが起きてからではなく日々のケアの積み重ねが大切。健やかな肌を保つ洗顔・保湿とは? 大切なポイントをおさらいしましょう。
正しい洗顔方法
書籍『素肌美人になれる 正しいスキンケア事典』(監修:吉木伸子・岡部美代治・小田真規子/高橋書店)より
しっかりと泡立てを
泡の量が少ないと、洗顔料の濃度が高くなりすぎるうえ、肌を傷める摩擦の原因にもなってしまいます。
摩擦を起こさず優しく洗う
洗顔は摩擦で洗うのではなく、泡で汚れを落とすもの。強くこすると、角層を傷つけてしまうこともあります。
すすぎ残しに注意
生え際やあご下など、すすぎ残しがあると肌への刺激になってしまいます。
時間をかけすぎるのはNG
長々とやりすぎることも当然肌の負担に。“洗浄剤”だということを忘れないで!
冷水での仕上げに注意
肌を冷やすことで毛穴が締まったように感じますが、その冷却効果は一時的なもの。また急激な温度変化は、赤ら顔の原因になることも。
30歳を超えたら保湿の量はたっぷりと
教えてくれたのは… 銀座ケイスキンクリニック院長・慶田朋子先生
スキンケアに欠ける時間は?
1~2分パパッとつけて浸透したら終わり、では潤い不足の可能性が。
化粧品はどのくらいの量を使えばいいの?
大容量ではない化粧品が2ヶ月経ってもなくならない場合は、使う量が少ないと思っていいでしょう。
化粧品は目安量の倍以上つけてもいいと思います(メーカー適正量を確認のうえ)。手のくぼみに1回とれる量を顔全体になじませたら、それを2〜3回繰り返し、2~3回目は首からデコルテまで塗って。
美容液は手のくぼみに1回分、クリームは大きめのパール3粒分くらいが目安です。
30代~はクリームで締めるのがおすすめ
教えてくれたのは… ウォブクリニック中目黒総院長・高瀬聡子先生
「一般的に乳液は油分より水分が多いので柔軟効果はありますが、ラッピングして潤いを守るところまではいきません。
ニキビができやすかったりテカりやすい人は乳液か、クリームの部分使いを。それ以外の人は、クリームを顔全体にしっかり塗ってください」(高瀬先生)
「朝はメイクくずれの原因になるから、とクリームを躊躇する人も多いようですが、逆にしっかり塗ったほうが日中の乾燥や刺激から肌を守ることができます。
くずれが気になるなら、Tゾーンは薄めに塗るようにしましょう」(慶田先生)
スキンケア化粧品の適量
スキンケア化粧品をつける量は、アイテム表示の量よりもやや多めに。顔全体だけでなく、首すじ~デコルテまでたっぷりとなじませましょう。
【化粧水・クリーム・美容液】の適量って? つける量の答え合わせ
【朝夜のスキンケア】30代からの心得
はじめに、お手入れの順番をおさらいしましょう。アイテムによって順番を指定しているものもあるので、使い方を確認することも大切です。
教えてくれたのは… 美的GRAND編集長・天野佳代子さん
〈スキンケアの順番をおさらい〉
・朝:顔→化粧水→美容液→クリーム
・夜:クレンジング→洗顔→(角質ケア)→化粧水→美容液→クリーム
朝のスキンケア
美肌のために最も大切なのは、ダメージを未然に防ぐこと。その意味で、日中の環境から肌を守るための“朝のスキンケア”はとても大切です。
朝の洗顔
朝、洗顔料を使わないという声も聞きますが、皮脂や古い角質を落とすためにきちんと洗いましょう。不要なものが落ちればスキンケアの吸収がよくなります。
ダメージを未然に防ぐ
肌の老化の原因の8割が紫外線だといわれています。化粧水やクリームをたっぷり塗った後、冬も必ず仕上げに日焼け止めを。首にも塗ってシワを防ぎましょう。
夜のスキンケア
〈夜のスキンケア アイテム別基本知識〉
・化粧水は主に水分を補給するもの
・乳液やクリームは肌に油分を与えてやわらかさを出し、潤いでフタをするためのもの
・美容液は、悩みに合わせた美容成分を肌に投入するもの
肌の乾燥が気になる
化粧水でたっぷり水分を与えて乳液やクリームで守っても、すぐ乾いてしまうという人は“潤いを抱え込む力”が不足しているのかも。保湿美容液をプラスするのがおすすめ。
年齢肌も気になる
乾燥以外にも、シミやたるみも気になるという人は、保湿+美白、保湿+ハリ、など複合効果を備えた美容液をセレクトして。
保湿などの美容液に加え、夜は洗顔後に拭き取り化粧水や酸が入った美容液などの角質ケアをプラスするのもいいでしょう。角層が整ってバリア機能が高まり、さらに乾燥を防ぐことができます。
化粧水&乳液でOKは20代まで!【保湿美容液】の魅力|30歳からのスキンケア
【毛穴ケア】医師がすすめる4つのケア
毛穴の黒ずみや開きは、メイクでカバーしきれず目立ってしまう。そんな毛穴悩みを解決するためには、どのようなケアをしたらいいのでしょうか? 美容皮膚科医の先生にお聞きしました。
毛穴悩みに大切なこと
教えてくれたのは… 美容皮膚科 シロノクリニック・総院長。株式会社ドクターシーラボ 創業者・名誉会長。皮膚科医・城野親德先生
毛穴の黒ずみや開きをケアはするには、皮脂の除去、角質の除去、そして洗浄と保湿の毛穴ケアを同時にバランスよく行うことが大事です。
1. 皮脂の除去
皮脂を取り除くことでベタつきを抑制し、毛穴を引き締めて肌を明るくなめらかに整えるケアです。
2. 角質の除去
毛穴が開く原因となる古い角質を取り除くことで、肌のターンオーバーをサポート。肌のざらつきを抑えて柔らかな肌に導きます。
3. 洗浄
洗顔料は、肌に負担をかけないマイルドな洗浄成分のものを選びましょう。
4. 保湿
毛穴の奥まで汚れを取り除いた肌がうるおいを維持できるよう、バランスよく保湿することが大切です。高保湿成分を配合したスキンケアで乾燥による肌あれを防ぎ、しっとりしたうるおい肌をキープしましょう。
【ニキビケア】上からメイクしても大丈夫 ?
ニキビを改善したい人のおうちケアについて。スキンケアやメイクなど、ニキビを悪化させないために知っておくべきことをまとめました。
教えてくれたのは… 田場医院・院長。形成外科専門医・田場史子先生
【1】ニキビ肌のスキンケア
1. 洗顔
1日2回はたっぷりと泡立てた洗顔料で、ゴシゴシこすらず優しく皮脂を落としましょう。
2. 保湿
洗顔後の保湿も大切。乾燥肌は過剰に皮脂の分泌を促してしまいます。化粧水や乳液はノンコメドジェニックテストという毛穴に皮脂詰まりを起こしにくいことを確認したものがおすすめ。
【2】日焼け止め
「どんな毛穴にも常在菌であるアクネ菌が潜んでおり、ポルフィリンと呼ばれる代謝物を産生します。
このポルフィリンが紫外線と反応すると活性酸素を発生させ、皮脂を酸化させることで炎症を引き起こすと言われており、ニキビの悪化を招きます。
そのため、ニキビ肌にも日焼け止めは必須。性能は、外回りの営業などでもSPF10~20程度・PA++++で十分です。
また、顔全体でパール玉2個分を3時間に1回程度塗り直しすることが推奨されています」(田場先生)
【3】メイク
「メイクはニキビ治療の妨げにはならず、QOL(生活の質)を向上させるという研究報告があり、適切なコスメを使えば特に問題ないと考えられています。
ニキビを作りにくい“ノンコメドジェニック”のものを使用するのが安心ですが、ニキビができないというわけではないのでお肌に合った低刺激のものを選びましょう」(田場先生)
最後に
基本のスキンケアや、肌悩み別・大人肌が意識して取り入れたいお手入れのやり方を紹介しました。
毎日のことだから、気づくと自己流になりがちなスキンケア。正しい適量や順番を確認しながら、自分の肌状態も合わせてチェックしていくことが大切です。どんな洗い方をしているか、保湿は足りているか、年齢肌に合った化粧品か、改めて見直してみましょう。
トップ画像/(c)Shutterstock.com